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INTERVIEW

Japanese

DOES

2021年01月号掲載

DOES

Member:氏原 ワタル(Vo/Gt) 赤塚 ヤスシ(Ba/Cho) 森田 ケーサク(Dr/Cho)

Interviewer:石角 友香

-レコーディング自体はもう人が集まれるようになってから行ったんですか?

ワタル:ある程度、落ち着いた時期、8月末だったね。だんだん落ち着いてきたかなっていうので、"じゃあもうやりましょう"っていうのでバッと録って、データを僕が持ち帰って、編集とかして。今までの「曇天」(2008年リリースのシングル表題曲)とか「バクチ・ダンサー」とかをやってくれたエンジニアの南石(聡巳)さんにオンラインでミックスもお願いして。だから音像が往年のDOESって感じもありつつ、でも南石さんに"現代的な「曇天」みたいにしてください"って言ったんで、そういうところに力注いでいただいて。古き良きロックっていうアナログな感じもあり、けど、それが逆に今っぽいっていうのができた気がしますね。

-赤塚さんと森田さんはDOESとしての新曲のレコーディングはどうでしたか?

ヤス:まぁ久しぶりすぎて、高揚しますよね。不安よりも楽しさ。またこの3人で"録れるんだ"っていう喜びのほうが大きかったですね。

ケーサク:懐かしかったですね。いろんな環境自体も。レコーディングをしっかりやるっていう感じが久しぶりで嬉しいし。久しぶりって意外と緊張するなとか(笑)、いろいろ4年間溜まってた魂的なやつをうまく流し込めたかなという感じがします。

-氏原さんから曲が上がってきた段階ではどうでした?

ヤス:あからさまに以前より曲のパワーが大きくなってんなぁというか。技術的なものも含めてですけど、同期モノのバランスとか細かいアレンジのところとか、"すごくうまくなったな"と思って。曲自体がいいっていうのもありますけどね。

ワタル:DOES活動休止中の3年間の経験はすごいですね、やっぱり。勉強もしたし。昔と違って、やっと自分をアーティストだなって言えるようになってきたな、コントロールして何かを作れるようになってきたというか。見えない壁をぶっ叩くとかじゃなくて、ちゃんと壁を用意して何を描くのかを決めて、それができるみたいなのは。コンペとかもやるんですけど、鍛えられましたね。"来週までに"とか、"マジかよ!"と思うんだけど、意外とできるんだよな(笑)。

-「ブレイクダウン」はニュー・アルバムが出るとしたら入っていそうな印象がありました。

ワタル:結構「ブレイクダウン」は"真選組"が突入するところをイメージして作ったんですよね。なんか最初にボシュってマッチの音があるんですけど、あれ、土方(十四郎)のタバコなんですよね。で、マッチでタバコに火をつけてイントロが始まっていって、リフで押していくっていう。"真選組"の制服の黒いイメージの感じも曲にしましたね。

-カップリングの「斬り結び」。"切り結ぶ"には激しく争うという意味がありますが。

ワタル:銀時と高杉(晋助)をイメージして作って。その後ろにいる虚、松陽先生(吉田松陽)の感じっすね。切り結んで戦って、男ふたり、お互い理解していく、そういう感じ。「斬り結び」はね、推しというか、僕は使われるだろうなと思ってたんです。広義的な意味での裏主題歌っぽい感じで作ったんで。そしたらスタッフ側が「道楽心情」と、しかも「ブレイクダウン」だと。えー? って。おれ、「ブレイクダウン」好きなんですけど、"すげぇなぁ、いい趣味してらっしゃる"って勝手に思っちゃってね(笑)。でも「斬り結び」はカップリングになっちゃったけれども、同じぐらいのパワーを持ってる曲なので。SPYAIRの「轍~Wadachi~」がメイン主題歌だけど、裏テーマ・ソングみたいな感じで楽しんでくれるといいなと思いますね。

-これはもちろん"銀魂"ありきだと思いますけど、考えてることを戦わせてまで結論を出すことが最近なかなかなくないですか?

ワタル:すぐ炎上したり逃げちゃったりするから(笑)。まぁ、殴り合ってわかり合うとかは難しいとしても。例えば、最近のゆとりからさとりになってみたいな、そんな言葉なんてどうでも良くて、たぶんみんな一生懸命生きてるはずだし、それは時代によっていろいろやり口は変わってくるだろうけど、ぶつかり合ってわかり合うっていうのは絶対的にどっかあると思うから。今のハタチ界隈の子たちって、そういうのに飢えてるんじゃないかなって思うな。だからライヴで、みんなで盛り上がりたいっていうのもその現れかもしんないし。

-どんなに激しくてもやっぱり歌詞が大事なバンドなんだなというのも再認識しました。

ワタル:そうですね。曲を生かすも殺すもミックスが大事なんでね。どこに重きを置くか。もちろん激しいんだけど、あんまガシガシやりすぎると歌が死ぬ、そういうところもあるんで。それはバンドによりけりなんだろうけど、僕らはすごくわかりにくいんですね。激しさも持ってて、歌モノでもあるしみたいな。でも俗に言う歌モノって感じでもないし、俗に言うラウドロックでもない。だからこそやりがいがあるとも言えるんですけど。

スタッフ:ちなみに今回、BOBOさんにドラム・テックやってもらってます。普段はテックはやらないんだけど頼んで。

ワタル:今回の3曲と次、出すであろうもう1曲録ったんですけど、やっていただいてね。休憩中にタバコ吸いながら喋ってたら"この4曲すごいね! なんかこれだけでアルバム全部できちゃいそうなカロリーだね"って。ああいうふうに見えてめっちゃクレバーというか、センスに溢れる人だから。

-面白いですね。時代の変化を感じる。

ワタル:こういう40オーバーの世界というかね、一山越えた世代というか。そういう輩がいるんだよと。先輩になるんだろうけど、なんか安心感っていうのかな。お兄ちゃんおるよ(笑)みたいな安心感を若いヤツらに持っててほしいなと思うな。