Japanese
sleepyhead
2019年10月号掲載
sleepyhead第1章がもう終わっちゃう感じがあるんですよ。この先どうしようかなって感じなんですけど(笑)
-そちらも楽しみにしてます。Ittiさん、お忙しいところありがとうございました。今回もいいものになりましたし、またここからいろいろと広がっていきそうですね。
武瑠:そうですね。Ittiにはこの曲をお願いしたいと思っているものがすでにあるんです。さっき話していた"ムカつきすぎて作った曲"なんですけど、サビがめちゃくちゃキャッチーなんですよ。
-でも、ムカつきすぎて作ったヘイトの塊みたいな曲がキャッチーになっているのも、なかなかすごいですけどね(笑)。普通だったら叫び倒したくなりそうなものなのに。
武瑠:たしかに(笑)。歌詞はちょっと書き直してますけどね。あまりにヘイトすぎるから(笑)。でも、単純にすげぇいい曲なんで。
-その曲を、今度作ろうと思っているアルバム『センチメンタルワールズエンド』に収録しようと思っていると。
武瑠:そうです。その曲が、sleepyheadの核と言えば核にあって、今はそれを出すためのレベル上げをしている感じなんですよね。まず、ガムシャラに『DRIPPING』(2018年6月リリースの1stフル・アルバム)を作ったんですけど、そのときはまだその曲を自分の力で作りたくなかった。で、『NIGHTMARE SWAP』を作って、成長したな、でもまだやりたくないって『meltbeat』を作って......っていう。だから、すべては『センチメンタルワールズエンド』というアルバムの構想があって、進んでいたんですけど、それをついに来年やろうかなと思ってるんです。
-満を持してという感じですね。
武瑠:そのアルバムは、"名曲全出し"っていうか。自分の中で"自分が作った曲のランク分け"みたいなのがあるんですよ。それは、人気がどうとか関係なく、自分がこの曲は最高だと思うランク分け。そのトップクラスの曲が、「HOPELESS」(『DRIPPING』収録曲)とか、バンド(SuG)時代に作った「桜雨」とか、あとは「akubi_girl」で。そのちょっと次に「結局」(2018年リリースの会場限定0thシングル『闇雲』収録曲)がくるんですけど、その一帯にランクづけしている曲たちをいったん全部出してみようと思ってます。
-かなりはっきりとした構想があるんですね。
武瑠:そもそも『meltbeat』も『endroll』も、"センチメンタルワールズエンド"というタイトルありきで作ってるんですよ。テーマとしても『meltbeat』は"爽やかな成仏"だし、『endroll』は"終わりから次が始まっていく"ことだし。で、『センチメンタルワールズエンド』は、恋とか夢とか仕事とか、それぞれの青春の終わりがあって、そこからまた何かが新しく生まれていく、その強さみたいなものというか。だから、『meltbeat』も『endroll』も、そこに入れる先行シングルみたいな気持ちで作ったんです。でも、他の曲もできているから、それは入れずに、全部新曲にしようかなとか、何曲入りにしようかなっていうのはまだちょっと迷ってるんですけど、とにかくそこにすべての熱を注ぎ込もうと思ってます。だから、sleepyhead第1章がもう終わっちゃう感じがあるんですよ。この先どうしようかなって感じなんですけど(笑)。
-いやいやいやいや(苦笑)。
武瑠:飄々と何かをやっていくのかなとは思うんですけど......今って、メジャーみたいに年間にアルバム1枚、シングル1枚みたいな縛りも一切なくて、逆に自由すぎるから、一気に出してはきたけど、もうちょっとペースを抑えたほうがいいのかなって。他のことができなくなるし。だから、いったん全部出してみて、すっからかんになったら、どっか旅にでも出るかって(笑)。
-旅人宣言......。
武瑠:そういう感じでいいんじゃないかなって思うんですよね。別にずっと生み出し続けていかなくても、いいんじゃないかなって。だから、3周年のときとか、どうしようかなって思ってるんですけど。
-どうするんですか?
武瑠: 3周年のときにZeppか新木場STUDIO COASTでやろうと思ってたんですよ。でも、それってそんなに楽しい目標なのかなって思っちゃって。"もっと動員を伸ばそう"って変に頑張って歪んでいくほうが、違う気がするし、もっとクリエイティヴがぶっ飛んだものをやっていくほうが、面白そうだなっていう。この前事務所を作っていくのも面白かったし、純粋に面白いものってなんだろうって考えると、別に曲を作ることだけじゃないんだよなと思ったんです。
-なるほど。自分が表現したいのは、音楽だけではないという。
武瑠:今オンライン・サロン("社畜飼育場-sleepyhead ONLINE SALON-")でいろんな計画を立てているんですけど、ふざけた遊びみたいなことをしたいんですよね。そのほうが自分も飽きないし、楽しいんじゃないかなって。既存のルーティーンでやるのに飽きてくるんですよ。だから、自分自身ここからどうなっていくんだろうなって思っているところはあって。ブランドで"車を作りたい"とか、ハンバーガー屋さんをやりたいとかいう話をしてるし。
-ハンバーガー屋さん......?
武瑠:そのイメージは、もう結構できてるんですよ。デザインとかキャラクターとかも全部考えていて。だから、もはやリリース・ペースがどうとか、そういうことじゃなくなってきてる自分がいるんですよね。大きい会場を目指す夢もいいんだけど、キャパ上げっていうことに対して自分が刺激を感じていないんだろうなって。だから、音楽から派生するカルチャーみたいなものをやりたいんだと思う。
-そこに音楽というものは必ずあるんですね。
武瑠:たぶんあります。映像でもBGMはあるし。だから、一部なんでしょうね。音楽も映像もファッションもすべてが均等にあるんだろうなって。そういう方向にだいぶ吹っ切れてきている感じがします。みんなが陥ることではあるんですけど、"普通じゃないことをやりたい"とは言うんですよ。でも、契約通りのタイミングでCDを出して、ライヴをやって......というルーティーンでやっているのは普通なんじゃないか? っていう。ドレスコーズの志磨(遼平)君が、『平凡』っていうアルバムを出してましたけど、本当にそうなんですよね。俺もまったく同じ考えで、それは平凡なんじゃないのか? って。そういうものを破壊するために、"3D音楽をやりたい"って言ってたんですよ。ファッションを絡めることは自分の中ではもう普通になっちゃったけど、それ以外のものもどんどん足していかないといけないなって。
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