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INTERVIEW

Japanese

フレンズ

フレンズ

Member:えみそん(Vo) ひろせひろせ(MC/Key) 長島 涼平(Ba) 三浦 太郎(Gt) 関口 塁(Dr)

Interviewer:TAISHI IWAMI

-"フレンズという概念"に向かっていった曲の象徴ということですね。

ひろせ:はい。「0:25」を作った太郎さんはそこにはいないし、「take a chance」で"いこうぜ"って歌ったえみそんもいない。そういう意味で、フレンズの振れ幅や間口の広さが出せたと思います。

-「take a chance」から「HEARTS GIRL」、曲調としては踊れる曲が2曲。テンポ・アップするから、すごくいい感じで身体が温まります。そして、次の「12月のブルー」は一気に装いを変えて、フレンズとしては新しいチャンネルとなるビッグなバラード。

ひろせ:がっつりバラードってやったことなくて、6分近くあるけど飽きないし、えみそんの歌がもっと広く届く曲になっていると思います。

三浦:この曲、めちゃくちゃ好きなんです。ギターも弾いたんですけど、最初にいいなって思ったのは、僕が仮歌を入れたとき。最初はえみそんの歌詞がなくて、サビでひろせが"ひ~ろ~せ~"って歌ってて、その印象が強かったんですけど、そこにえみそんの歌詞が入って歌ったときに、物語に入り込めたんです。"これを歌ってる人は幸せだな"とか、"このギター弾けて良かったな"って、思いました。

関口:(三浦は)その仮歌をえらく気に入ったみたいで、"葬式のときにかけてね"って言ってましたね。

えみそん:この曲は前の恋人に未練のある男性になりきったようなイメージで、自分が歌い上げるというより、太郎君が言ったように物語に入って歌えた曲です。

-続く「Nothing」は、塁さんが書いた曲ですね。

関口:この曲は、元ネタではないんですけど、THE WHISPERSのディスコ感みたいなイメージで。鍵盤はうまく弾けないんで、"GarageBand"(※音楽制作ソフトウェア)でドラム・トラックだけを作って、入れたいパートをボイスメモで録ったものを太郎君に打ち込んでもらって、デモができたんです。涼平君のベースもカッコ良くて、最後だけEARTH, WIND & FIREみたいに弾いてくれてるんですよ。

長島:そんなことやってたっけ? 「September」的な感じかな?

-「0:25」は、アレンジやサウンド、テンポ感が、"今"を感じさせる曲で。振り返ってみると、フレンズの曲って、決して古いということではないんですけど、ここまで時代やトレンドに対して直接的にアプローチした曲はなかったんじゃないかと。

三浦:2年前に飛行機の中で眠れないから作った曲で、あまり時代とか、そういうことは考えてなかったです。ひろせのラップがかっこ良く聞こえるように作りました。

-音も低音が強くて、現代的だなと。

三浦:フレンズでがんがんローを出す曲って少なかったんで、塁にもバスドラの低音を強調してくれってお願いしました。ビートもちょっと外してくれないかとか、奇をてらってやろうとしたわけではくて、なんか面白いなって。そういうところは、今の音楽を聴いてる自分が自然と出たのかもしれないです。

-塁さんはこの曲で初めてリード・ヴォーカルを。

ひろせ:きっかけは、2年前にフレンズみんなでカラオケに行ったときに、塁さんがYogee New Wavesの曲を歌ったのがすごく良かったこと。で、"青春チャレンジツアー"で塁さんの地元で歌って、ここまできたらもう音源として出そうってことに。

関口:ひろせのラップもいいんです。今まではポップに仕上げてきてたんですけど、今回はトラップ調のライムの区切り方で。それは、俺ら的にも発見でしたし、ひろせの新しい武器だと思ったんで、ぜひライヴで観てもらいたいですね。

-えみそんさん、ひろせさん、太郎さん、塁さんと4人のヴォーカルがいること、そして涼平さんも含め全員が曲を書けることは、バンドとしてかなりの強みですね。

ひろせ:全員が0から1を生めるバンドってあまりいないし、それは、5人共が各曲を全体的に見られるってことだから、かなり強みだと思います。

-その強みを高いレベルで生かすことができるようになった作品だと思うんです。そして、そんな多彩な魅力を「地球を越えても」がばっちり締めて、これからのフレンズに光を照らしています。ラップもみなさんの声もフル回転で、フレンズらしいわちゃわちゃした感じもあって、レコーディングはすごく楽しかったんじゃないかと。

ひろせ:レコーディングはわりと淡々としていて、ちゃんとやらなきゃねって。レコーディングで面白いことってあったかな? 太郎さんが謝り倒すとか。

三浦:全然面白くないですよ(笑)。

ひろせ:単純に太郎さんがダメダメで、その日のレコーディングが終わって、"練習して出直してきます"って。

-曲の終わり方もすごくいいですね。歌詞だけでなく音でもまた会いたくなります。

ひろせ:これは、4発ブレイクがあって終わるんですけど、塁さんがリハのときに、1発で終わるのをわかってなくて、続けてやったのを採用したんですよね。

三浦:そう、マジックだよね。

関口:すみません(笑)。

-みなさんの個性とフレンズで積み重ねてきたこと、意図したことや偶然起こったことが結実した、聴けばわかる"フレンズらしさ"が詰まった作品だと、話を聞いてなお腑に落ちました。

ひろせ:だから、ぜひ音源を聴いてライヴに来てほしいですね。

長島:フレンズを知っている人たちにも、"フレンズってこう"とか、イメージを持たずに、フラットに聴いてもらっても面白いと思います。毎回ライヴのことも考えて作ってますし、すごくいい感じで成長できてると思うんで、ライヴにもぜひ来てください。

えみそん:地球って、全体で見たら大きなひとつだけど、クローズアップしたら小さなひとつひとつ。メンバーがいて、みんながいて、それがフレンズになって、地球になって、地球をも越えて大きな景色を一緒に見られたらって思います。