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INTERVIEW

Japanese

été

2019年08月号掲載

été

Member:オキタユウキ(Gt/Vo) ヤマダナオト(Ba) 小室 響(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

やっていることの特殊性に甘んじたくはない。ただ最初に"かっこいい"、"無敵だ"っていう感覚がくる存在になりたい


-1stフル・アルバム『Apathy』を引っ提げてのツアーの感触はどうでしたか?

ヤマダ:今まで届いていなかった人に届いているなという実感がとても大きかったですね。今まで行けなかった地域にも行けたし、もちろん今まで行ったところでも、今までの反応とは違うというか。来ているお客さんの数も違うし、新しい顔がいっぱい増えて、楽しいツアーでしたね。

小室:みんなが曲を知ってくれているということは大きかったですよね。

ヤマダ:そう、こっちから何もしなくても手が上がるというのがある。それは大きかったですね。

小室:あとはMVを観て、初めてライヴに来てくれたとか。

ヤマダ:"バズリズム02"というテレビ番組で観て、来てくれたりとか、ラジオを聴いて、来てくれたり。

-バンドへの入り口がずいぶんと増えましたね。

オキタ:コドモメンタルのいろんなプロモーションのおかげもありますし、僕らがミニ・アルバム、アルバムと短いスパンでリリースをして、いろんなアプローチでétéをちゃんと伝えてきたという実感もあったので、手応えとしてはとてもありますね。あとは僕らのモチベーションというか、やっている感触的にも、1stアルバムを作ってライヴの強度が上がったなというのがあります。楽曲の幅の広さや楽曲の強さも増して、そこからライヴっていうものも大きく変わって。アルバムは特に意識せずに作っていたんですけど、ライヴ映えする曲が多かったので、そういうことで結構変わってきたのかなと思いますね。

-バンドとしては、今すごくグッとアクセルを踏みっぱなし状態が続いている感じだとは思うんですが、なぜ渋谷WWWはフリー・ライヴにしたんですか?

オキタ:そこはやっぱり間口をもっと広げたいということにつきますね。とにかくライヴを観てほしい。それはétéとしてずっと思っていることなんです。

-これっていつ頃決まったことだったんですか?

ヤマダ:今年の初めには決まっていたと思いますね。所属したときに、このくらいの時期にこのくらいの規模でのワンマンをやろうっていう話は出ていて、そのときにはまだ詳細は決めていなかったですけど、会場限定のシングルを出すとかフリー・ライヴというのが決まったのが、『Apathy』のリリースの時期でした。

オキタ:この間コドモメンタルのレーベル・ラジオ番組で社長(今村伸秀)と話していたんですけど、社長は、所属したときにはある程度決めていたみたいです(笑)。

-今村さんとしても、そのくらいスピードアップしていかないといけないだろうという思いもあったんでしょうね。

オキタ:そうですね。僕らも前回のツアーを回って、ライヴがかなり良くなってきているなという実感があるので、今はとにかくライヴを観てほしいです。ライヴハウスに足を運ばせるというのは容易なことではなくて、MVがあったところで、テレビに出してもらったところで、それは変わりないんですよ。

-知ってくれた人をさらに家から出すっていうのは大変ですね(笑)。

オキタ:そうなんです(笑)。そういうなかでこのフリー・ライヴというのは、僕らにとってもありがたいチャンスなので。

-それくらい自信を持って見せるものができあがっているということですね。いろんなバンドと対バンする機会が増えたと思いますが、そのなかでの自分たちのあり方ということで、何かはっきりしたことはありますか?

オキタ:アルバム『Apathy』が、かなり楽曲の幅が広い作品なんですけど、そこの曲を対バンのライヴでも混ぜたりしているんです。もともと僕らは他とは一線を画すというか、僕ら自身のスタンスを明確にしたかったので。ライヴでカッコ良く見せたいのはもちろんですけど、そういうところだけじゃなくて、自分たちのスタンスが見えるセットリストやライヴにしたいと常々考えていて。楽曲の幅が広がったり、強度が上がったりしたことで、対バン・ライヴに出ても、より見せ方として引き締まって見えるかなと思いますね。

-どんなイベントや対バンかに関係なく、自分たちを見せるという。

ヤマダ:そうですね。今回のワンマンでも、どういうライヴにするかっていう話のときにオキタが、"無敵なライヴにしたい"って言うんですよ(笑)。まさにそれだなと。誰が観ても、"étéには敵わないや"って思わせるようなライヴをするスタンスはそれだなって。

-サウンド的にもなかなかいないバンドですしね。

オキタ:そうですね。でも、やっていることの特殊性に甘んじたくはないんです。どう聴いたとしても、ただ最初に"かっこいい"がくる、ただ"無敵だ"っていう感覚がくるような存在になりたいんですよ。

-そこには何が必要だと思っていますか?

オキタ:僕自身、今でも『Apathy』というアルバムをめちゃくちゃ聴いているんです(笑)。いいな、かっこいいなと思っているので、あとは今まで通り自分たちのやりたい音楽をどんどん詰め込んでいくこと、それをとにかく立ち止まらずに続けることと、それをもっと深めることであり、もっとタイトに、よりストイックに、よりハードコアにっていうものですかね(笑)。精神性のところでですけど。

-世間の規格には収めない。自分たちのやり方で、音楽で、形で、鋭さでやると。

オキタ:そうです。そのポップ性みたいなところは「ラスト/ラスト」を書いてみて、もう備わってきているのかなという感覚があるので。

-自分たちを最大限に見せることが、ポップ性にも繋がるという実感もあるんですね。

オキタ:そうです。そこが一番見失いたくないところですね。

LIVE INFORMATION
"été ONEMAN LIVE ~ e4 ~"

7月28日(日)渋谷WWW
開場 18:30 / 開演 19:30
チケット:無料(1D別)
予約はこちら