Japanese
キノコホテル
2019年06月号掲載
メンバー:マリアンヌ東雲(歌と電気オルガン)
インタビュアー:杉江 由紀
果たして、"マリアンヌの奥儀"とはなんなのか。創業13年目に突入するキノコホテルがこのたび完成させたアルバムは、これまでに彼女たちが築いてきた確固たる個性を土台にしながらも、敏腕クリエイター 島崎貴光を共同プロデューサーに迎えたことにより大胆且つ意欲的な新しい試みにも挑戦した、まさに華麗なる奥儀が発動された作品に仕上がっていると言えるだろう。キノコホテルの総支配人であるマリアンヌ東雲いわく"古き良きディスコの良さと、最先端なクラブ・シーンの面白さ"のいいところ取りをした音像は、なんとも鮮やかでいて艶っぽい。こうなると、後に控えているツアー"サロン・ド・キノコ~奥儀大回転"も実に楽しみである。
-今回のアルバム『マリアンヌの奥儀』は、マリアンヌ東雲さんとサウンド・プロデューサーの島崎貴光氏のおふたりによる共同プロデュース作品になっております。島崎さんとはもともと既知の仲であったそうですが、まずは今回キノコホテルとして初の外部プロデューサーを迎えることになった経緯を教えてください。
島崎さんとは、実は10数年前に共通の友人を介して知り合ったんですけど、それ以来ずっと会う機会はなかったんですよね。しかも、出会った当時は私がまだ音楽も何もやっていませんでしたから。それから10数年ぶりにたまたま再会しまして、お酒を飲みながらその場でいろいろと相談をしてみたんですよ。その流れで、"次は島崎さんと一緒にやってみたら面白そう"と思ったのがきっかけでしたね。というか、帰り道で自分の心の中はすでにそう決まっていました。
-ちなみに、今作『マリアンヌの奥儀』では、従来のキノコホテルとは一線を画す要素として、ダンサブルなサウンドを大胆に取り入れた楽曲も何曲か収録されております。このような変化が生まれることになったのも、島崎氏とのコラボ効果によるところが大きいのでしょうか。
そうですね。そこはまず、今のキノコホテルが変化を求めていたというのが先にあったと思います。とはいえ、2019年にキノコホテルのアルバムを出したい、と私が決めた時点では特にコンセプトが固まっていたわけではなかったんですよ。ただ、2017年に創業10周年......つまり、一般的なバンドで言うところの結成10周年を迎えたうえで、今回はそこから初めて出す新作アルバムということになるので、どんな方向性のものを作っていくのか? と考えたときに、"また相変わらずのキノコホテルであり続ける"という選択肢と、"何かこれまでとは違うものをキノコホテルとして見せつける"というふたつの選択肢から、今回は後者を選んだわけです。そして、そのテーマを踏まえたうえで島崎さんと打ち合わせをするなかで、"ダンス"や"踊れる音"というキーワードが彼の方から出てきました。
-なるほど、そういった流れだったのですね。
しかも、"踊れる"という部分に関して言えばこれまでのキノコホテルが実演(※ライヴ)の場でやってきたようなものとはまた違うものを今回は目指したんですよ。もっと現代的と言いますか、より間口を広く構えたダンス要素を取り入れたかったので、島崎さんにはそのあたりをガイドしていただきつつ、そこに私が乗っかっていったところも多々ありました。その"乗っかってみたい"というのは、自分の中で前々からあったひとつの願望でもありましたので。というのも、これまでの10年余りは常に自分がすべてを決めて舵取りをして、どちらかと言えば周りを"乗せていく"かたちでやらせていただいてましたからね。それだけをずっと繰り返していくと、いつかそのサイクルを自分自身が楽しめなくなってしまうんじゃないか? という不安がそろそろ出てきていたのも事実なので、そういう意味で今回はとてもいいタイミングで新しいアルバム制作をできたなと感じているんです。まぁ、どんな仕事でも長く続けていくとマンネリになったりすることはあると思いますし、そうなる前に新しい試みをしてみることで現状を打破していくのは大事なことなのではないでしょうか。
-では、ここからは各曲についてもお話をうかがっていきたいと思います。いわゆるリード・チューンとなっている「ヌード」は、まさにダンサブルな色合いが鮮烈に打ち出された仕上がりとなっておりまして、この振り切れ度合いはなかなかのものですね。
完全にこれは"ディスコ"です(笑)。でも、いわゆる往年のディスコとはひと味違うんですよね。私個人は、そんなに今のダンス・ミュージックに対して深い知識を持っていなかったですし、クラブに行ったりすることも滅多にないのですけれど、そこは島崎さんが洗練された現代の感覚というものをここに融合させてくれました。ダンス・ミュージックというものに対するキノコホテル的解釈と島崎的解釈がうまく折衷されたなと感じてます。これまでも、キノコホテルは何かと隙間産業的なことをやってきてはいるんですが、今回また新たな隙間を埋めることができたんじゃないかと思いますね。
-ダンス音楽の時代感を醸し出すのにあたっては、リズムでありビートの部分が重要になっていくはずですけれども、リズム隊を担う従業員のファビエンヌ猪苗代(ドラムス)さんと、ジュリエッタ霧島(電気ベース)さんは、今回のレコーディングではそれぞれどのようなご様子でしたか。
ダンス・ビートそのものはこれまでにもやってきていたので、ふたりともわりとすんなりいっていた感じでしたよ。ただし、"極めてタイトに"という注文はしました。特にドラムに対しては"機械になったつもりで叩いてくれ"くらいのことを最初のうちは言っていましたから(笑)。そして、島崎さんからのアイディアで、あとからキックやゴーストを足すことで単なる生ドラムでもなければ、トリガーを使ったような音とも違う、この絶妙なグルーヴが生まれていくことになりました。リズム隊のみならず、うちの従業員3人ともがこの「ヌード」に関してはかなりの手応えを感じていたようです。
-とにもかくにも「ヌード」は華やかな雰囲気に仕上がっておりますね。
レコーディング前ギリギリまで、曲に対してのテコ入れをした成果です。原曲にはこのサビもなくて、こういう転調もしてはいなかったんですが、ここも島崎さんからのアドバイスを参考にしてその両方を実践することにしたら、だいぶキラキラした印象になったと思います。
-「ヌード」の歌詞世界についても、よろしければ解説をいただけますと嬉しいです。
いつもそうなんですけど、歌詞には思い入れがそんなにないと言いますか(笑)。深く考えずに書くんですよ。自分自身のことをそのまま書いているというわけでもなくて、それどころか作品数を重ねれば重ねるほど自分自身と歌詞世界の距離感は広がっていっている気はします。例えば恋愛に絡んだ詞を書こうとすると、なぜか道徳に反した方向性に行くことが多いみたい(笑)。今回のアルバム制作を通して、そのことに改めて気づきましたね。人様のものになんてまったく興味ないんだけど。とはいえ、内なる自分からのなんらかのメッセージなのかも知れないですし(笑)。
-やや強引かもしれませんが......マリアンヌさんの作られる旋律や曲調には、キャッチーな中にも憂いや陰りを含んだものが多いことを思うと、音の持つある種の背徳感がそのような言葉たちや物語を呼んでいる可能性はありそうです。
あぁ、それはあるのかもしれません。たしかに、幸せな恋の歌になんかまったく興味ない(笑)。自分の音楽世界にはそういう要素は不要だと思っています。巷にいくらでも溢れていますからね。今回の歌詞たちは、もともとキノコホテルのマリアンヌさんが描き出してきた世界と比べても、一歩引いたものが多いというか、物語を俯瞰して詞を書いているものが多いですね。当事者というよりどこか語り部的とでもいうか。結構冷めた視点で書いているなと自分でも感じます。
-おそらく、俯瞰性が強くなったことによりフィクションとしての醍醐味は強まっているのではないでしょうか。何しろ、今作は「愛の泡」しかり「東京百怪」しかり「華麗なる追撃」しかり。はたまた「茸大迷宮ノ悪夢」や「女と女は回転木馬」にしても、タイトルを見ただけでワクワクしてしまうくらいに興味深いものが目白押しです。
そこはですね、先ほどは"歌詞には思い入れがない"なんて申し上げましたけど、曲タイトルについてはあえて思わせぶりな言葉を選んでいる節が多々あります(笑)。
-なお、「愛の泡」については音の面でもブラスと粋なギターのカッティングがスタイリッシュな音を放っているところが素晴らしいと感じましたが、こちらの曲も存在感としてはリード・チューンと負けず劣らずの強さを持っている印象です。
この曲は従来のキノコホテルも留めながら、そこにゴージャスなブラスが入り、タイトで洗練されたリズムや基盤があって。あのギターも本人の代名詞でもあったファズを封印してあれだけシビアなカッティングを入れていくことで新しい音をかたちにすることができたと思います。うちのギターのケメ(イザベル=ケメ鴨川)さんは、基本的にキノコホテルの中で言うと飛び道具的な立ち位置にいる従業員だと私は日頃は思っているんですけれどね。今回この「愛の泡」と「ヌード」ではあまり表立ったギター・パートを設けず、わざと裏手に回ってもらって、カッティングをひたすら頑張ってもらいました。
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