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INTERVIEW

Japanese

つしまみれ

 

つしまみれ

Member:まり(Vo/Gt) やよい(Ba/Cho) まいこ(Dr/Cho)

Interviewer:岡本 貴之

-タイトル"NEW"にはどんな想いが込められているのか教えてください。

まり:生まれ変わった新しいつしまみれの新しいアルバムだから、"NEW"。そのままだけど、それが一番いいねって、やよいと話して決めました。

やよい:結成から17年半一緒にやってきたメンバーが脱退して、それでも"つしまみれ"を続けたいという明確な想いを再確認しました。でも一度リセットして真新しいスタートを切る! という宣言かもしれない。

-『SHOCKING』(2012年にリリースした10thアルバム)以降、プロデュースを中村宗一郎さんが手掛けているそうですが、今作は「宇宙エレベーター」、「Crazy for you」など、"間"や空気感が面白いアルバムだと感じました。そこにはこれまで中村さんがサウンド・エンジニアとして手掛けてきた他のアーティストの作品との共通点も感じますが、サウンド作りについてどのような話をしていたのでしょうか?

まり:中村さんには、"前にやったことをやっても面白くないでしょう?"とはよく言われてました。"似たような歌メロになってますよ!"とか、"なんか面白いことないんですか?"って、いつも新しいアイディアを考えようとしてくれて。あとは、"この曲は、何を聴かせたいか、どんな曲なのか"ってことを考えさせてくれたと思います。

やよい:詰め込みすぎない。絶妙な抜き差し。ハプニングを尊重(間違いすら面白い)って話をしてました。

-レコーディングにおいて今回トライしたことやこれまでと違った点があれば教えてください。

まり:トライしたことが思い出せないんだけど、歌録り前に声帯ポリープの手術をしたので、声が今までよりきれいかもしれないです!

やよい:ベースに関しては、「Girl's Talk」が今回の地味だけどハードなトライで、ベース・ラインが最初にできた曲にもかかわらず、まだ見ぬ歌のためにベース・ラインをシンプルに作り変えました(笑)。作った自分にはOKとNGのラインがわからないので、エンジニアの中村さんの判断にかなり頼りましたが、あとになってどれほど重要な作業だったかがわかりました。キーボードに関しては、キーボードに絵の具で色をつけて愛情を深めるところから始めました。レコーディング中、私のキーボードはみんなから"地球"と呼ばれてました♪

-まりさん、やよいさんそれぞれにお訊きします。今作において、ドラムが新しくなったことでプレイヤーとして上手くいったところ、苦労したところ、共に教えてください。

まり:上手くいったところは、まいこが、つしまみれにおいて真っさらな状態なので、固定観念もないし、一生懸命合わせてくれたところ、苦労したところは、同じ理由で阿吽の呼吸はなかったところかな。でも、それを苦労とまでは思ってないな。合わなくて当たり前だから。逆に新鮮で良かったです。

やよい:上手くいったところは、ノリの相性は合うなと思ったところ。苦労したところは、まいこのカウントや終わるタイミングが自分のイメージと違うことがしばしばあるところ。でも、言えばわかってくれるので大丈夫です。

-「パンクさん」(2007年リリースの2ndアルバム『脳みそショートケーキ』収録曲)の続編ともいえる「パンクさん2」が収録されていますが、他の曲と違いかなりローファイな音でした。どんなシチュエーションで録られた曲ですか?

まり:「パンクさん」を覚えていてくださってありがとうございます! 悩まずに、あっけらかんとした曲が作りたくって「パンクさん2」を作りました。録音のときは、やよいのカウントに大爆笑でした。

やよい:考えることが疲れたシチュエーションで録りました。悩まずに作りたいって作ったのに、そのあとこんなに悩まずに作ったものでいいのかと悩みました(笑)。

-まりさんの歌詞はいつも面白い着眼点で書かれていて、なんでも歌にしてしまうんだな、というところが好きなのですが、今作を通して歌詞に共通するテーマはありましたか?

まり:共通のテーマと言われるとすぐ思いつかないです。強いて言えば、"人生"!? "女の生きる道"というか、演歌みたいだけど。なるべく自然に感じてることとか好きなことを歌いたいです。エンジニアの中村さんに"なんでそれを歌うんですか?"ってことはよく言われてて、言葉遊びで自由に歌いたいって気持ちにプラスして、歌う意味が欲しくなってました。聴いてくれるみんなはもちろんだけど、まず一番はメンバーと共感できる歌詞にしたいって思いつつ、今回3曲目の「Crazy for you」は、最初にやよいがアイディアと歌詞のイメージも伝えてくれて、完成までよく話し合いました。レコーディング・スタジオの帰り道、明大前の駅のホームの待合室で、どんな恋の歌なのか話し合って歌詞を考えてました。多分、周りの人達には変な恋バナしてるなと思われてたんじゃないかな。

-「結婚気だるげ猫の毛だらけ」という曲がありますが、つしまみれと猫といえば「猫は本当はやさしい生き物じゃない」(『GIVING BLOOD』収録曲)が思い出されます。猫はインスピレーションを与えてくれる存在なのでしょうか。

まり:そうですね! またまた過去曲出していただいてありがとうございます!! やよいの家の猫を思い浮かべて歌詞を書きました。猫にとっては、"結婚気だるげ"に見えたりして!? って思って書いたところです。飼い主をクールに見つめる飼い猫の気持ちです。

やよい:人間の女と猫って似てるって思ってます。ちなみに、今我が家に猫が5匹もいて毛だらけです。

-「ひとつ」は、心の内をシンプルに素直に歌っているように感じました。この曲に込めた気持ちを聞かせてください。

まり:はい。思ってることがそのまま歌詞になっています。みんなが同じ志で頑張っているつもりでも、やっぱり他人同士だから分かり合えないことがあって、それでも、ひとつのことで繋がっていられると信じてます。やよいとまいこと録音できて良かったです。

やよい:自分にとっては、変わり続けながら大事な部分は変わらないでいたいというバンド人生におけるテーマです。