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INTERVIEW

Japanese

ミソッカス

2017年03月号掲載

ミソッカス

Member:デストロイはるきち(Vo/Gt) ノブリル(Gt/Cho) マイケルTHEドリーム(Key) ジャンボリー加藤(Dr/Cho)

Interviewer:荒金 良介

-はるきちさんが思うポップをもう少し具体的に言うと?

はるきち:わかりやすさですね。前はテクいことをしたい気持ちがあったんですけど、今回は全体的にシンプルにしました。

ノブリル:ある意味テクが何もなかった1st(2011年リリースのミニ・アルバム『三次元からの離脱』)に近いかもしれないですね。で、メロディもよりわかりやすくしようと。

はるきち:初期の曲はライヴでもバーン! とやれちゃうんだけど、ここ最近の曲はハーモニーも緻密だし、ちゃんと弾かないと、良さが伝わらなかったりして。今回はシンプル・イズ・ベストな感じでやれました。

-何よりライヴで映える曲を心掛けようと。

ノブリル:僕らもそういうふうにライヴをやりたい、という願望も詰まってます。

はるきち:うん、僕らが楽しんで演奏できるものをやろうと。最初に作った「罪人のセレナーデ」はバリテクですけどね。そのときは何もヴィジョンがなくて、とりあえずいい曲を作ろうと思っただけですからね。


もともと僕らはダンス音楽が好きなので、染み込んでいるものなんですよ


-前々作(2016年3月リリースの1stフル・アルバム『追撃のフォークロア』)は民族音楽、前作はグランジがテーマでしたけど、今回は何かテーマはありました?

ノブリル:実はテーマはそんなに決めてなくて。こういうライヴをやりたいというミーティングはすごくしたんですけどね。

はるきち:制限がある方がやりやすいと発言していたと思うんですけど、今回は漠然とやっちゃいました。

ノブリル:3人で一緒にいる時間も長かったしね。

マイケル:昔は自由にやってましたからね。その方が僕らに向いているんじゃないかなって。そしたら、自然とミソッカスらしくなるんじゃないかと。

はるきち:周りの人に聴かせても、ミソッカスらしいねと言ってもらえるので。何も考えない方がきっといいのかなって。

-てっきり"ダンス音楽"とか、そういうテーマがあるのかと思ってました。

はるきち:もともと僕らはダンス音楽が好きなので、染み込んでいるものなんですよ。だから、ここが原点なのかなと。僕は90年代のJ-POPが好きで、どれも四つ打ちじゃないですか。m-floさんの「come again」(2001年リリースの2ndアルバム『EXPO EXPO』収録曲)とか大好きでしたからね。

ノブリル:ダンス音楽ではないけど、RAGE AGAINST THE MACHINEは好きですね。

-たしかにRAGEも身体は動くというか、暴れたくなりますからね(笑)。で、「ダンシングモンスター」は元電気グルーヴのCMJKさんが唯一プロデュースした曲ですよね?

はるきち:いつもみんなでやっているので、外部から新しい風を入れた方がいいんじゃないかと思って。

マイケル:ずっと足し算ばかりしていたことで、ライヴでどう弾いたらいいかわからないこともあったから。アレンジしてくれる人を欲していた部分もあるんですよ。

はるきち:CMJKさんが僕らのライヴを観てくれたときに、"これは引く作業ですね"と言っていたみたいで。なるほどなって。僕らは足すことが得意だったから、自分の中から出てきたフレーズに愛着が湧きすぎちゃってた部分があったんです。

ノブリル:上に重なるキーボードのアレンジは勉強になりましたね。

マイケル:あっ、こんなにシンプルでいいんだなって。その方がクオリティも高く聞こえるんですよね。

-今回はキーボードの音色がより印象に残ります。

ノブリル:シンプルにすることで、曲の主役が明確になりますからね。

はるきち:僕はなるべく曲を客観的に見るようにして、ノブリルやマイケルのフレーズをバッサリ切ることもあるんですよ。ただ、自分が作ったフレーズに関しては誰も何も言わないんです。

ノブリル:このフレーズをもとに曲ができているのかな、と思っちゃうんですよね。

はるきち:あっ、そうなんだ。

-「ダンシングモンスター」もそうですけど、今回はドラムの音の抜けもすごくいいですよね。

はるきち:(ジャンボリーは)もともとドラムのニュアンスにこだわる人なんですけど、だいたいミックスで潰されるパターンが多くて。

ジャンボリー:今回はいつもよりドラムのチューニングに時間をかけたんですよ。レコーディングにはドラム・テックの人が来てくれるんですけど、関係性もだいぶ深くなったから。前は遠慮して言えなかったけど、今はサークルの先輩みたいに気軽に何でも言えるようになったんです。録り音自体はすごく良くなったと思います。特にスネアはいい音だなと。

はるきち:横ノリが得意なのはジャンボリーとマイケルだけで、残りの3人は根っから縦ノリが得意なんですよ。だから、縦ノリだと5人の足並みが揃うんですよね。