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INTERVIEW

Japanese

黒猫チェルシー

2017年02月号掲載

黒猫チェルシー

Member:渡辺 大知(Vo) 澤 竜次(Gt) 宮田 岳(Ba) 岡本 啓佑(Dr)

Interviewer:沖 さやこ

-澤さんがやりたいことを詰め込めたと言えば、「LIFE IS A MIRACLE」(Track.8)もそうでしょう。なんて粘り強い、ハード・ロック的なリフの応酬!

澤:今回僕が作った曲は"往年の~"感がすごいですよね(笑)。とにかくこれでもか! というくらいリフで攻め続ける! ......どんどんギター・ロックというものがすり減って(世の中に)聞こえなくなっていく気がしていて、だからエレクトロなものを取り入れるバンドも増えてるんじゃないかと思うんです。そういう時代にど真ん中のことをやってやろう! と思って目を血走らせながら弾きました(笑)。こういうリフが聴こえてくるような時代に生まれたかった......この先そういう時代が訪れるよう願いを込めて。

渡辺:粘り気ありますよね。澤の作る曲はこぶしが効いてる。

-ディスコ・ナンバーの「Dark Night, Spot Light」(Track.3)も80年代の香りがありますし、澤さんが愛する音を込めた曲作りができているんだなと思いました。そして宮田さんは「恋するハイウェイ」(Track.5)と「飲みに行こう」(Track.11)の2曲を作曲しています。「恋するハイウェイ」は"町田 康さんの美学を自分なりに解釈した"ということですが、どういうことでしょう?

宮田:僕ら4人でいると、結構内側に入っていくことが多いんです。そのなかでも僕はいろいろ破壊するタイプで(笑)。町田 康さんや筒井康隆さんにあるデストロイ且つ笑いのある痛快さが好きなんです。"SF小説界を耕したのは星 新一で、小松左京がブルドーザーで地ならしをして、筒井康隆はそこにスポーツ・カーで乗り込んできた"という例え方をよくされているんですけど、そういうことがやりたかった。......一応関西の人間としてそういう部分も出していきたいなと(笑)。

渡辺:えっ!? 初めて"関西の人間"を押してきたなぁ(笑)。

澤:最後の(テンポが上がる)展開は、レコーディングしてるとき俺らが遊んで弾いてたのをエンジニアさんが"面白い"と言ったことがきっかけで急遽あんな感じになって。実際に演奏を早くしてるんですけど、それをさらに倍速にしてくれました(笑)。

宮田:歌詞は宇宙にスポーツ・カーで乗り込んでいくのをイメージしてたので、極端なものにしてくれと(渡辺に)頼みました(笑)。

渡辺:"どっちつかずな中途半端なものはやめてな?"と(宮田から)言われたので、"うわっ、俺のこと試しにきてるな~!"と思いました(笑)。

-(笑)そのオーダーにばっちり答えた歌詞ですね。「飲みに行こう」は宮田さん的にかなり手応えがある出来だそうで。激しい音像ではないですが、アンサンブル的にはメンバー4人の音が攻防しているスリリングさが結構あります。

宮田:わりとレベルが高い状態の4人が結集した空気感が収められたのが良かったなぁと。こういう緊張感を持ってやってかなあかんやろ! と思います。

岡本:レコーディングでも瞬発力が必要やったな。プリプロもしっかりやったんですけど、それ以上にその瞬間自分から出てきたもので作った感じがありますね。

澤:うん。ナメられないレベルのものができたなと。