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INTERVIEW

Japanese

空きっ腹に酒

2016年07月号掲載

空きっ腹に酒

メンバー:田中 幸輝(Vo) 西田 竜大(Gt) いのまた(Dr)

インタビュアー:松井 恵梨菜

初のミニ・アルバム『人の気持ち』の発表からわずか4ヶ月。空きっ腹に酒が、その短いスパンの中で"やりたいことを詰め込んだ"という旺盛な制作意欲でもって完成させた5thフル・アルバム『しあわせ』を七夕にリリース。1年前のシンディ(Ba)正式加入は確実にバンドに刺激を与え、そこから次々と生じていく楽曲の変化を彼らはただ楽しんでいる。どのパートも容赦なくそれぞれの個性を主張し、ぶつけ合うことで結実した、見せ場も遊び心も満載な全10曲。空きっ腹に酒史上、最高にバリエーション豊かで粋な今作に、ぜひシビれてもらいたい。

-前回のミニ・アルバム『人の気持ち』(2016年3月リリース)から4ヶ月というかなり短いスパンでのリリースとなりますが、今作の制作期間はどれくらいだったんですか?

幸輝:ミニ・アルバムのリリース日に今作のヴォーカルを録り終えました。でも、結構ギリギリにできた気がするんですよね。アイディアが出てくるまでに時間がかかって、アイディアがまとまってからはポンポンとできていきました。

西田:ミニ・アルバムの曲を作ってるときからすでにフル・アルバムを出すっていう話はしてたけど、そのときはまだ1曲もなかったんです。ミニ・アルバムの曲が揃ってから、フル・アルバムの曲をゼロから作りました。

-そもそもミニ・アルバムをリリースするのは前回が初めてでしたが、ミニという形態で出すことに意図はあったんでしょうか?

幸輝:ミニとフルでは聴こえ方が違うと思うんですよね。だから曲ができたときに、これはミニ・アルバムかなっていう感触だったと思うんですけど、正直そこまで覚えてなくて(笑)。結構その場のノリで決めちゃうというか。曲の内容に対しては思い入れがあるんですけど、どういう形態で出すからどうっていうのはあんまり深く考えてなかったです。

-でもたしかに、ミニ・アルバムだからなのか、聴いたときの印象は今までの作品と結構違いましたね。

幸輝:フル・アルバムやと全体像は見せられるけど、"ここを見せたい"っていうある側面を抽出して、濃く見せられるっていう点ではミニ・アルバムにしたかったのかもしれないです。

-ちなみに、見せたかった"ここ"というのは具体的にどういった側面だったんですか?

幸輝:詞に関しては普段とちょっと違うことをしたくて。いつも自分のことを歌うんですけど、ミニ・アルバムではタイトルにもなってるとおり"人の気持ち"や、"人の目から見た景色"を書いてみようと思ってまとめてみたんです。

-実際に"人の気持ち"を書いてみて、いかがでしたか?

幸輝:"やればできるな"というのと、結局自分の気持ちと重なる部分があるし、僕が歌えば僕の歌になるなと思いました。あと自分で言うのもアレですけど、ミニ・アルバムを作ったら早く次のアルバムが聴きたくなったというか(笑)。やっぱり6曲じゃちょっと足りん!って。

-では早い段階から、ミニとフルを出そうっていうヴィジョンがあったんですね。それにしても制作ペースが早いと思うんですが、1曲あたりどのくらい時間をかけて作るんですか?

西田:バラバラですね。パッとできるものもあれば、"いつまで時間かかんねん"っていうのもあるし。そういう曲は"いったん寝かそうか"ってなります。

幸輝:何年も前に考えたリフとか使ってんもんな。

西田:よくやるんですよ。4、5年前に考えたフレーズを、"これやっぱり気に入ってんねんな、なんとか形にならへんかな"って引っ張り出してくるんです。今作でいうと、「ALC」(Track.5)のイントロのフレーズはホンマに5年前くらいからあって、事あるごとに出してるんですけど、なんでかうまくいかんかったのが、今回やっと完成しました。発酵食品みたいな感じです。

幸輝:「ミラーボールロマンス」(Track.8)は、実は昔、同じタイトルの別の曲があったんですよ。リフもまったく別のものを組み合わせていて。

西田:今回の「ミラーボールロマンス」の曲自体は8、9年前に考えたもので、リフは6年くらい前のかな? こう言ったら新しいアイディアが全然入ってないみたいですけど、ホンマ一部なんで(笑)。

幸輝:つまり俺らの中では、「ミラーボールロマンス」っていう曲がいっぱいあるんです。

-では、全曲「ミラーボールロマンス」がタイトルのアルバムを出しても面白いかもしれないですね(笑)。

幸輝:それオモロいですね(笑)!

-バンドとしてはシンディさん(Ba)が正式加入されてからちょうど1年が経つと思うのですが、感触はいかがですか?

幸輝:馴染んできた部分もあるし、もっと詰めていかなあかんなって思う部分もありますけど、"1年でここまで仲良くなれるんや"ってくらいになりましたね。楽器的にはどう?

西田:めっちゃいいよ。けど、ややこい(笑)。自分もシンディも"こだわりマン"なんで、よく喧嘩するというか。せめぎ合いが起きるんですけど、それが面白いですね。バンドやってるなぁ、という感じで。

いのまた:(シンディは)あとから入ってきてるんで、僕らがすでに知ってることを知らない、というズレが生まれちゃうこともあるけど、それ以外は幸輝が言ったように、メンバーとの仲や音楽、演奏的には"まだ1年か"って感じですね。あと、シンディはもともとインスト・バンドをやっていたので、その要素が今回のアルバムに強く反映されていて、面白い変化が起きていると思います。

-インスト・バンドをやっていた要素というのは、具体的にどんな部分ですか?

いのまた:なんか、テクニカルなことをやってみたりとか。

幸輝:ヴォーカルがあるうえでの演奏ではないというか、曲だけでも聴けるっていう感覚はありますね。僕は楽器が触れないんで音録りのときは後ろで聴いてるんですけど、"あー、いいなぁ"って思う瞬間が前より増えたし、こういう音の組み合わせも面白いなっていう、僕たちだけやったら思いつかんようなアイディアをシンディはいっぱい持ってる。バンド歴としては僕たちよりも先輩なんで。一緒にやってて面白いですね。