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INTERVIEW

Japanese

CICADA × UKO

 

CICADA × UKO

CICADA:城戸 あき子(Vo)
UKO
インタビュアー:吉羽 さおり

-作品についておうかがいしていきますが、まずUKOさんの1stアルバム『Saturday boogie holiday』はどんなテーマを持って臨んだ作品ですか。

UKO:テーマは"土曜日"なんです。オールタイムで楽しんで聴けるアルバムにしたいという思いがまずあって。"それってどういうものだろう?"と考えたとき、例えば、普通に会社で働いているOLさんだったら、月曜日から金曜日まで頑張って働いて、待ちに待った2日間の休日があるから、次の日のことも気にせずに遊べるのって土曜日だなと。朝から晩まで、且つ、深夜でもオールタイムで聴けるようなものをコンセプトに作ったんです。ジャケットの撮影も、真冬の深夜1時に海沿いに行って――

城戸:うわあ(笑)。

UKO:深夜から朝方のイメージが撮りたくて。朝6時くらいに撮ったものなんですよ(笑)。

-フル・アルバムはこれが初ですね。トータル・ディレクションで流線型のクニモンド瀧口さんが入っていますが、どういったきっかけだったんですか。

UKO:もともと流線型が大好きで、私がやっている企画ライヴ"Dining"にゲストで呼ばせてもらったのがきっかけでした。ライヴを初めて観ていただいたときに、"すごくいいね"と言ってもらって、そこからいろいろ話をしたときに、"一緒に何かやろうよ"という話になって。たまたまアルバムを出すタイミングも重なったので、私からお願いをしたんです。クニモンドさんもすごくストイックな方なので、私が全然気づかなかったことや、参考になるような音源もたくさん持ってきてくれて、"ここはこういう感じで音を足した方がもっといいサウンドになりそうだよね"とか意見をくださって。新しい発見がたくさんありました。

-サウンドとしては、ゴージャスさと都会のクールさが同居したものになっていますね。とくにこだわったところはありますか?

UKO:特に「マドンナ」(Track.7)という曲は1番、自分の中でもこだわりました。いかにタイトなサウンドでやれるか?というのは、バンド・メンバーとも考えましたね。曲ができた当時とはだいぶ変わったんですよ。最初は結構、派手なサウンドになっていたんですけど。"もっとタイトにかっこよくしたいよね"という話になり、メンバーと練って作り上げた曲だったので。アルバムの中でも最初の方にできた曲だということもあって、特にこだわりは強かったですね。「マドンナ」の歌詞も"土曜日"というコンセプトに沿ったもので、同世代のOLさんをイメージして書いた曲なんです。自分自身も、普段同じようなことの繰り返しの生活をしていて、本当はもっとやりたいことがあるのにうまくできなかったりすることがあるんですよ。いろんなことに惑わされずに、自分のやりたいことをやろうと、「マドンナ」では歌っているんです。自分の本心を信じてやったらいいじゃんっていう。同世代の人にも聴いてもらえたらいいなと、意識して作った歌詞ではありますね。

-では、CICADAのニューEP『Loud Colors』はどうですか。

城戸:"めっちゃ濃い色がいっぱい"という感じの作品ですね(笑)。ライヴでずっとやってきた「No border」(Track.1)は最近取り入れているヒップホップなんですけど。これはいつもライヴの1番最初に、イントロ的な感じでやっていたんです。"それも音源化しようか"ということになって、最初は1ヴァースしかなかったんですけど、サビをつけたり2番をつけて、曲として完成させて。今回は、いつもライヴで聴いてもらっている曲をお客さんに、音源としてお返ししたいと思ったんです。昨年、『stand alone』(2015年リリースの7inchシングル)というドラムンベースっぽいビートを取り入れたシングルを出しましたけど、今回はジュークのようなビートを使った曲も入れてみました。それから最後の曲の「YES」(Track.5)はちょっと青臭い内容ですけど、自分たちにとって今この曲が1番大事な曲ですね。

-その「YES」はどんなタイミングでできたんですか。

城戸:もともと前からあった曲なんです。それでアレンジを進めていくうちに、創介がいきなりスタジオで"こういうのどうだろう?"ってちょっとサンプリングしたような鍵盤を弾いて。それ、いいじゃんってことで急遽入れることになったんです。そこから、もともとあった曲に若林がもう一度歌詞を今の気持ちで書き直して完成しました。

-すごく衝動的なものでもあるんですね。

城戸:そうですね、ラッキーっていう感じでできたものだったんですけど。若林からあがってきた歌詞を見たら、すごくいい歌詞になっていて(笑)。"ともさん、エモいじゃん。どうしたの?"って言ったら、"別に、俺は自分の気持ち書いただけで......"って(笑)。特に彼は誰かに向けてこうしようという意図はなかったみたいで、ただ、"音楽で食べていくんだ"という決意みたいなものを素直に書いて、それが私たちの心にすごくグッときて。"たしかに私たちもそうだよね!"って。みんな同じ気持ちだなと思って。

-普段はなかなか口に出して言わないこと、ですね。

城戸:なかなか言わないことですよね(笑)。普段は、みんなお互いディスったりしてますから(笑)。でもこの5人でバンドを続けていって、夢を掴み取るんだっていう、そういう気持ちは思ってます。

-今一度、バンドとしてどうしていくのか、どう進んでいくのかというのは、考えていた時期だったんですかね?

城戸:そうですね、それは常に考えていますね。どうしたらよくなるのか、とか。でも、「YES」の歌詞の中には、"夢を追い続けることに諦める理由はない"というところがあるんですけど。"ちょっと休んじゃおうかな"という思いは5人ともないし、ただひたすらみんな前を向いてる。それがきっとみんな同じ方向なんだとは思います。