Japanese
LASTGASP
2016年04月号掲載
Member:岡田 勇希(Vo/Gt) 小野田 稔(Gt/Cho)
Interviewer:吉羽 さおり
-以前からよく知っていたバンドですが、小野田さんはLASTGASPをどう見ていたんですか。
小野田:純粋にいいバンドだなというか、たぶん出会ったのは18~19歳とかで、周りもバンドやってる奴がすごく多かったんです。その中でも頭ひとつ抜けているという印象はありました。
岡田:ですって(笑)。
小野田:曲がすごくいいなと思っていたんです、耳に残るもので。
-このバンドでは曲を作るのが岡田さんでアレンジは全員でやっているようですが、どんなふうに作り上げていくんですか。
岡田:僕が大まかなものを作るんですけど。それもすごくアナログな感じで。最近はやっとパソコンを買って、ちょっとだけいじってるんですけど(笑)。『the Last resort』の曲を作った当時は、スタジオで僕が弾き語りで歌って、メンバーに"どう? どう?"というような感じでしたね。すごくわかりやすいんですよ。メンバーが良いと思ったんだろうなっていうときは、あっという間に曲が完成するんです。ちょっとでも、ピンときていない奴がいると、全然進まなくてお蔵入りになるという。
小野田:すごいカオスな時間が流れるよね(笑)。
岡田:誰も喋らないし"俺もどうしようかな"というような感じで(笑)。その中で、取捨選択された曲たちなので、いい曲なんだろうなと思っています。
-そういう作り方だからか、メロディ・ラインがはっきりとあって、歌を伝えるものに重きを置いているんでしょうか。
岡田:今回のアルバムに関しては、今までよりもメロディと歌をしっかりと届けられるように全体のバランス感はちゃんと見てますね。詞を書くうえでも、やっと思いが定まってきた実感があったというか。こういうことを言いたいんだなというのが、自分の中で掴めてきた時期だったので。
-その歌詞なんですが、メロディに対して言葉の量が多いというか、みっちりと詰まった長い歌詞ですよね。キャッチーで、メロディックなサウンドのバンドだと、シンプルに同じ歌詞を繰り返すパターンも多いとは思いますが、そうではなくて感情の流れに則ったストーリーになっていると思います。
岡田:言葉を詰めたい衝動に駆られちゃうんですよね。それはたぶん、ポルノグラフィティの影響だと思っているんです。彼らは1曲にめちゃめちゃ言葉を詰めるじゃないですか。しかも、あれだけ詰まっていても、軽やかなうえにわかりやすい言葉で歌っているという。それを自分たちでもやりたいなと思っているんです。ともすれば、わかりにくかったり覚えにくかったりするんですけど、そこをどうしようかと考えながら悩んでやっていた気がしますね。
-歌詞を書いているときは、今の自分の気持ちをそこに落とし込むことが多いんですか? それとも、日ごろ抱えているようなテーマみたいなものがあるんですか?
岡田:両方ありますね。"ザ・今この瞬間"という曲もあります。例えば、"喉が乾いたからこの水を飲みたい"という曲もあれば、"すごく水が飲みたいんだけど飲まずにすむ方法を考えてみよう"という曲もあります。そのとき思っていることとは逆のことを書いてみたり、よりネガティヴな歌詞を書いてみたり。そのどちらかの気がしますね。ネガティヴなときは、逆に明るい曲を書いてみたり、でも意外と中身は暗いことを歌っていたりもして。すごく落ち込んでいるときの方が、よく歌詞を書いている気がしますね。基本的に、根暗なので。
-歌の中で、少し先の自分を見ている感じがありますね。
岡田:理想ですよね。誰にでもあると思うんですけど。理想をなくすと、そこですべて終わってしまう気がするので。常に、一歩前へ行かないといけないのかなというのは思っているんです。そういうマインドは、どの曲にも入っている気がします。
-最初にスタジオで弾き語りをする時点で、歌詞もあるんですか?
小野田:歌詞があるときもたまにありますね。でも曲先行になることが多いです。
-ではアレンジに関しては、メロディから引き出されるもので組み立てていくんですか。
岡田:まずは直感で、"どんなこと感じる?"という投げ方をしちゃいますね。"いや、それはちょっと"っていう場合は、言う(笑)。
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