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INTERVIEW

Japanese

ジラフポット

2015年11月号掲載

ジラフポット

Member:中野 大輔(Vo/Gt) 関 浩佑(Ba/Cho) 原田 直樹(Dr/Cho)

Interviewer:沖 さやこ

昨年2月に全国デビュー。精力的なライヴ活動を行い、今年2月にはTOWER RECORDS限定EP『Last Man Standing』(新作と同時に全国流通)をリリースした大阪の3ピース・バンド、ジラフポットが待望の2ndミニ・アルバム『Breathe and breathe again』をリリースする。今年3月にメンバーの乗った車が交通事故に遭ったという人生の一大事が、今作には大きく影響したようだ。リスナーに歩み寄る曲もあれば、内省的なものもある。一体どれが本物の姿だ?というと、どれも本物。様々な顔を持つジラフポットの世界を探っていった。

-ジラフポットは今年2月にTOWER RECORDS限定EP『Last Man Standing』をリリースしましたが、あの作品はジラフポットの明るい面と暗い面の両極端な部分が出た作品になりました。今作『Breathe and breathe again』はその延長線上ですか?

中野:曲数が少ないぶん、どう面白いことをしようかなと思った結果、ああいう作風にしたんですけど、今回の『Breathe and breathe again』はそれとは別に、またイチから作っていった感じですね。だから入ってるのはほぼ新曲です。今回初めて"ロックがしたい!"と思って作ってたんですけど......結局途中でなんやかんやあって、いつも通りな感じになりました(笑)。

-今までやっていたのはロックではない?

中野:違うんですよねえ......。やっぱりロックというのは大人の伝統があるものなので、引き継がないとロックじゃないです。1曲1曲聴きながら"あ、あのバンド好きなんかな"とか想像して聴いてもらえると、さらに面白く聴けると思います。曲を作ってる最中も"いろんなバンドがおったな""このバンド好きやな"と思いながら作業をしていって。でもそういうことをしていっても、結局そのバンドにはなれないですから。自分らになってしまう。けどお客さんはそこ(ジラフポットらしさ)を求めてるので、まあいいかなと。

関:彼が"次のアルバムではロックしたい"って言うてたんで......"そうか。わかった"と。

中野:ほんで激シブなロック持ってったらボツになりました(笑)。だから本当にこのアルバムがロックか?と言われたら......黙っておきます(笑)。

-ははは。ジラフポットはもともといろんなジャンルの要素を感じるバンドですが、そこがまたよく見える作風になっていると思います。みなさん好きな音楽はバラバラなんですか?

中野:バラバラですね。僕のルーツはQUEENです。もっと他にもいろいろありますが。

関:僕もいろいろ聴くけど、1番根っこのルーツ的なところはJanne Da Arcですね。それ以外にもパッと聴いたもので"いいな"と思うものがあったら、そういうテイストを入れたりしてます。今年"SUMMER SONIC"行ったんですけど、MARILYN MANSONがかっこよすぎたからそのテイストをちょっと入れて(笑)。フレーズをパクるんじゃなくて"あのバンドってこんな感じじゃね?"みたいな......そういうことはよくやってますね。

原田:もともとは9mm(Parabellum Bullet)です。最近これといったものはないんで自分がどんなものを好きかというとわからん感じでもあって......。それで今回のアルバムを作ってまた(自分のキャラクターが)わからんようになりました(笑)。

中野:俺が"ドラムはできるだけ何もせんとってくれ"と懇願して(笑)。"できるだけ面白くないドラム叩いて。でないと曲がまとまらん! 大人になってくれ"って、我慢してもらったんです。

原田:今回はそのオーダーが多かったんですよね。"邪魔"って言われるんです(笑)。

-ははは。今回の7曲は歌が立ってるアルバムという印象はありました。

中野:あ、それはドラムがおとなしいからやと思います。情報量が多いドラムを叩くんで、歌いづらいんですよ(笑)。歌を立たせた作品にしたいと思って作ったというわけではないんですよね。曲の展開はものすごくシンプルにして。今までいろんなことをやってきたから、今回はシンプルで、ロックなものを作ろうと。単純にいろんなことがやりたくて、今までやってこなかったことをやった感じですね。

関:曲も今までのものが長いから、今回はちょっと短くしようと。削って削って......という作業は結構しました。いつもやったら"これやりたい"と思ったものは全部やってたんですけど、今回はそれを我慢しました。ワンマンをやったときに、もうちょっとわかりやすくてノリやすい曲があってもいいんじゃないか?とも思ったので、ライヴありきで曲作りをしたものもあるんです。Track.3「I am A」はお客さんがおらんと成立せんくらいの曲やし。

-「I am A」はヘヴィなリフが印象的で、コール&レスポンスやシンガロングができそうな曲です。

中野:30分尺のライヴじゃ気づかなかったんですけど、ワンマンをやってみたら、意外と自分たちには静かめの曲が多くて、激しめの曲が少なかったんですよ。ライヴのことを考えるのは彼(関)なんで、こういう曲があったら彼も助かるやろうと。

-なんだか他人事なんですけど(笑)。

中野:俺は音源制作担当なんで、ライヴはふたりに任せてます(笑)。俺にとってはライヴは音楽じゃないんですよ。人間を出すだけ。だからライヴはお客さんの抱えてる黒い部分をぶん殴りたい。"俺はこう、あんたらはどうなんや!"という1対1の勝負ですよ。今回は"ライヴで盛り上がるような曲を"というオーダーが来たから考えた結果、BON JOVIみたいな曲がやりたくて作り始めた曲ですね。ただ、全然違うものになりましたけど(笑)。

関:お客さんが4人目のメンバーになるような曲で、こういうお客さんに歩み寄ったような曲は初めてですね。最初はもうちょっとかっこいい曲やったんですけど、僕がMARILYN MANSONを観てからダサい感じのをやりたくなって"もっとミドルな感じにしよう"って言うて(笑)。

中野:MANSONはかっこいいよ(笑)。僕らもこのアルバムからちょいちょいミドル・テンポを入れるようになって。男くさい感じになりましたね。