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INTERVIEW

Japanese

LiSA

2015年10月号掲載

LiSA

インタビュアー:沖 さやこ

-たしかに。LiSAさんのローは新鮮でした。サウンドにしてもヴォーカル・ワークにしても、女性のテンションの浮き沈みや多重人格っぷりをよく表している(笑)。

ははは! 江口さんのアレンジを聴いて"普通のことを歌ってるんだけどちょっと怖い、と思える女性を書くしかないな"と思いましたね。恋愛の曲が少ない私は、さらに「DOCTOR」(2013年10月リリースの2ndアルバム『LANDSPACE』収録曲)や「Empty MERMAiD」のように何か対象を立ててそこに重ねて書いているので、「リスキー」みたいにここまであからさまに対男性で素直に書いた歌詞は初めてで。素直になるというのは勇気が必要なことでもあるんですが、小南さんが素直にさせてくれるメロを書いてくださったし、それを江口さんが引き出してくださったので、自然に出てきた言葉です。歌い方の挑戦も含めて、このふたりが引き出してくれたものだと思いますね。

-さきほどおっしゃっていた"毒と毒の混ぜ合わせ"ということですね。

そうですね。LiSAは何にでもなれるけど、LiSAという人が歌うだけでLiSAになれる。それがLiSAの強みなんじゃないかなと思ってますね。「リスキー」は歌詞が素直な分、感情だけで歌いたくないなと思って。ちゃんと演じて、ちゃんと表現する......というのは、わたしの抗いや強がりでもありますね(笑)。

-ははは。「虚無」は3曲中最も強く聴こえる曲だけど、最も弱い曲だなとも思いました。とても切ない曲ですね。これは「リスキー」のように素直な気持ちが出たものなのでしょうか?

さて、どうでしょう(笑)。......でも"自分にあった感情だな"と思ったから書けたのかなと思います。というのも、ここで書いているのはさっき話した"認めてもらえなくたっていい"と思っていたときの自分の感情なんです。"自分なんてどうせ何もないし"と思っていたなー......と今になってやっと認められた。"あのときの自分は虚勢を張って傷つきたくなかっただけなんだな"と気づけた。だからその気持ちを今、歌にできるなと思いましたね。今こういう感情を抱えている人たちに、そういう気持ちをちゃんと認めてあげられる、そういう自分をきちんと許してあげられる、そんな曲になったらいいなと思います。

-それは自分自身を許せるようになったから?

そうですね。でも、それを許してくれたのは、みんなだと思います。1年目の武道館でパーフェクトではない自分をみんなが認めてくれて、好きでいてくれた。みんなが許してくれたから、自分のそういう弱さや汚い部分、ブラックな部分を認めてあげられるようになったから、それを音楽に落とし込めるようになったんだと思います。たくさん経験を積ませてもらってますし......だから、みんなに育ててもらってる感じがします。

-歌詞と歌でこれだけ自己表現ができるアーティストも、なかなかいないなと思います。

それは"自信"ですね。なんなら私は、私の思っていることを私よりもちゃんと言葉にしてくれる人がいるなら、自分で歌詞を書かなくてもいいと思っているんです。自分の言葉で書くことがすべてではないと思っています。でもそれは、私が何にでもなれるし、それをきちんとLiSAとして歌える自信があるから、ですね。

-では、LiSAさんは"シンガー"?

そうだと思います。シンガーだし......"LiSA"を作っている人で、"LiSA"が何をやっていて欲しいか考える人。

-"LiSA"を作っている人と"LiSA"の距離が近くなってきているのも最近の傾向ですよね。でも自分をさらけ出しつつも、LiSAという表現を磨いているようでもある。そのバランスは不思議だなと思います。

......パフォーマーでもあると思います。"自分がここで何をやっていたいか"を想像しながら歌詞を書きますし。でも、どっちもできていたらいいな......と思いますね。

-12月23日に幕張メッセで開催される、過去最大規模ワンマンも新しいLiSAが見えそうですね。

好きなものをより多くの人に認めてもらったことで、より自信がついたから、好きなものをさらに大きな声で叫ぶ。好きなもので思いっきり遊べる――そういう意味を込めて"メガスピーカー"というタイトルにしました。メガなスピーカーで大好きな音楽を聴く、メガなことをみんなでスピークしていく。だから自信を持って、胸を張って、自分の好きなことを思いっきりやりたいと思っています。思い出を一緒に作るためにすごく作戦を練り練りしたいし、"あのときのライヴすごかったよね!"といつになっても言ってもらえるようなスペシャルな場所を作れたら、と思いますね。『Empty MERMAiD』は3曲とも1番目の女ではないので......24日のクリスマス・イヴではなく、あなたの23日をいただきます(笑)!