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INTERVIEW

Japanese

LUNKHEAD

2015年04月号掲載

LUNKHEAD

Member:小高 芳太朗 (Vo/Gt)

Interviewer:沖 さやこ

昨年メジャー・デビュー10周年を迎えたLUNKHEADが、2014年の10周年記念として開催していた自主企画ライヴ、ワンマン・ツアー、2枚のシングル、そして今年の1月に開催された新木場STUDIO COASTでのワンマン・ライヴ"一世一代のみかん祭"を経て、徳間ジャパンへと移籍。10枚目となるフル・アルバム『家』を完成させた。LUNKHEAD史上最も貪欲に、ひたすら生きようとしている作品だ。メジャー・デビューから11年、バンド結成から16年。歩みを止めなかったバンドだからこそ辿り着いた境地。バンドの中心人物でありフロントマン、小高芳太朗とともに『家』の内情を探った。

-移籍のきっかけは2013年の末、小高さんとギターの山下 壮さんとベースの合田 悟さんが居酒屋さんで、学生時代からLUNKHEADを聴いていた徳間ジャパンのスタッフさんに声をかけられたからだとお聞きしました。そのときの心境としては?

もう、"ウェルカムウェルカム! やってよやってよ!"って。

-(笑)前作『メメントモリ』は"1度自分たちでやってみよう"ということで、セルフでリリースしたものでしたね。徳間からリリースすることはセルフで出すよりもメリットがあると思ったということですか?

メリットがあるかどうかはこれから次第ですね。自分たちで出すと、自分たちに1番お金が還ってくるというメリットもあるじゃないですか。だからみんな自分らで出すようになってきてると思うし。そういうリスクはメジャーだとありますよね。けど自分らでやってくのはすごく大変で。(徳間のスタッフと出会ったのが)『メメントモリ』を出して、ツアーを終えたあとだったんです。だから結構......つらかったんですよ。やれたけど、すごくつらかった。お金の面だけでなく、自分らでプロモーションをしてアイディアを出すほうが、メジャーで人に任せていたときよりもずっと伝わるんだなというのもわかったときだったんだけど。――まず、もう1度メジャーといっても、俺らくらいのバンドだとやってくれないだろうなというのもあったし。

-"俺らくらいのバンド"?

10年選手の中堅どころで、そんなに売れてもなく、みたいなバンド。そういうバンドがもう1回メジャーでやるとしたら......俺らも求めてるけど、相当熱い人じゃないとLUNKHEADを求めてくれないだろうな、そういう人とでないと一緒にやる意味はないなという話はメンバー内でもしてて。そんなときに彼(徳間のスタッフ)が現れたんですよ。それである人から"若いころにLUNKHEADを聴いていたレコード会社の人間に声を掛けられるということは、お前らがぶれずに音楽を続けてきたからだ"と言われたんです。スタッフの彼もそうやし、後輩バンドの子たちも沖さんもそうだけど、LUNKHEADを聴いていた子たちが(音楽業界に)どんどんどんどん現れて。ライヴに誘ってくれたり、一緒に仕事できるようになるというのも、ひとつの財産だなと実感しましたね。

-そうですね。そういう気概はこの最新作『家』のTrack.2「MAGIC SPELL」に繋がっていると思います。今年1月に新木場STUDIO COASTで開催されたワンマン・ライヴ"一世一代のみかん祭"のMCで、小高さんはこの『家』という作品について語っていましたね。このアルバムはあの言葉がすべてだと思います。

"みんなにとって家みたいな存在のバンドでありたい"というのは普通のことだと思うんですよ。でもいろんな人から"ファンのみんなが自分にとっての家だった"というMCが良かったと言ってもらって。そう思うようになったのは、完成した「シンフォニア」のMVを見たとき(※ファンが自作の"自分はLUNKHEAD○周年"というボードを持って出演し、山下 壮(Gt)が撮影と監督を務めたMV。2014年末に公開)。(ファン歴が)10年の子もいるし、知って2ヶ月の子もいて。そうやって新しく出会ってくれる子たちがいて、10年ずっと信じてくれる子たちもいて。いろんな人たちがいるんだけど、みんなから同じくらい愛を感じて。みんなすごくいい顔をしてて、それを見てグッときちゃって。

-それで『家』と。

うん。もっとかっこいいタイトルないかなあと思ったんだけど(笑)。

-最初は"家!?"と思いましたけど、アルバムを聴けば聴くほどこのタイトルで良かったと思います。家は自分を曝け出せるパーソナルな場所だと思うんです。だから小高さんの色が今までで最も強いアルバムではないかと。小高さんが家主で、壮さんと合田さんと桜井(雄一/Dr)さんがそこで生活しているちょっと変わった同居人というか。

ああ......そうかも。

-そういうことがジャケットのアートワークにも、Track.5「うちにかえろう」のMVとも繋がっているなと思って。これ、昔の小高さんなら絶対にやらないことだと思います。

やんない(笑)。これは徳間からのアイディアで。メンバーみんな目立ちたがり屋だから、メンバーからこんな案は出ないだろうし。でも、ジャケットは直球(※所属事務所)のスタッフからも"私たちもそれがいいんじゃないかと思ってたけど、絶対嫌がるのわかってるから言わなかった"と言われて。"じゃあやってみるか!"と。