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INTERVIEW

Japanese

LUNKHEAD

2015年04月号掲載

LUNKHEAD

Member:小高 芳太朗 (Vo/Gt)

Interviewer:沖 さやこ

-はははは。今のLUNKHEADファンは男女半々で理想的ですしね。

STUDIO COASTすごかったよね? 野郎どもの怒号のような声援(笑)。でも昔は98%くらい女の子やったから、こうやって男の子がついてきてくれて良かったなと思うし......だからもう男は何もやらなくても俺らについてきてくれるなと。それはボビー(※直球の元社長、ボビー湯浅氏のこと。2012年に急逝)が生きてるときに言ってたんですよ。"大丈夫、男は勝手についてくる。そういう音楽やってるもん!"って。だから次は女の子を増やさないと!

-そうですね。ところで、頭で言った"小高さんが家主"ということに繋がるんですけど、今までのLUNKHEADは楽器隊が小高さんが作る曲の中で思い思いに自分の色を出して作るサウンドが面白さのひとつだったと思うんですね。でも今回はその主張もありつつ、どの曲も小高さんの"歌"を立たせている気がして。

......沖さんすごいね。昨日受けたインタビューで俺が喋ったこと盗聴してたんじゃないの? 気持ち悪っ! 怖い(笑)!!

-ええっ、そんな......。どういうことですか?

昨日のインタビューでも話したんだけど――ずっと"LUNKHEADは4人だ"と思ってやってきたけど、俺がちゃんと立ってないとみんなも参っちゃうから、"俺がLUNKHEADだ"という気持ちでやらないとだめだなと思ったんだよね。それはメンバーをぞんざいに扱うということじゃなくて、俺がバンドの骨格であって、顔になってないと、バンドがぼやっとしちゃうなと思って。曲を作っていくうえで、そういう感覚はすごくあった。

-そういうふうに感じるタイミングが?

ここ、というときがあったわけじゃなくて、だんだん強く思うようになっていった感じなんだけど......。

-小高さんの作るメロディはどんどん磨かれているし、今回は歌い方のギミックもいろんなところに効いていて。もしかしたら、その部分が"俺がLUNKHEADだ"と思う意識に繋がっているのかも。メロディや、単純に小高さんの声の伸びが出るようになっているのも影響していると思いますが、歌は優しくなってると思います。

へえー......。そんなに自覚はしてないんだけど、「神様なんていない」とかは、やっぱりレコーディングまでにすげえ時間がなくて。レコーディングの前日までリハしてて、歌い込むために、すげえ歌っちゃったせいで本番で全然声が出なくてカスッカスで......(笑)。どうしようかな~?と思ってたけど、それが逆に良かった。曲の雰囲気に合って、あんまり優しくなく歌えた(笑)。

-最後の"救ってよ"みたいなヴォーカルのアプローチは、今までになかったですね。

ね。ああいうのとか、やったことのないギミックは今回多いかも。「玄関」(Track.12)の輪唱とかもそうだし。輪唱の部分は違う人の声の方が意味的にいいなと思って、そこだけ壮がコーラスを入れていて。――今アルバムの曲を練習してるんですけど。メンバーと"『[vivo]』のときは全体的にアレンジも詞も歌も切羽詰まってて、いっぱいいっぱいな感じがあるよね"と話していて。実際いっぱいいっぱいだったし。でも"今回は作ってる最中はいっぱいいっぱいだったけど、聴いててすごく余裕があるよね"と桜井さんが言っていて。だから俺だけでなく、全員のプレイや音が変わったんだと思うんですよね。時間はなかったんだけど、時間がないという言葉の意味が『[vivo]』のときとは全然違うなあと。『[vivo]』はあれがいい作用を起こしてるんですけどね。やっぱり昔のアルバムを聴いてても、あのアルバムが1番ゾッとするというか。

-そうですね。個人的には『[vivo]』がLUNKHEAD作品で最も魅力的なのですが、作品として素晴らしいのは『メメントモリ』だと思っていたんです。でも『家』は『メメントモリ』以上だと思います。

やっぱり『メメントモリ』とは違うアルバムにしたいというのが最初のコンセプトとしてあって。『メメントモリ』はLUNKHEADらしくて......んー、LUNKHEADらしいというよりは俺らしいのかな。