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INTERVIEW

Japanese

Galileo Galilei

2012年11月号掲載

Galileo Galilei

Member:尾崎 雄貴 (Vo/Gt/Syn/Prog) 佐孝 仁司 (Ba/Gt/Syn/Prog) 尾崎 和樹 (Dr/Gt/Per/Rhythm Machine/Syn/Prog)

Interviewer:沖 さやこ


-なるほど。歌詞はストーリーや表現のアート性が増していると思います。全て日本語でそういう表現が出来るのはとても興味深いです。

雄貴:『PORTAL』のときはドリーミーな感じにしたいなって、ある程度ストーリー性を大事にしてて。でも今回は、どちらかというと起承転結や意味を考えなくなってきたというか。自分の中にある何となくの世界観、登場人物を見てもらうだけ......っていうのを今回作ってみたいなと思って。だから敢えてテーマやメッセージ性は考えてなくて。「時計塔」とかは『PORTAL』の方法論に近かったんだけど、それ以外の曲は全然違うストーリーをくっつけてみたりとか。

-6曲中歌入りの曲が5曲、そのうち4曲にコーラスとしてさよならポニーテールの、みぃなさんを招いてらっしゃいますね。

雄貴:みぃなさんの消えちゃいそうな声の感じが、僕のストーリーの中に出てくる女の子としての理想像に凄く近くて。男女の歌にもしたくないし、男の子の歌にもしたくないし、女の子の歌にもしたくないし......みぃなさんの声はそのなかでばっちりで。本当は"もっとこういうサウンドでみぃなさんに歌ってもらいたい"っていう理想があるんで、今後そういうことも出来たらいいなと思ってます。

-1曲だけみぃなさんが参加していない楽曲「コウモリかモグラ」。普段落ち着いてる雄貴さんのヴォーカルがこの曲はユーモラスで、そのギャップも面白いですね。でも、歌詞の内容として、岩井さんと野口さんの脱退のことを歌ってるんじゃないかって誤解されちゃうんじゃないかなって思ったんです。ガリレオはそういうことを歌にするようなバンドではないと思うんで。

雄貴:(他の取材で)"雄貴くんから岩井くんへの曲なんじゃない?"って訊かれました。でも全然違います。そういうことを楽曲に使うことはないです。......今までずっと、進んでいく人視点の曲を書いてきたけど"進んでいく人を見てるだめだめな人の視点ってどういうものなんだろう?"って思って書いた曲で。誤解されるかなって思ったけど、そう思われてもそれが悪い意味で捉えられなかったらいいかな。いい曲だなって思われれば。

-自らのサウンドを追及する環境はどんどん確立されてますね。3人はオリジナル・メンバーだけど、3人だけでやっていくという状況になったのは初めてですから、懐かしいようでもあり、新鮮な空気なのではないでしょうか。

佐孝:5人だとどうしても、みんなが何かしら動いてなきゃいけないような空気だったんです。でも3人だとある意味フットワークが軽いっていうか。雄貴と和樹が下のわんスタに住んでて、俺が3階に住んでて。雄貴と和樹が軽く曲作ってアレンジして、俺を呼んで聴かせる......そのスタイルが地元の稚内にいた頃に近いなって思うんですよね。今回、新たに戻ってきた感じは新鮮でした。改めて(この3人は)基本形なんだなって。

和樹:ヴォーカル録りをパソコン上で編集したりするのは岩井くんだったんですけど、それを今回俺が担当させてもらって。その作業の中で、今までとはかなり違った目線でガリレオを見れたんです。今まで演奏者としてガリレオの中にいた自分が、尾崎雄貴っていうガリレオの中心人物の相方として、このアルバムを制作に関われたのはかなり自分の中で特別な期間でした。今回出来なかったことや反省点もたくさんあるんで、次はどうしようかなって考えてて。だから、(3人での音楽制作は)次から試していきつつ......って感じですね。

-本当に音楽に対してまじめですね。愛情もたっぷりだし。あんまり考えすぎないでくださいね。自分たちがやりたいこと、突き詰めたいことをマイ・ペースにのびのびとやっていくことが健全じゃないかなと思います。

雄貴:でものびのびやれる人って、相当センスないとなぁって思うんですよ。身の程以上の奔放さは持ちたくなくて。今回の制作期間にも"音楽作ってても楽しくねえじゃん"みたいなダークな空気には1回なってるけど、それで復活して作品作って"もっと自分たちの好きな音楽にアタックしていきたい"って思ったし。自分たちの好みだけでやって突き進んで、ちっちゃくなってってる印象になるのが怖かったんです。それこそ(海外のプロデューサーに)頑張って連絡を取って、プロデュースお願いしてみるとか、それくらいやらないと手に入れられないセンスとかもあるんじゃないかって思うんです。でもそういうことがリスナーにとってどうでもいいことだとすげえ悲しいから、それをどうやって面白いものにして伝えていけるかってことは、ずっと考えていかなきゃいけないことだし。だから今回の12月のツアーは、『PORTAL』のときより小さめのハコでやろうと思ってるし、インターネットでスタジオ・ライヴも見せてみようかなと思ってます。海外では当たり前のスタイルかもしれないけど、日本では面白いスタイルをこの3人でやろうと思うんで、是非見てほしいですね。