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INTERVIEW

Japanese

Galileo Galilei

2012年11月号掲載

Galileo Galilei

Member:尾崎 雄貴 (Vo/Gt/Syn/Prog) 佐孝 仁司 (Ba/Gt/Syn/Prog) 尾崎 和樹 (Dr/Gt/Per/Rhythm Machine/Syn/Prog)

Interviewer:沖 さやこ


-でも、バタバタで大変でしたよね。

雄貴:相当大変でした。でも『Baby, It's Cold Outside』が出来て、メンバー抜けた状態での制作っていうバタバタから抜けきることができました。12月にツアーをやろうと思ってて、それに向けて3人でのライヴ・アレンジも考えてるんです。この取材期間が終わって、札幌に船で帰ったらすぐにライヴ制作と、3人で作った新曲っていうのを何個か早く作らないと。"3人でどうするの?"ってところはまだ拭い切れてないと思うんで。そういう意味では、こっからって感じになっちゃったのがちょっとアレなんですけどね。

-5人のTwitterを見たときも思いましたが、いまお話を聞いてどちらにとってもネガティヴな心持ちの脱退ではないことがしっかり分かったので安心しました。和樹さんと野口さんは同じお部屋だって前おっしゃってましたけど、現在お部屋はどうなってるんですか?

雄貴:今は兄弟部屋なんです。地下のわんわんスタジオにベッドとか持ち込んで、今は犬もいて。2人と1匹で暮らしてます。

佐孝:僕は3階に住んで。

雄貴:同じ家だけど別だから、二世帯な感じ(笑)。

-なるほど(笑)。『Baby, It's Cold Outside』は同名のウインター・ソングがありますが、そこから取られたものですか?

雄貴:そうです。いろいろYouTubeとかで調べてて。丁度わんわんスタジオを"年中クリスマスみたいにしよう"ってクリスマスっぽい電飾つけたりとかしてた時期で。それで、クリスマス・ソングとかをいろいろ調べてて、この曲を見つけて。男女の掛け合いで、歌詞も凄く良くて。......そもそも俺が男女掛け合い系が凄く好きだから、自分の曲でも取り入れてて。

-今回は特にTrack.1「Sex and Summer」とTrack.2「時計塔」がそうですね。

雄貴:曲名と歌詞と、曲のありかたに、一番インスピレーションを受けた曲が「Baby, It's Cold Outside」だったから、アルバムの名前を決めるときに"これかな"って。このジャケットの女の子がこの台詞を言ってるように見えたら、ギャップが面白いかなって。

-今作は『PORTAL』よりも1曲1曲の物語が深くなっていますよね。ゆえに淡いながらも明確になっている気もして。それは自分たちがやるべき音楽というものの欠片を掴めたからなのかなとも思うのですが。

雄貴:今までずっとガリレオのテーマだった"冒険性"とか"進化"とかが、今作は制作のテーマになかったんです。さっき言ったように『PORTAL』で音の整理が全然できてなくて、マスタリングのときに"ちょっとまずいよこれは"って言われて。スタジオじゃなくて宅録でやることって、一緒に出すレコード会社からも、リスナーからも"あなたたちのところでやるんでしょ?"って任せてもらってるわけじゃないですか。そういう状況で、マスタリングで若干手直ししなきゃいけないような音源を作っちゃったことがプロ意識に欠けて良くないと思ったし。それで音源が丸いものになっちゃっても意味ないから、今作はセーブしたんです。もっと激しく歪ませたいところをもうちょっとおさえるとか、最終的なパッケージングしたときの形を想像しながらデモを作ってたんで、作ったときのまんま、その音で出す、みたいな。デモはここまで音質は良くないけど(笑)。

-音数的なものもあるのだと思いますが、『PORTAL』より音がすっきりしてますしね。

雄貴:今回は音がシンプルに行ったっていうのもあって、バスドラとかタムのローとかがしっかり出るサウンドにできたなと思ってて。これって凄い基本形なんだけど、『PORTAL』で宅録スタートして、本来基本形をやるべきところを......ごちゃごちゃーっとしたもの作ったから(笑)。そういう意味で宅録で、シンプルな基本形のサウンドを作れたのは、こっから冒険していく上ではかなり必要なことだったと思うし、良かったと思います。『PORTAL』で冒険心を出して、発散できたから、今回ぐっと落ち着いたものが作れたのかなって。

佐孝:もうちょっとすっきりした音にはしたいなと『PORTAL』以降は思ってて。曲作りやデモの段階で取り敢えず音はたくさん入れて"この音いいね""このフレーズいいね""じゃあこの音をいい感じにすっきりさせるにはこの音を抜いて""これを沈めて"とか。とりあえず詰め込んだものをシェイプするっていう作り方というか、編集の段階で細かいパラメーターを作ることに時間を掛けました。......本当はもっと時間を掛けたかったんですけどね(笑)。

和樹:サンプリングをして、その音をパソコン上で同じ速度で貼り付けてドラムを作るのは『PORTAL』の頃からあんまり変わってないんですけど、その頃に学んだことを生かして、生感を出すために今回かなりいろいろと実験したんです。ひとつのハイハットのトラックでも、おんなじ周波数のものを貼り付けるんじゃなくて、3、4トラックくらい同じトラックを作って、イコライジングでほんのちょっとだけずつ域を変えてばらばらに貼り付けて、より生で叩いてる感じを出したり。生ドラムに近づけていくんだけど、生ドラムでは出せない部分を突き詰めていきました。