Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Overseas

KASABIAN

2011年09月号掲載

KASABIAN

Member:Tom Meighan(Vo)

Interviewer:沖 さやこ


-ヴォーカルに関してトレーニングしていることはありますか?

歌を覚えて、歌うだけ。

-(笑)。それでは喉のメンテナンスなどは。

ううん、歌うだけさ(笑)。

-なるほど(笑)。Tomさんの歌は自然体ですもんね。だから自然と心に染み入るんだと思います。新曲は美しい曲が多いですが、歌詞はとってもヒリヒリしていてシニカルで、曲とのコントラストが激しいですね。

新曲の歌詞はほとんどがかなりシニカルだと思うよ。「Days Are Forgotten」は特にそうだね。そういう対比を楽しんでるんだ。これまで名作を作ってきたバンドもそういうことをやってきていると思うしね。

-昔からKASABIANはサウンド・アレンジも歌詞も、本能的なのか作為的なのか分からないところが多々あります。そういうところもリスナーの好奇心を掻き立てるのだと思いますが。……どちらなのでしょう?

俺もよく分かんないんだ、ただ音楽をやってるだけだから(笑)。前作とかは敢えて、イッちゃったようなハズれたものを意識して作ったっていうところはあるけど、今回に関してはとにかくSergeが“最高の曲を作ってやる!”って意気込みで作ったんだ。それを俺たちもそのまま仕上げた。だからこのようになったんだけど、その理由は自分達にも分からない。とにかく、やってみたらこうなったんだ。

-包容力がある楽曲やパーソナルなものを感じる楽曲も多いですよね。元々メッセージ性が強いバンドだと思うのですが、前までは素を出すことを避けてるような気もしました。何か心境の変化があったのですか?

とにかく、前作よりもいい作品を作ってやるという気持ちで臨んだんだ。それで最高のものを作ろうというのが俺達の目指したところだったんだよね。

-じゃあ今作は、ただひたすらにシンプルに。

本当にその通りさ。今、俺たちはバンドとしての頂点、一つピークに登ったと思う。幸いにもアルバムを出すごとにバンドとして着実に成長出来て、強くなってきている。でもどのバンドもそれが出来るわけではないよね。中にはそれこそ1枚目で最高傑作を作ってしまって、なかなかそれを超えることが出来ないバンドもいたり、駄作を作ってしまうバンドもいる。でも俺達は常に登ってきた。そういう実感や手応えは感じてるよ。

-先ほどお話に出た「Days Are Forgotten」は、KASABIANにとってだけではなく、今迄のロックにありそうでなかった音楽ですよね。

俺らはわざわざ狙って、敢えて“じゃあ誰もやってないことやらなきゃ!”って意識は別にないんだけどね。新しくて面白いものを作りたいって気持ちで作ってるだけなんだ。おそらく自分たちがそういう人間だから、それが自然に出てきてるだけだと思うんだよね。俺たちはこういう風に見ての通り、本当に自然に生きてるからさ。そういうのが自然に音楽にも出てきているのかな。

-バンドにとっての“自然”が、世の中では“異端”というのはとても興味深いです。

俺たちは俺たちでしかいられないしね。無理強いとか、無理やり何かをしようとか、そういうことをやったことがないんだ。本当に無理をしないで、自分達のそのままの姿でやってきただけだよ。

-とても理想的ですね。今回はプロモーション来日でしたが、来年の1月にはとうとう日本でライヴを行ってくれるとのことでとても楽しみです。

1月のライヴは最高のものになると思う。2年半振りになるし、新作からの新曲をとにかくいっぱいやるし。年明けて新しい気持ちでみんな見に来てくれるといいと願ってるよ。バンドの新しい面も見られると思うし、このアルバムに収録されてる曲のあるべき姿がライヴで体験できると思う。楽しみにしててくれよ!