Overseas
KASABIAN
Skream! マガジン 2024年11月号掲載
2024.10.08 @Zepp Haneda (TOKYO)
Writer : 菅谷 透 Photographer:Masashi Yukimoto
KASABIANが、ニュー・アルバム『Happenings』を携えての単独公演を東京と大阪で開催した。Serge Pizzornoをフロントマンに据えた新体制となり、2022年に"SONICMANIA"や"SUMMER SONIC"大阪公演への出演のため来日している彼等だが、日本で単独公演を行うのはなんと約12年ぶり。観客の期待値も相当なものだったはずだが、彼等は各アルバムから名曲をピックアップしたセットリストで、現体制のKASABIANへとバンドのイメージを更新するようなパフォーマンスを披露してくれた。本稿では、東京公演2日目の模様をレポートする。
開演時間が近づいたところで、NEU!の「Hallogallo」とともに場内が暗転。メンバーがステージに姿を現すと、けたたましい電話のベルから「Call」でライヴの口火を切った。脱力したイントロから爆発的なサビへと突入するこの曲は、まさにライヴ・アンセムと言うべき構成で、最新作『Happenings』の収録曲ながらすでに大合唱の人気ぶりだ。そこへ間髪入れずに「Club Foot」の必殺リフが鳴り響き、フロアがさらに沸騰。早くもクライマックスのような興奮状態に達していた。
Sergeはステージを歩き回りながら、長い手足を活かしたダイナミックな動作を繰り出しつつ、フロアだけでなくバンドとも密にコンタクトを取りながらライヴを進めていて、俯瞰的な視点も併せ持っている印象。バンドの顔であり頭脳でもあるという立ち位置が表れたパフォーマンスを見せていた。また演奏面ではツアー・メンバーであるTHE MUSICのRobert Harvey(Vo)が存在感を放っていて、ギターやシンセ等いくつもの楽器を演奏するだけでなく、バック・コーラスにも全面的に参加。Sergeのヴォーカルとのハーモニーは、ザラついた声質が持ち味だったTom Meighanの在籍時とはまた異なるクリアな雰囲気をもたらしていて、アッパーなギター・ロックの「Ill Ray (The King)」では強烈な爽快感が感じられた。
「Underdog」ではSergeもギターを手に取り、トリプル・ギターの音圧を観客へ提示。Tim Carter(Gt)のテルミンまで用いたソロにも圧倒された。"ここの天井や壁を揺らすくらいにバウンスしてくれ"という一言から始まった「Shoot The Runner」では、CHEMICAL BROTHERS「Hey Boy Hey Girl」の声ネタをドロップしたり、クロスフェーダーを切り替えるように「Re-Wired」へと繋げたりと、DJセットを思わせるような遊び心溢れる演出が実にユニークだ。「You're In Love With A Psycho」と「Coming Back To Me Good」の間には、DEEE-LITE「Groove Is In The Heart」がブリッジとして挿入され、多幸感に満ちたサウンドに拍車を掛けていたし、『Happenings』のジャケットを想起させる七色の照明も白眉だった。「Italian Horror」では"みんなコーラスで力を貸してくれよ"というSergeの言葉を聞くやいなや、曲が始まる前からその箇所を歌い出す観客がいて、改めてファンの熱量の高さに驚かされる。演奏中に大合唱だったのは言うまでもなく、曲が終わってもSergeの先導でシンガロングが"おかわり"されていて、バンド側もフロアの熱気を大いに楽しんでいるようだった。
ディープなシンセが鳴り響く「Stargazr」では、Sergeが手からレーザーを照射し妖しげな雰囲気へと誘うと、「Treat」ではBEASTIE BOYS「Intergalactic」やFAITHLESS「Insomnia」といったクラブ・ヒッツを引用。そこからシームレスに「Vlad The Impaler」から「Empire」へと繋げられ、さらに狂騒的な空間へと突入していった。一見ハチャメチャな展開だが、ブレることなく熱気が持続していったのはIan Matthews(Dr)、Chris Edwards(Ba)のリズム隊がしっかりとした土台を築いていたのも大きいだろう。日本のファンへの感謝のメッセージを伝えた後、アコースティック・ギターを基調としたアレンジで、爽やかに歌い上げられた「Algorithms」で一呼吸置くと、壮大さを増した「L.S.F.」で、大ボリュームのシンガロングを巻き起こし本編を終えた。
アンコール代わりの「L.S.F.」の合唱に応え、メンバーが再登場。トリプル・ギターで近年のQUEENS OF THE STONE AGEを思わせるような重厚なロック・サウンドに仕立て上げられた「Reason Is Treason」から、ポップさが増幅された「Bless This Acid House」を経て、ラストに演奏されたのは「Fire」。フロアも2階席も含めた全員が一斉にジャンプし、興奮の最高潮に導く大団円でライヴを締めくくった。演奏終了後にはSergeがメンバー一人一人とハグを交わしていて、充実した表情を浮かべていたのも印象的だった。今回は久しぶりの単独公演となったが、それはフェスで必ず盛り上げてくれるに違いないという信頼の結果、起きた現象であるはずだ。この日は、そんなライヴ・バンドとしての実力をありのままに発揮したステージを見せてくれた。Sergeは最後に"すぐ戻ってくるよ、約束だ"と語っていたが、次回がフェスであれ単独公演であれ、また最高のライヴを見せてくれることだろう。

※写真は全て10/7の公演のものです。
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