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INTERVIEW

Japanese

UNCHAIN

2011年07月号掲載

UNCHAIN

Member:谷川 正憲(Vo&Gt)

Interviewer:道明 利友


-洋楽っぽい雰囲気がちょっとあって、洗練されている音楽で、みたいな……。そういうイメージはあったかもしれないですね、今までのUNCHAINは。

そうですね。なんかちょっとクールで、カッコよくないといけないみたいな。そういなきゃいけないみたいなふうに、僕自身がなっていた部分もあるし。

-そういうクールなイメージからは、「My Bicycle」みたいな曲はある意味ほど遠いかも(笑)。ていうか、“自転車が恋人”的な物語がめちゃくちゃ面白いし、今までのイメージからするとめちゃくちゃ意外。これも、谷川君の人間性が表れている?

そうですね(笑)。リアルな体験半分、もう半分は物語的に、みたいな。自分の体験をあくまでも元にしてお話を書く、みたいにした歌詞が今回は多いんですけど、これはまさにそうで……。僕、自転車好きなんですけど、僕の本当に本当のリアルな話っていうのは、サドルを盗られただけじゃなくて、サドルを盗られたうえに、撤去場みたいなところに持っていかれて、しかも両タイヤパンクさせられてて、カゴにはゴミが詰め込まれてて、ブレーキが全部引きちぎられててっていう、本当にヒドい話なんです(笑)。

-それはヒドい……。“愛しの乳白色ボディ”が、思いっきり汚されて(笑)。

(笑)大事な友達を亡くした、みたいな気分になる話で。それを女の子に見立てて、“こんなにかわいらしいだろ? どうだい?!”って、ちょっと軽く言ってみたり(笑)。

-逆に、こういう曲がUNCHAINから出てくるっていうのは昔じゃ考えられないかもしれないですけど、こういうファニーな曲もすごく楽しいです!

ありがとうございます!言われたんですよ、そういうのを実際。ウチのドラムの吉田とかにも……。僕、日記みたいにブログをやってるんですけど、そのブログみたいに歌詞書けばいいのにみたいなことをたびたび吉田も、近しい友達も言いますし。ブログでは変なこと書くのが好きで、半分ふざけて書いたりするんですけど(笑)、その感じがいいって言われたりするんですよね。で、それは歌詞と書いてる自分とまったく別の自分なんで、そんなの絶対ダメだと思ってたんですけど……。たぶん、良い具合に力が抜けてるんでしょうね。そのやわらかさとか変なアイデアとか、力が抜けたほうがすごい出てくるっていうことに気づいての、今回のアルバムなわけなんです(笑)。もちろん、真摯でマジメな自分もいるんですけど、でも、人間性をより知ってもらいたいっていうことで、そっちの自分も全面的に出してもいいんじゃないかっていうのもあって……。だから、なんていうんでしょう?マジメにふざけてみたというか、ふざけるぐらいの気持ちでやったらちょっと力が抜けるのかなっていう。UNCHAINっていうのはクールでカッコよくてマジメで、みたいなふうじゃないといけないみたいな枠を、自分で作っちゃってたみたいなところはあったかもしれないです。そういうところを取り除いて、壊していきたいですよね。

-枠を壊したっていうことでは、話を戻すんですけど、歌詞が日本語になったことは大きいですよね。英語と日本語では、メロディへの乗せ方も感覚が違ってきません?

そうですね。言葉の乗せ方みたいなのは、ちょっと考え方を変えたというか。初めて日本語で歌詞を書いてみたときは、内容も、言い回しとかもそうだったんですけど、英語の文をそのまま訳したような文になってたりとか。あと、英語っぽいリズムにするためにわざと詰め詰めで歌ったりっていうのを意識してたんですけど、今回は最初から英語はやらないっていう振り切り方だったので……。最初から日本語しか手持ちのアイテムになかったので、いかにその日本語を良く見せられるか、面白く聴かせられるかっていう。最初から日本語をやってはる方はものすごく普通なことかもしれないけど(笑)、基本、一音に一語を乗せていくっていうやり方だと思うんですね。けど、それが、英語でやってるときはどうしても間延びして聴こえちゃって嫌だったんですよ。