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INTERVIEW

Japanese

2010年08月号掲載

鴉

Member:近野 淳一:(Vo&Gt)一関 卓:(Ba)渡邉 光彦:(Dr)

Interviewer:道明 利友


-その1曲目も含めて、まだ正式にタイトルもついてない新曲があの日はかなり多くて。その新曲群の中に、「黒髪ストレンジャー」もあったわけですけど……。まずは、タイトルの由来はぜひ聞いてみたいです。インパクトのあるフレーズなので。

近野:これは、俺がたまたまライヴハウスとかに遊びに行ったときかな? フリーペーパーとかを見てたときに、“なんとかストレンジャー”みたいな文字が目に入って、“ストレンジャー”ってなんだろ?なんかカッコいいな“と思って。カッコよくもありつつ、なんかこう……。そのフリーペーパーかなんかにもカタカナで書いてあったんですけど、なんともいえないダサさとカッコよさが融合してて(笑)。古くさい感じ? 俺の好きな古くささっていうのがそこにはあって、これ使いたいなと単純に思ったんです。俺の中では、カタカナはギリありなんで。

-日本語へのこだわりを感じる鴉の歌詞には、英文はないですからね。でも、カタカナ英語ならありっていう?

近野:はい。カタカナにちゃんと直せる英語なら、俺の中ではありなんですよ。なんで、そこから辞書を引いて、自分なりにその意味を解釈して……。辞書の意味のとおりにやるっていうよりは、自分なりの解釈で何かないかな、みたいな感じで。

-直訳すると……。“知らない人”とか、そういう意味でしたっけ? “異邦人”とか。

近野:そんな感じですね。そのなかに、なんだったかな……。“謎のある”とか?

一関:“謎めいた”とか?

近野:あっ、そう。“謎めいた人物”みたいなのもあって、このイメージでいこうと思って。黒髪の謎めいた魅力との出会い、みたいな。

-そういう、ちょっと艶っぽい雰囲気がある曲を鴉がやるのも、今回はちょっと驚きで。

近野:あ、そうですか?そこらへんは、最近は広くなってきましたね。あんまり堅苦しいままでやってても……。それに対しての不自然さも自分のなかではあったというか、そこにずっと固まっててもしょうがないなって、だんだん思うようになったというか。

-言葉選びにひとつにしても、表現の幅が最近は広がってるみたいですね。曲調自体も、今までの鴉にはなかったテイストですし。“古くさい”っていう言葉がさっきありましたけど、スウィング系のちょっとレトロな雰囲気があるサウンドというか。

一関:元々こういうアプローチというか、ジャズっぽい曲とかは聴いたりしてて好きだったので……。好奇心、ですかね(笑)。好奇心というか、やってみたいっていう憧れはどっかにあったと思うし。でも、本格的なジャズのことは、全然知らないし……。

渡邉:好きなバンドのCDとかにそういう感じの曲がたまに入ってたりしてたから、抵抗はないんですけど。自分では、単純にやってこなかったんで……。

一関:大変苦労いたしました……(笑)。

近野:正解が分からないからね。

渡邉:そう。キックの位置はどこなんだ?みたいな(笑)。どこが正解なんだ、みたいな……。自分では合ってると思ってても、ここ違うんだみたいな。ハネてないみたいな。

近野:でも、そういう“遊び”みたいな要素は、俺がメンバーに渡すデモとかには毎回必ず入ってるんですよ。そういう意味では、この曲は俺も“好奇心”の塊だけでやったような感じはあるかも。“これ、鴉じゃないでしょ”みたいなものを作らないと、俺は鴉を今後もやっていけないと思うので(笑)。