
Japanese
鴉
Skream! マガジン 2010年07月号掲載

2010.06.19 @下北沢SHELTER
Writer 道明 利友
大丈夫、ここが始まりだから――。
ライヴの“始まり”は、ヴォーカル&ギター・近野淳一の独奏。哀しみを背負いながらも、先は見えないけれど……。目の前に真っ直ぐ伸びる広大な道を、前に一歩一歩進もうとする主人公の姿が、その歌声からは浮かんでくるようだ。そこへゆっくりと加わるベース、一音一音が力強いドラム。ファンはもちろん耳にしたことがない、まだ正式にタイトルがついていない名も無き新曲を、東京での2度目のワンマンライヴのオープニングに持ってきたことはある意味冒険的な試みだが……。朗々と歌い上げるメロディとバンドサウンドのアンサンブル、そして、眩い光とともに雄々しく広がる叫び声に、フロアからは大きな喝采が沸き起こった。
近野「今日は来てくれてありがとう。最後まで沸き上がっていきましょう、よろしく」
轟音の中で、あらためて短い挨拶を告げる近野。そして、「時の面影」でビートが疾走を開始すると、ファンの手が一斉に付き上がった。一体感たっぷりにスタートをきったライヴは、既発曲を軸に据えながら未発表曲も数多く披露する、バリエーション豊かな内容になった。ダークなトーンのイントロから、ザクザクと刻むギターが緊張感をかもし出す「爽鬱」。スウィングビートを刻むドラム、そこへ重なるランニングベース、そして、ギターがクールに、かつ妖しげに響くセッションから幕を開けたのは「黒髪ストレンジャー」。8月にリリースされるニューシングルでもある1曲は、これまでの鴉にはなかったジャジーなムードに、彼らの代名詞と言っていい“激情”が加わった新機軸ナンバーだ。
近野「なんかすごく、笑顔の絶えないライヴだと思います。でもね、それもありかなって……。なぜなら、曲が暗いからね(会場笑)。でも、だからってダークな雰囲気をかもし出す必要はどこにもないし、こうやってみんなが受け入れてくれなければ、たぶん俺らは、本来持ち合わせている根っこに埋まってる部分がバーッと出ちゃうかもしれないですけど……。でも、こういう日はこういう日で“宝物”なので、どうぞこの調子で最後まで笑顔で終わりましょう――」
「黒髪ストレンジャー」の演奏中、エキサイトのあまりに身体の動きが激しくなり、ギターのネックでマイクを吹っ飛ばしてしまうアクシデントに思わず苦笑する。しかし、そんな姿もこの日はどこか微笑ましく見える。虚無感、孤独、無常……。彼らの曲には、人生の中に、生活の中の様々なシーンに潜む“陰”のようなものを歌う曲が多いし、曲から伝わる激しい空気も強烈だ。しかし、それはおそらく誰もが、普段は見せなくてもどこかにしのばせているものなんじゃないかと思う。シリアスな感情を鴉は叫び、リスナーはそれを受け取って、共有して、ひとつに繋がった下北沢SHELTERのステージとフロア。
向かい風に絶唱、この想い届くまで――。
強靭なサウンドに、感情の塊を託した歌声を乗せる彼らのスタイルを象徴するような1曲、「向かい風」。そして、激情とメロディーが交差する「夢」。メンバーが影響を公言するeastern youthにも通じる、激しさの中に光る叙情性が胸を打つ2曲で幕を閉じた本編から続いたアンコールでは、このライヴの翌日に誕生日を迎える近野に“ハッピーバースデー!”の歓声が飛んだ。
近野「なんか、こう……。“誕生日”から曲に入るって、難しいよね」
ちょっと照れながらファンに感謝する近野の表情、そこにもまた笑顔があった。
「本気でいくんで……。本気でいくんで、本気で楽しんでいきましょう」
ニューシングル「黒髪ストレンジャー」に収録予定の楽曲「夏色」と、さらなる名も無き新曲、さらに……。止まない歓声に応えて、セットリストにはダブルアンコールとして披露した「帰る場所」。そこにあったものは、音楽に“本気”で没頭するミュージシャンと、その心の猛りを受け取ったファンが作る高揚感。そして、音楽を通して、人と人が濃密に繋がる空間。鴉の過去、現在、そして未来……。これまでに作ってきた歴史をひも解くとともに、そこからさらに続く新たな道を切り拓く楽曲たちは、激しくも温かく、この夜を彩った。
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