Japanese
PELICAN FANCLUB
Skream! マガジン 2017年08月号掲載
2017.06.25 @代官山UNIT
Writer 蜂須賀 ちなみ
PELICAN FANCLUB初のフル・アルバム『Home Electronics』を引っ提げた全国ツアー[PELICAN FANCLUB TOUR 2017 "Electronic Store"]。メンバーが登場する前のステージ上には数十台のアナログ・テレビがスタンバイ。今回のツアー・タイトルにちなんでかと思ったが、よくよく思い出すと、2年前に行われた初ワンマンでも似たような光景を目にしたことがあった。そう考えると、このアルバムに込められた"誰かにとっての、なくてはならない不思議なものでありたい"というバンドの願いは、もしかしたらあのころからあったのかもしれない。そしてこの日のステージ上には、あのころは想像もつかなかった姿に進化していったバンドの"今"と、その進化を心から楽しむメンバー4人の姿が確かにあったのだった。
1曲目は『Home Electronics』のラストを飾った「Esper」。4人一斉に同じリズムを刻むイントロで一気に音を合わせて昂揚感を引き出しつつ、ここから始まる"妄想"の世界の奥深くへ聴き手を誘い出すようなオープニングだ。"「Electronic Store」へようこそ!"とエンドウアンリ(Gt/Vo)が挨拶すると、ドラムのビートに合わせてフロアから手拍子が。そのまま「Luna Lunatic」、「アンナとバーネット」と疾走感漲る2曲を連投すると、音が止んだその瞬間、客席から一気に歓声が溢れ出した。PELICAN FANCLUBのお客さんってこんなに大きな声を出す人たちだったっけ? と、いつもとはひと味違う、フロアのリアクションの大きさにまず驚かされる。おそらく、笑顔を隠そうともせず、心底楽しそうに演奏するメンバーの幸福な空気がフロアにも伝染していったのだろう。そんななか、"『Home Electronics』の曲が聴きたくて仕方ないわけですよね?"とオーディエンスへ問い掛けたものの、"じゃあ別の曲やります"といたずらっぽく笑うエンドウ。そんなわずかなMCからも、バンドとオーディエンスが飾らず向き合っていることを窺うことができた。
この日エンドウは"喜怒哀楽持ってきましたか?"としきりに言っていたが、そのとおり、彼らが鳴らすのは何も幸福感だけではない。8曲目「プラモデル」ではすべてを塗りつぶすような凄まじい音圧のサウンドを一気に鳴らしきり、先ほどまでの穏やかな空気を一変させてみせる。そこからは"喜怒哀楽"で言うところの"怒"や"哀"にあたるパート。ギラッと眼球を光らせながら、まるで何かに憑りつかれたかのようにシャウトを繰り返すエンドウには鬼気迫るものがあるが、彼がここまで自身の感情を全解放できるのは、クルマダヤスフミ(Gt)やカミヤマリョウタツ(Ba)、シミズヒロフミ(Dr)がバンドの手綱をしっかりと握っているからに他ならない。信頼関係、という言葉が最も当てはまるかもしれない。
「許されない冗談」を終えたあと、カミヤマがポロッと"めちゃくちゃ楽しいな、ヤバい"とつぶやいていたのが特に印象的だったが、そこからの後半戦はそんなバンドの充実感を爆発させるように、4人のアンサンブルが凄まじい渦を生み出していった。「深呼吸」にて、昂る感情に身を任せ思わずマイク越しに叫んでいたクルマダの姿。オーディエンスの歌声とともに大きく膨らんでいった「Night Diver」の音像。"気がついたら今日6月25日だった"とエンドウが歌詞を替えた「記憶について」。感情全方位発露型、どの音楽ジャンルにも括れないような、独自の進化を遂げていくバンドの姿と、まるでそれを祝うかのような目の前の光景。"早いものであと1曲です"とエンドウが伝えると"え~!"と残念がるオーディエンス。それが聞きたかった、と笑ってから4人は「花束」を届け、本編を締めくくったのだった。
"今ここにいるってことは、みんなにとってPELICAN FANCLUBが一番なんだと思う。自分たちもそう思って音楽やってます。だからPELICAN FANCLUBについてきてください"、"俺はPELICAN FANCLUBが好きな人が一番センスいいと思ってるから。最高だ! ありがとね!"。去り際のエンドウの言葉にも表れていたように、自信と確信を手に入れたPELICAN FANCLUBにはもう怖いものなどないに違いない。何者にも代えがたい存在に、このバンドはますますなっていくことだろう。
[Setlist]
1. Esper
2. Luna Lunatic
3. アンナとバーネット
4. Variety Mania Talent System
5. M.U.T.E
6. Trash Trace
7. 夜の高速
8. プラモデル
9. Black Beauty
10. 許されない冗談
11. ダダガー・ダンダント
12. 深呼吸
13. Night Diver
14. 記憶について
15. 花束
en1. クラヴィコードを聴く婦人
en2. Dali
en3. 朝の次へ
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