Japanese
ircle
Skream! マガジン 2017年04月号掲載
2017.03.16 @渋谷CLUB QUATTRO
Writer 秦 理絵
バンド結成15周年にして、ircleが初となる渋谷CLUB QUATTROでのワンマン・ライヴを開催した。今年1月にリリースされた"Copper Ravens=カラスみたいな俺たちでも銅メダルを獲れるんだ"という、このバンドの生き様に相応しい名前を持つ最新アルバムを引っ提げて開催された全国ツアーのファイナルとなった東京公演。ダブル・アンコールまで全22曲を終えたあとも、会場からはいつまでも拍手が鳴りやまない、そんな歓喜と祝福に満ちたライヴだった。
"準備はいいかい? ジャパニーズ・ロックの救世主ircleです!"という、河内健悟(Vo/Gt)の挨拶を皮切りに、美しいファルセットを交えた河内のヴォーカルに疾走感溢れるバンド・サウンドが駆ける「呼吸を忘れて」から、ライヴは最高のテンションで幕を開けた。仲道 良(Gt/Cho)と伊井宏介(Ba/Cho)のふたりがステージ際まで歩み出て高く腕を上げると、フロアからも一斉に手が上がる。激しく明滅する光を浴びて、仲道の鮮やかなギター・フレーズ、伊井のパワフルなスラップを受けて、ショウダケイト(Dr)が狂ったようにハイハットを打ち鳴らした「覚醒」、仲道と伊井が繰り出す全力のコーラスに乗せて、河内が叫ぶように"自由"を歌い上げる「2000」。序盤からペース配分なんて一切考えないまま、ステージ上の4人はお互いの激しいプレイに触発されながら、ぐんぐん熱量を上げていった。
"ステージは俺らに任せてもらっていいんで、擦り切れるまで楽しんでいってください"。河内が不敵に言い放ち、ステージに強烈なライトが照りつけるなか、"ウォーウォー"とシンガロングを巻き起こしたのは「光の向こうへ」だった。"ここは夢の先ですか? 全然真っ暗じゃないって気づかせてくれて、ありがとう!"という、河内の感謝の言葉と共に、悲しみも後悔も引き連れたまま未来へ向かおうという共闘の歌は、バンドが不器用ながらもリスナーとの絆を深めるきっかけとなった大切なナンバーだ。ポップなメロディに心躍る「i hate you?」では、お客さんと一緒に大きく左右に腕を振る仲道に、河内が"全然ギター弾いてない(笑)"と楽しそうに言ったり、軽快な8ビートに青い衝動を叩きつけた「after school planet」ではフロアに爽やかな空間を作り上げたり、陽性のナンバーが続いた中盤。バンド15年の歴史を共に歩んできた楽曲たちがCLUB QUATTROに伸び伸びと響き渡っていた。
MCでは"結成15年です。走れ、突っ込め、そんな曲が多いです"と、静かに語り掛けた河内。"振り返る隙間もなかったな。やけど、このアルバム(『Copper Ravens』)ができたとき、全然音楽に飽きてないし、バンドっていいなって思った"と言って、懐かしい曲をと紹介したのは「嘘つき少年より」だった。この世界を愛せない孤独な少年の悲しいミディアム・バラードに、"本当やったのに嘘みたいになってしまったな"と、河内は印象的な言葉を添えていた。この日、フロアを見渡せば、お客さんに紛れて多くのバンドマンたちも詰めかけていた。その愚直で裏表のない音楽によって、リスナーだけでなく、大勢の仲間たちに慕われ、同志を増やし続けたのがircleの15年間だと思う。そこから、結成当時の衝動に戻ることができたという最新アルバム『Copper Ravens』から、刹那の夜を歌うロック・バラード「一夜完結」、かっこ悪くても誰にも恥じない生き方を誇る自分自身を綴った「ピストル」へと、いくつものハイライトを重ねながら、ライヴはクライマックスへと向かった。
最後のMCで、河内はギターを爪弾きながら言った。"俺らがCLUB QUATTROでやってても、どこかでアリーナでやってるバンドもいます。でも、俺らは一歩ずつ、目を合わせて、確実に1個1個刻んできた自信があるので。人と比べるのはやめました。ならば、どうしていくんか。もっと深く、もっと清く、本当の心で、俺ともっと深く......刻んでいかんとなと思う"。そして、懸命に語り掛けるように届けた「orange」。早口で結成の2001年から"いま"へカウントダウンし、感傷も切なさもすべてを肯定するロック・ナンバーから、バンドのこれまでとこれからを高らかに歌う「Blackbird」、そしてラスト・ソング「サーチライト」へ。バンドが15年間で培ってきたすべてを込めたステージは圧倒的な多幸感の中で幕を閉じた。アンコールでミラーボールの光に包まれて「本当の事」を披露すると、ダブル・アンコールでは3月で渋谷TSUTAYA O-Crestの店長を辞める室 清登へ「未来」を捧げた。そこはCLUB QUATTROだったけど、ライヴハウスで人との繋がりの中で生きてきたircleらしい締めくくりだった。
最後のMCで河内が語り掛けた、印象的な言葉を。"俺だって何かの1番になりたかったよ。そりゃ、ドームでバーンっていう夢もあった。でも、いまは......せめて、あんたらの日常で少しでも流れる音楽になりたい、それだけ"。どんなときも偽ることのない本音で泥臭い生き様を貫くircleこそ、いま私たちに必要なロック・バンドだと思う。
[Setlist]
1. 呼吸を忘れて
2. 覚醒
3. ベニ
4. 2000
5. ダイバーコール
6. 光の向こうへ
7. 風の中で君を見たんだ
8. i hate you?
9. after school planet
10. バタフライ
11. 嘘つき少年より
12. 一夜完結
13. 悲しいのは僕の方だ
14. ピストル
15. orange
16. 明瞭度
17. セブンティーン
18. Blackbird
19. サーチライト
-Encore-
20. 本当の事
21. 未来
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22. 優
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