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INTERVIEW

Japanese

1970年01月号掲載

#楽園収穫祭

3月3日、下北沢 LIVE HOUSE MOSAiCにてライヴ・イベント"#楽園収穫祭 〜三人官女ノ集イ"が開催される。ガールズ・バンドの祭典として、東京 下北沢を起点に名古屋や仙台でも展開されてきた同イベント。雛祭りを盛り上げる今回は、注目の3ピース・バンドたちが集結する。そこで出演者の中から、現体制始動から1年足らずにして下北沢のライヴハウス・シーンで存在感を放つみじんこらっくの豆粒、長崎から東京に拠点を移し勢いに乗るマリンブルーデージーの海音による対談を行った。

みじんこらっく:豆粒(Vo/Gt)
マリンブルーデージー:海音(Vo/Gt)
Interviewer:サイトウ マサヒロ

ガールズ・バンドという同じ枠があるからこそ それぞれのバンドの個性がよりハッキリと見える(豆粒)

-まずは、お互いのバンドの印象を聞かせてください。

豆粒:マリンブルーデージーは、正義のヒーローみたいなバンドだなって。日常にある鬱憤とか社会に対する反抗に、明るく引っ張るだけじゃなくてちゃんと寄り添ってくれるバンドですよね。

海音:寄り添うことはたしかに意識してるから、それが伝わっていて嬉しいです。私はみじんこらっくの楽曲を初めて聴いたときに衝撃を受けました。3ピースでここまでのアレンジは思い付かなくて、純粋にすごいなって。明るい曲調なのに意外と自己肯定感低めの歌詞が多いところも共感できるし、刺さってます。でも、さっき対談が始まる前にお話ししてたんですけど......私はあまり学校を好きになれない人生だったんですけど、豆粒さんは学校が好きだったんですよね。

豆粒:そうですね。今も大学院で音楽教育の研究をしてます。学校が好きだから、学校に関わっていたくて先生を目指したんですよ。でも、教育実習に行って初めて学校の閉鎖的なところに気付いて。大人になって初めて学校をしんどいと思う気持ちがやっと分かったっていうか。だからこそ、学校を変えるための研究をしています。

海音:すごい、カッコいい。私は、学校に違和感を抱くようになった小学生の頃から"出る杭は打たれる"みたいな空気感がすごく苦手で。当時からちゃんと認められたいっていう気持ちが強かったから、それを糧に曲を書いているところがあると思います。

豆粒:私の場合は、毎日の感情の変化が曲作りの原動力になってますね。悲しいとか楽しいとか、日常のちょっとした出来事がそのまま歌詞になってるような感覚です。

海音:マリンブルーデージーの楽曲には私の人生をドキュメンタリーとして音楽にするっていうイメージがあるので、私も感情に変化があったら必ず曲を書くようにしてます。曲にすることで初めて大変な思いが報われるって感じます。

-お2人には、幼少期にピアノを習っていたという共通点もありますね。

豆粒:小学1年生から6年生まで習ってました。同じ時期に水泳も習ってたんですけど、そっちはとにかく嫌で(笑)。ピアノを弾いているときは気持ちを表現することでスッキリできたんです。音楽を通して感情を表に出すっていう感覚を最初に知ったのはピアノだったのかもしれない。

海音:私は小さい頃、大きい音が苦手で。掃除機の音も花火の音も、映画館で映画を観るのもダメでした。だけどピアノを弾いたときに、初めて"心地のいい音"っていうのを味わって。それからは取り憑かれたように弾いてましたね。

-2人とも、音楽が逃げ場でもあったんですね。さて、今回の対談は"「#楽園収穫祭 〜三人官女ノ集イ」"の開催に向けて実施されていますが、お2人は"#楽園収穫祭"にどんなイメージを持っていますか?

豆粒:意外とガールズ・バンドだけのイベントってないなと思っていて。同じ枠があるからこそ、それぞれのバンドの個性がよりハッキリと見えるイベントだなと思います。

海音:初めて出演したとき(2024年)に、"こんなにキラキラした場所があるんだ!"って感じて。東京でライヴをするっていう夢が叶ったイベントでもあるし、思い入れが強いです。このイベントで救われるバンドが私たち以外にも増えてほしいし、これからも永久に続いてほしいですね。

-マリンブルーデージーは、今回で最多となる4回目の出演です。

海音:初めて出演したときには、長崎の田舎者で幼稚な私たちをどうにかして受け入れてもらわないといけないっていう壁があったんですけど、今はありのままの自分たちを好きになってもらおうっていう考え方に変わっていて。出演を重ねるなかでの成長を感じています。

-一方のみじんこらっくは仙台 FLYING SONで開催された前回の"#楽園収穫祭 杜ノ歌ゲ 〜リリカル2周年パーティー"が初出演で、バンドとして初の遠征ライヴでもありました。

豆粒:不安もすごくあったんですけど、FLYING SONはすごく温かくて、楽しくて。どこに行っても誰がいても楽しませられるっていう自信が得られたのは大きかったです。あと、メンバー3人で初めてちゃんとお泊まりしたんですよ。すぐに帰るつもりだったんですけど、牛タンを食べたくて(笑)。3人で遠征をやり切ってたくさん話せたことで、より仲良くなれました。

海音:遠征って、メンバー同士の仲が深まりますよね! すごく分かります。

-"#楽園収穫祭"はガールズ・バンドの祭典でもありますが、お2人は自分たちがガールズ・バンドとカテゴライズされることに対してどう感じていますか?

豆粒:私自身は"ガールズ・バンドです"っていう意識があまりないんですけど、ガールズ3ピースって意外といないなと思うので、"3人のガールズ・バンドってこんなにカッコいいんだよ"っていうのを伝えられる存在にはなりたいです。

海音:私もガールズ・バンドっていうくくり自体はそこまで大事にしているわけではなくて、出会った大切な仲間がたまたま女の子だったというだけなんです。でも、"ガールズ・バンド"という言葉を背負っている責任は感じながらやってますね。

-ガールズ・バンド・シーンの中で個性やスタンスを押し出すために大切にしていることはありますか?

海音:私たちは3人とも素直で感受性豊かなメンバーが揃っているので、1人だけじゃなく3人だからできることを大事にしてますね。

豆粒:私は飾らないことを大事にしてます。たくさんのいいバンドと自分を比べちゃうこともあるんですけど、個性はもうすでに自分たちの中にあると思うので、無理に強調せず、ありのままでいいのかなって。素直に自分の好きなものを表現しています。私は、毎日日記のように曲を作ってるんですよ。だから、"こういう曲を作ろう!"と思ってやってるわけではなくて。

海音:曲の作り方が私とは全然違って面白いです。マリンブルーデージーはボツになる曲もたくさんあって、完成するのが奇跡みたいな感覚で。もし100歳になったときに聴き返しても受け入れられる曲しか作りたくないと思っています。

-今回の"#楽園収穫祭 〜三人官女ノ集イ"は、サブタイトルの通り3ピース・バンドにフォーカスしたラインナップとなっています。マリンブルーデージーとみじんこらっくは、最初から3ピースを想定して結成されたバンドなのでしょうか?

豆粒:私はもう完全に、最初から"女子で3ピースがやりたい!"と思ってました。TETORAやカネヨリマサルが大好きっていうのもあるんですけど、何よりも直感で。

海音:それも真逆です! 偶然2人と出会ったから3ピースになったというだけで、相性のいい人がもう1人いたら4ピースになっていたかもしれない。でも今はこの3人の居心地が好きだから、たまたま3ピース、されど3ピースで、この形であり続けたいなと思ってます。

-3ピース・バンドならではの魅力ってなんだと思いますか?

豆粒:一人一人がセンターみたいに目立つところですね。3人だけだからそれぞれの音色が個性になるし、キャラクターも前面に出る。あとは、ライヴで自然に全員と目が合うところがいいなって思います。

海音:3ピースって三角形みたいで、極端な2人と中立の1人っていう構図になることが多いと思うんですよ。私たちも、それで激しくぶつかることがあるし。でも、だからこそそれぞれの個性が伝わりやすいところが素敵だと思います。

-逆に、3ピースで苦労することは?

豆粒:単純に、ミスれない(笑)。ミスも目立つし、1人でリード・ギターも弾くから、得意じゃない部分も頑張らないといけない。

海音:でも、それぞれの責任が大きいところも含めて3ピースが好きです。やっぱり全員の性格がハッキリ表れるから、普段の生活から自分と向き合って、常に客観視する必要があるのは難しいところですね。

-メンバーが3人、というか奇数だと多数決で半々に割れずに済むっていうのもありますよね。

豆粒:たしかに。でもほかの2人が優しいから、結構私に合わせてもらってます。

海音:私たちは絶対に違う意見を持っているので、多数決をせずに全員の落とし所を見つけるようにしてます。