Japanese
2025年10月号掲載
HONEBONE
Member:EMILY(Vo) KAWAGUCHI(Gt)
Interviewer:丸井 汐里
EMILYのパワフルな歌声とKAWAGUCHIのアコースティック・ギターで、赤裸々な感情を表現し共感を呼んでいる、東京 高円寺出身のフォーク・デュオ、HONEBONE。昨年の結成10周年イヤーを経て新人の気分で再スタートを切った2人が、11月2日、SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで、1年の集大成となるホール・ワンマン・ライヴ"HONEBONE ホールワンマンライブ2025「人生まるごと全肯定‼」"を開催する。2025年リリースのアルバム『ドーン』や11月のライヴ、同公演に向け制作した新曲「やっても歌」について、話を訊いた。
-まず、昨年のHONEBONE結成10周年イヤーは、振り返ってどんな1年でしたか?
EMILY:少し活動の規模を縮小しました。一昨年、自分たちの中では最大規模の会場となる、恵比寿LIQUIDROOMでワンマン・ライヴ("NEXT STAGE 2023")をやったんですが、そのときに燃え尽き症候群みたいになって。自分たちのキャパの限界を感じて、次のことを考えられないまま2024年を迎えたんです。今までなら各地にライヴをしに行っていたんですけど、東京に拠点を集中させて、お客さんに10周年の感謝を伝えながら気持ちを立て直していった1年でした。
-その1年を経て、改めて2025年はどんな活動をしていこうと考えましたか?
EMILY:1年活動を縮小したら、それはそれで耐えられなくなって。もっとライヴの本数も増やしたいし、いろんなところに行きたいし。やっぱり大きいライヴハウス、大きな会場でライヴがやりたいってことが分かったので、そこに向けてがむしゃらにやっていくんだってモードに切り替わりましたね。
KAWAGUCHI:2024年は、平たく言うと面白くなかったんです。2025年の最初の頃に地方に行ったら、歓迎してくれるお客様がいて、"やっぱこれだよね"みたいな。その感覚を今年に入ってどんどん思い出していきました。それと、少し前からYouTube ショートに、ライヴの切り抜き動画を上げ始めたんです。
EMILY:ライヴの雰囲気が少しでも伝わればいいなと思って、最近取り組んでいます。
KAWAGUCHI:多くの人にライヴを観てもらうことが一番活動の中でやっていきたいことだっていうのは、2人共同じ気持ちです。
-春には9枚目のアルバム『ドーン』をリリースされていますが、どんな作品になりましたか?
EMILY:"ドーン"は英語の夜明けって意味の"Dawn"なんですが、多くの人に手に取ってもらいたいと考えたときに、読んでもらえないかなと思ってカタカナにしました。昨年があまり面白くない年だったこともあって、モヤモヤした気持ちを打破したいっていう気持ちで作ったアルバムなので、私たちの中では珍しく前向きなアルバムになりましたね。
-1曲目の「Hello Hello」、6曲目の「Pink Sky」は、これまでと比べて、サウンドのアレンジがかなりロックに振り切っていますよね。
KAWAGUCHI:自分たちがHONEBONEとしてやり始めたのは2014年なんですけど、もともとはバンドだったんです。なので、ロックがルーツとしてあるというのが理由の1つ。あとは、LIQUIDROOMのワンマン・ライヴをバンド編成でやらせてもらったことですね。自分たちはずっと2人でやってきて、バンド編成でのライヴはそのときまでほとんどやってこなかったんです。でも、このライヴのときにいいメンバーの方たちに出会って、やってみたら"バンド楽しいね"って。バンド編成のライヴの形が自分たちの中でイメージできるようになって、バンド・サウンドもみんなに頼めば再現できるしいいかなって思って振り切りました。
-「Hello Hello」はEMILYさんの歌声の雰囲気も、より明るく柔らかい印象を受けました。
EMILY:歳を重ねてきて、自分の中で楽な歌い方をし始めている傾向があって、それをやると年齢を感じる歌声になってしまいがちで、課題を感じていたんです。歌謡曲っぽすぎる声は、自分たちは好きだけど、若い人たちにも聴いてもらいたい思いもあるのでちょっと避けたいなと。ビブラートを深く入れすぎないとか、えぐった歌い方をしすぎないとか、そういう面にすごく気を付けて、ちょっとカラッと歌うようにして収録しました。
-歌詞の視点も自分軸ではなく、俯瞰で引いたような視点から書いているように感じましたが、歌詞の書き方の変化についてはいかがですか?
EMILY:今までのスタイルだと自分自分で、"私はつらいんだ"とか"私は怒っているんだ"とか、視野の狭い日記のような曲を書いていて、それを好んでくれるお客さんもいてくれたんですけど、ずっとそれだと広がりがないのではないかなと。よりたくさんの人に聴いてもらいたい思いも生まれたので、もっと大きい気持ちになって、歌詞の書き方も今一度視点を広く持とうというところはありましたね。
-「Pink Sky」は、アルバムのジャケット写真の朝焼けの情景と歌詞が重なるように感じました。この曲の歌詞のインスピレーションはどこから出てきたのですか?
EMILY:実は私の身内が昨年亡くなって、それもあって活動を縮小していたんです。これまで大事な人に向けて作っていた曲も多かったんですが、その対象の人が亡くなったので、自分の心にぽっかり穴が開いてしまって、どうしようかなっていう1年でもありました。でも昨年10周年のライヴ("大感謝祭")をやって、やっぱりライヴは自分にとっても必要だと分かったので、アルバムを書こうって気持ちになったんです。暗い曲ばかり書いてもしょうがないっていうのも、大人になって分かってきたけども、自分の中でどうしても消化できない。大切な人を失った悲しい気持ちは、歌にせずにはいられなかったです。
-この曲の歌詞も、聴く人それぞれのいろんな悲しみを浄化してくれる感覚がありました。
EMILY:それこそ、これは私の日記だぜみたいな感じになっちゃうけど、一方で誰にだってそんな経験はきっとあるだろうとも思ったんです。私は正直そこまでは考えてはあげられないけども、聴く人が私にもそういう経験があったかもしれないなくらいに受け取ってもらえればいいなという思いで書きました。
-「Pink Sky」のアレンジは、最初からバンド・サウンドでいこうと決めていたんですか?
EMILY:私は作っているときからバンドのイメージがあったかな。バンドで私の内情的な悲しい曲を演奏したときに、"これだ!"って思う瞬間がいくつかあって。
KAWAGUCHI:2024年の8月に開催した"つゆだくライブ"というワンマン・ライヴも、バンド編成でやったんです。それがEMILYの身内が亡くなったすぐ後で、EMILYが最後のほうはずっと号泣していたんですよ。バンドのみんながいてくれたなか、全然歌えてはなかったんですけど、"なんかすごかったね、今日"みたいな感じで皆さんが受け取ってくれて。たぶん、そういう瞬間だ。
EMILY:そう、そうなの。バンド・メンバーがいてくれたからかろうじて歌えたみたいな。「Pink Sky」も、もちろんKAWAGUCHI君と2人だけでも成立はするんだけど、バンド・サウンドじゃないと悲しくて歌えないかもしれないみたいな。楽器が多いほうが助かるなと感じたところが自分の中であったかもしれないですね。
-2人だけのシンプルな編成ではつらい心が丸見えになってしまって、ぐらついてしまうところを、楽器が支えてくれるといいますか。
EMILY:そうですね。埋めてくれたところがありましたね。
-2曲目に収録されている「ラブソング」はタイトルもストレート。思い切りましたね。
KAWAGUCHI:いつもグッズの制作でお世話になっている会社の方からアドバイスを頂いたんです。HONEBONEの曲もすごく聴いてくださっているんですけど、"ラヴ・ソングを聴いてみたいな"って。たしかに、悪い恋愛の曲はあるけど、ストレートに誰かに愛情を伝えるような曲って僕たちはやってこなかったなと気付いて、じゃあ作ってみましょうってなったんですけど、慣れてないのでタイトルが......。
EMILY:いや、照れじゃないの(笑)?
-初めてのラヴ・ソングの制作はいかがでしたか?
EMILY:良くも悪くも、歳を取ったなぁと思って。熟成したってことでもありますけど。
-たしかに"約束だって 絶対じゃない"等も、年齢やキャリアを重ねたからこそ出てきた歌詞なのかなと思いました。
EMILY&KAWAGUCHI:(年齢が)出ちゃった出ちゃった(笑)!
KAWAGUCHI:ラヴ・ソングはどんどん突き詰めて制作していきたいですね。例えばいつもライヴに来てくれるお客さんに対してとか、そういう曲も自分たちはやってこなかったですけど、これから先はできるんじゃないかなと思いました。
-その「ラブソング」の次に出てきたのが「健康音頭」。爆笑しました。流れが最高です!
EMILY:良かったー!
KAWAGUCHI:これは僕たちの定例ですね。
EMILY:照れ隠し(笑)? でもお客さんの年齢層を考えるとああいう曲がいいかなって。
KAWAGUCHI:40、50、60代位が多いもんね。
-30歳を超えてくると健康を意識し出しますよね(笑)。前口上の"1年365日、体調いいのは5日くらい"から共感しきりでしたが、やはりお2人も健康を意識する瞬間は増えましたか?
EMILY:健康の話ばっかりしてるね。
KAWAGUCHI:もううんざりしてますね。この食品がどうとか、添加物がどうとか。
EMILY:健康と天気の話しかしてなくて、バンドマンとしては終わってるよ(笑)! もっとロックンローラーみたいなバンドマンになりたかったのに。
KAWAGUCHI:"このリフがさー"とかね。
-歌詞には満員電車で咳をするお父さんへのフォロー等もあって、お2人の優しさも感じました。
KAWAGUCHI:誰だってあるじゃないですか。満員電車で咳が止まらなくなるみたいなこと。別にあの人が悪いわけじゃないですもんね。
-制作過程も楽しそうな雰囲気が想像できます。
KAWAGUCHI:そうですね。歌録りも、エンジニアさんとかも含めて、結構みんなでふざけながらやりました(笑)。
-いろんな形に振り切れるのはHONEBONEの良さの1つですよね。
KAWAGUCHI:これって自分たちの悩みでもあるんです。伝わりづらいとか。
EMILY:まとまりがないとかね。でもプラスに変換していきます!
RELEASE INFO
- 2026.02.07
- 2026.02.09
- 2026.02.10
- 2026.02.11
- 2026.02.12
- 2026.02.13
- 2026.02.17
- 2026.02.18
- 2026.02.20
- 2026.02.22
- 2026.02.24
- 2026.02.25
- 2026.02.26
- 2026.02.27
- 2026.02.28
- 2026.03.01
FREE MAGAZINE

-
Skream! 2026年01月号
Cover Artists
KULA SHAKER





