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INTERVIEW

Japanese

HONEBONE

2019年04月号掲載

HONEBONE

Member:EMILY(Vo) KAWAGUCHI(Gt)

Interviewer:石角 友香

日米ハーフで美貌の持ち主であるヴォーカリスト EMILYとギターのKAWAGUCHIからなるHONEBONE。クールなイメージとはほど遠い江戸っ子気質な口調と、アンビバレントな性質が窺えるEMILYの本音が笑える要素寄りに傾いたのが、今回のアルバム『13』(読み:じゅうさん)なのではないだろうか。鬱憤と自己嫌悪と、たまに何かに対して揶揄する歌詞や、おなじみのご飯屋さんへの感謝の歌。情けないようでもあり笑えるようでもあり、ちょっとシニカルな毒気も効いている――そんな心情のあれこれを夫婦漫才、ギター漫談調のフォーク/ブルースに乗せて表現するHONEBONEのこれまでと今を駆け足で紹介する。

-以前の「冷たい人間」(2017年リリースの4thアルバム『静かにしろ』収録曲)などはMV含めシリアスな感じがありましたが、今回のアルバムはよりライヴに近いものなのでしょうか。

EMILY:さすが、気づいていただいて。今までライヴとMVに差がありすぎたので、よりライヴに近い楽曲を作ろうっていう意識はあったかもしれないです。

-その美貌にしてこの音楽性のギャップがいい、みたいなことは散々言われてきたのでは?

EMILY:そう言ってもらえてる? "なんでこの音楽性なん?"って話はありますけど。たぶん私は他のことができないんですよ。バンド編成だった時代もあるんですけど、人が多いのが苦手で、音が多いのもうるさいのも嫌だし、歌謡曲とかが好きだし。聴きやすくて、やりやすい音楽がいいので。

-じゃあEMILYさんの背景は歌謡曲とか日本語フォークとかですか?

EMILY:とか言って、聴くのはJustin BieberとかEMINEMとかなんですよね。だからミーハーなんです。KAWAGUCHI君の方が音楽は詳しいし、音楽オタクなので、楽曲のこだわりとかは全部任せてますけど。

KAWAGUCHI:僕は何かひとつ挙げるとすればTHE YELLOW MONKEYですね。

EMILY:イエモン(THE YELLOW MONKEY)はふたりとも好きで。でも私はイエモンっていうか、吉井(和哉/Vo/Gt)さんのYOSHII LOVINSON時代の鬱々した捻くれた感じが好きなんです。

-ヒップホップって基本的には"言いたいことを言う"ための手段のひとつだと思うので、EMILYさんの動機もちょっと似てるのかなと思うんです。

EMILY:あると思いますね。1stミニ・アルバム(2014年リリースの『Too Many Kisses』)だけ系統が違っていて、そのときは間違ったメジャー志向というか、"キラキラしてたら売れるんじゃないか?"って考えて、ジャケ写にモデルを使ったりして、考えつくミーハーなことを全部やってみたんですけど、それだと言いたいことも言ってないし、お客さんの反応も悪かったんです。"じゃあ言いたいことを言ってみようかな?"と思ったら、だんだんお客さんがついてきてくれるようになって。

-HONEBONEを取り巻く状況はどう変化してきたと思いますか?

KAWAGUCHI:もう13年ぐらい一緒に音楽やっているんですけど、最初はハードなパンクみたいなやつをやろうとしてて、ダメで。いろんなことをやって、何をやったらいいのか、よくわかんなくなっていたんですよね。なんかやりたいって気持ちはあったんだけど、自分たちにできることとか向いてることが全然わかんなくて。そんななかでいろいろと小知恵が入ってきて、ジャケットをこういうふうにやったらいいんじゃないかとか、ポップな曲だったらいいんじゃないか、みたいなのを試して玉砕した感じです(笑)。

-方向性が見えた決定的な出来事があったんですか?

EMILY:1枚目のアルバム(『Too Many Kisses』)を出したころは大学卒業して1年後ぐらいで、ライヴに友達が来てくれるぐらいの時期だったんですけど、だんだんそういうのがなくなって。友達も呼べなくて、お客さんがすっからかんになったときに、"これヤバいな"と思ったんです。そこで、音楽で食べてる人に"どうやったら音楽で食えるんですか?"みたいなことを聞きに行ったら、"ゼロからビジネス脳にしていかないとダメだ"みたいな話になって。そこからExcelやパソコンを触り出しました。"売れるにはパソコン触らなきゃダメだ"と思って。

-曲作りじゃなくて戦略のためにパソコンを触るんですか(笑)?

KAWAGUCHI:当時はメアドもなかったし、ホームページもなかったので(笑)。

EMILY:Instagram講座とかも行きました(笑)。

-その時点で今の音楽性に繋がるような感じがあったんですか?

KAWAGUCHI:若干、芽は出ていたというか。最初のアルバムを出したときは、歌詞も全然良くないし曲も良くない、僕ら自身もノってないみたいな状況だったんです。それで"どうなんだろう?"と思っていたら、EMILYがずっと書いてる日記を歌詞にした曲ができて、"この路線がいいのかな"と思い始めたタイミングだったので、ちょうど時期は合致した感じですね。

-日記の内容の方が、リアリティがあって良かったんでしょうね。

EMILY:お客さんにもそう言っていただけてますね。鬱憤が溜まって、もうこんなの書いたら嫌われちゃうだろうなと思って書いた日記の方が、"待ってましたー!"みたいな反応があったりして。お客さんって自分を映す鏡というか、似たような人が集まってるなって感じます。

-じゃあ、そこで腹を括ったというよりは、HONEBONEの音楽を見つけた感じですか?

EMILY:まぁ、そうですね。

-謎だったんですよ。最初からこうだったのかな? とか。

EMILY:全然ですよ。作品を出すたびにヴィジュアルとかも変えていって。"今回はやっと漫才マイクが使える"とか思ってます。

KAWAGUCHI:最初からこれができていればなと思いますけど。

-今回のジャケ写やアーティスト写真もひとつ明確にできたものなのでしょうか?

EMILY:そうですね。うちらはファッション・センスもなければ流行も追えないし、作れないので、ヴィジュアル面はカメラマンなりスタイリストに相談して作ったりしてました。"この人たちふざけてんのかな?"と思われたい、けど遊び心をどうやって入れたらいいかずっとわかんなかったんです。でも、今回やっとできた気がします。