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INTERVIEW

Japanese

天女神樂

2025年10月号掲載

天女神樂

Member:杏(Vo) 星井 葵(Gt) 御影 万璃(Gt) 酒呑 紫(Ba) 鳴海 旭(Dr) 胡桃 莉咲(Key)

Interviewer:サイトウ マサヒロ

唯一の正規メンバーである杏を12人の舞姫たちが取り囲み、激しくも可憐な神楽を織り成す。そんな類を見ない大所帯編成と和風楽曲を武器に、大阪を拠点として活動するロック・バンド、天女神樂。12月9日には心斎橋BIGCATにて、バンド史上最大規模となるワンマン"天女神樂 始動二周年記念単独公演『天命開花』"の開催を控える。それぞれの物語と決意を伴って、天女となる道を選んだ彼女たち。その軌跡と個性は千差万別だ。今回は杏を含む6人に、これまでの歩みと身に付けた戦い方、そして迫る最大の挑戦への意気込みを語ってもらった。

-天女神樂は、ヴォーカルの杏さんを中心として2023年12月に結成されたんですよね。

杏:私はもともとソロ・アイドルとして活動していたんですけど、もっと活動の幅を広げたいと思って、かわいさとカッコ良さの両面を持ったガールズ・バンドを結成してみようということで、クラウドファンディングを実施して、メンバーに声を掛けて組みました。アイドルとバンドっていうジャンルの境界線をなくして、どっちの音楽も楽しんでもらえるようになったらいいなって。だから、バンド+アイドルの"バンドル"というスタイルでやってます。

-とはいえ、かわいくてカッコ良くて楽器の演奏ができるメンバーを見つけるのって、めちゃくちゃ大変だったんじゃないですか?

杏:大変でした。でも今はネットがあるので(笑)、"弾いてみた"や"叩いてみた"の動画をたくさん探して、関西の子にメールを送りまくって。あとは、スタッフの紹介で加わってくれたメンバーもいますね。

-初期メンバーに連絡した時点で、和風のコンセプトや大所帯の編成は決定事項だったんですか?

杏:私がもともと和服が好きだったり書道をやっていたりしたこともあって、周りと被らないコンセプトとして"和風ガールズ・ロック"は決まっていました。ただ、大所帯っていうのは......。

酒呑:誘ったら意外と集まっちゃったみたいな(笑)。

杏:得体の知れない人から突然メールが来たら大体みんな断るだろうなと思ってたんですけど、気付いたら10人くらい集まってて(笑)、結果的に面白い形になりました。

-メンバーの皆さんは、加入の打診を受けたときにどう感じましたか?

胡桃:私はちょっとルートが特殊なんです。もともとメイドカフェに通って推し活をしていたんですけど、その店長に突然呼び出されて、"まさかメイドのオファー?"と思ったら"友達がガールズ・バンドを立ち上げるんやけど、キーボードやってくれへん?"って(笑)。杏様のことはソロ・アイドルとして存じ上げてたので、まさか一緒に活動することになるとは思ってもみなくて、嬉しかったですね。二つ返事で"やります!"でした。

酒呑:私はもともとヴィジュアル系のシーンで活動していて、アイドルとは対極の場所に居たので悩みました。でも、面談で"女の子でもカッコ良く"っていうコンセプトを聞いたときに、ジャンルは違っても理念は一緒だなと思って。賭けではあるけど、面白そうだからやってみることに決めました。

星井:私はギター・アイドルとしてソロ活動をしていて、そのときから杏ちゃんと何回も共演してたのと、ガールズ・バンドをやりたいってずっと考えてたのもあって、声を掛けてもらって"楽しそう!"って思いました。あの時声を掛けてもらえて良かったなぁって思います!

鳴海:他のメンバーはすでに何かの活動をしていた人が多いんですけど、私は完全に一般人で。ドラムも14年くらい続けてるんですけどバンドを組んだことはなくて、Xに動画を上げたこと、趣味で被写体活動をしたことがあるくらいでした。で、あることがきっかけでロック・アイドルにハマって、その関連で流れてきた天女神樂のアカウントをフォローしたら、速攻で杏さんからDMが来て(笑)。

杏:かわいい女の子からフォロー来たなと思って見てみたら、ドラマーやん! って。

鳴海:それで一度お話しさせていただいたんですけど、もう世に出てるメンバーと一緒にやれるのか、2ヶ月くらい悩みました。でも、ライヴを見学してみたら、やっぱりカッコいいし、女の子なのにこんなにレベルが高い演奏ができて......ロックが好きな自分のやりたいことに近いなと思って、加入を決断しました。

御影:私は専門学校でギター・ヴォーカルをやってたんですけど、バンドは3ヶ月くらいで解散しちゃって、それ以降全く音楽活動をしてない状態でした。で、アパレル店員をやってるときに葵ちゃんが一日店長でお店に来たんですよ。葵ちゃんが店舗にギターを置いてたので、"私もPRS(PRS Guitars)のギター持ってるんですよ"と話し掛けたら、天女神樂に誘われて(笑)。

星井:わ?! ギターやってる女の子と出逢えた!! って。そのときに天女神樂のスタッフさんも来ていたので即スカウトする流れになりました。

御影:その1週間後にはアー写を撮影して初期メンバーとして世に出るっていう。

-全員、加入までのドラマがあって面白いですね(笑)。皆さんの個性も十人十色で。

杏:たまたまみんながキャラ分けされてて、どの子を見てても面白いですよ。

-"こういうキャラで行ったら?"みたいな杏さんのプロデュースがあったりするんですか?

杏:特にはしてないです。ステージ経験がなくて、前に出る方法が分からない子にアドバイスすることはありますけど、キャラクターに関してはそれぞれが好きなようにやってますね。

胡桃:バレンタインやハロウィンのイベントがあると、メンバー全員が全く違うアプローチで、自分に似合うスタイリングやヘアメイクをしてくるから、本当にセルフプロデュース力が高い人たちが集まったチームだなって思います。お互いのいいところを盗み合いながら自分らしさを確立してるのかな。

酒呑:天女神樂を始めてから、めっちゃメイクに詳しくなりました(笑)。なんだか女子校みたいな感じですね。

-僕は、"天女神樂"っていう1本のゲームがあって、その中に個性豊かなキャラクターがいて、ガチャみたいにそれぞれの魅力を楽しむようなイメージが当てはまって、面白いなと思いました。公式サイトには皆さんのヴォイス・サンプルも載ってますよね。

杏:あれはスタッフのアイディアですね。

御影:私だけ"其方(そち)の魂、わらわに預けてみんか?"って異世界すぎるセリフで(笑)。

胡桃:一人称が"わらわ"やもんな(笑)。