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INTERVIEW

Japanese

cowolo

2025年08月号掲載

cowolo

Member:藤崎 もも つづく 甘奈 ゆい 氷山 あい 青 宮本 なる

Interviewer:宮﨑 大樹

-各曲について、まずはS!Nさんが作詞作曲を手掛けたセルフタイトルの「こをろ」は、歌詞にオノマトペや日常ではあまり使われない日本語が使われていて、サウンドには和楽器も使われていて、まさにcowoloのアイデンティティが出ている楽曲だと思います。

ゆい:曲名がグループ名なので、このグループの世界観を一番体現している曲だなと思います。和の要素も一番強くて、歌詞もグループのコンセプトにリンクしているんです。イザナギ、イザナミ、アマテラスとかぱっと見の表記では分からなかったりするんですけど、歌詞をよく見ると"こことここが繋がって、cowoloの世界観の言葉になるのか"みたいな発見があると思いますね。グループの発表のティーザーでもこの曲の音源が使われているんですけど、最初に聴いたときの印象はすごく壮大な感じというか、物語の始まり感があったんですよ。グループ名が曲名になっているのもいいなと思います。コンセプトを体現できる楽曲が最初に出せるのは強いと思いますし、ライヴで育てたいなという楽曲です。

-しっかり語れていて、本当に音楽が好きなのが伝わってきますね。レコーディングはどうでしたか?

ゆい:レコーディングの前にボイトレでディレクションをしてもらって、細かいニュアンスまで調整しながら、どうやって世界観や歌詞をより印象に残る形で届けられるかを、個人個人で考えながらやっていたんです。自分は、今までやってきた音楽と方向性が全然違うので苦戦してしまいました。必要な技術だったり、曲に対して考えなきゃいけないことだったりが違っていて。グループのコンセプトを表現する楽曲だから、説得力を持たせたいと思って、曲の表現の練習ももちろんなんですけど、個人的にやったのは、cowoloの成り立ちである"古事記"について書いてある論文を呼んで勉強してみて、自分なりに楽曲の世界観を落とし込みましたね。

つづく:素晴らしい! この曲は1サビが終わった後の間奏がすごくいいんです。言葉では伝わりづらいと思うんですけど、壮大というか、一気に空気が変わるような間奏なんですね。そこが私的にすごく好きなポイントなので、ぜひみんなにも早く聴いていただきたいです。グッと心を掴まれると思います。

もも:cowoloのダンスは一曲一曲違う振付師さんにお願いしているんですけど、「こをろ」についてはサビと2Aの振付はゆいちゃんがやってくれているんです。それがめちゃくちゃカッコいいので、早く皆さんにお見せしたいですね。

-続いて、「月祈み」についてはプロデューサーさんが作詞をしていますね。

青:cowoloとして最初にいただいた曲が「月祈み」なんです。歌詞の中で"こをろこをろ"というオノマトペが表している揺れる水面が最後に出てきて、cowoloというものが始まるまでを表した物語のような曲かなと。cowoloで初めてレコーディングした曲でもあって、私自身は人生初めてのレコーディングをした曲なんです。頭が真っ白、歌詞が読めなくなってしまうくらい緊張したんですけど、ライヴでは完成した状態で皆さんにお見せできるように今も練習しているので、頑張っていきたいと思います。ミックス後に初めて自分の歌声を曲として聴いたら感動しましたね。「こをろ」ももちろん大事な曲ですけど、この曲は何もないときでも自分で聴くくらい大事な曲です。すごくいい曲を書いていただいてありがたいですね。

つづく:日常で抑え込んでいる情熱的な想いを打ち出したような歌詞ですし、言葉の一つ一つが美しくて。日常の不安というか、秘められた想い、正義ってなんだろう、自分ってなんだろうみたいなことをロック調の曲に乗せてライヴで歌うのが、すごく楽しみです。

もも:ラスサビ前の感想の部分で、みんなで儀式みたいなことをする振付があるんです。そこもコンセプトにのっとった感じになっているので、振付も楽しみにしていてほしいなと思います。

-そして「澪標」は、ヒトリエのygarshy(Ba)さんからの提供ということで驚きました。

もも:私もイガラシさんに書いていただくと聞いた瞬間に叫びました(笑)。

ゆい:うん。cowoloに入ってから、もともと好きだったものが繋がるんだ、みたいなことが多すぎて。

あい:めちゃくちゃありがたい。本当にすごい方に書いていただけて、ありがたい想いでいっぱいですね。この曲は歌詞がすごく好きで、最後のほうでは"みんなで今までの思い出を抱えながら、ステージを一緒に楽しんでいこうよ"というメッセージがあると考えています。テンポも速いし、ロックで楽しいので、ファンの方も一緒に楽しんで盛り上がりつつ、感慨深い気持ちになっていただける曲なんじゃないかなと。
タイトルとしては、水路の標識として立てられる"澪標"が由来なんですけど、"身を尽くし"てアイドル人生を頑張っていくぞという意味も兼ねてあるそうなんです。個人的にも"澪"という文字がきれいで好きなので、すごくお気に入りの1曲になっています。振付に関しては、フォーメーションが変わっていく振付になっているので、推しメンがどこにいるのかを気にして楽しんでいただける曲なんじゃないかなと思っていますね。

-「澪標」は特にライヴで盛り上がりそうですよね。

あい:自分もそう思います。

もも:イントロが本当にカッコ良くて大好きです。あのイントロが聴こえただけでテンションが上がります。私はベースも弾いていて、イガラシさんのベースがすごく好きだったので本当に感動しました。これから大事にしていきたい楽曲ですね。

-「澪標」の"弾いてみた"動画を上げてみたらいいんじゃないですか?

もも:それもやりたいんですけど、イガラシさんのベースは難しすぎる(笑)。聴いた瞬間に"これは弾けないなぁ~"ってなりました(笑)。

-「澪標」のレコーディングはどうでしたか?

あい:私は前のグループだと自分の歌割だけを覚えて歌っていたんです。それが一般的かなと思うんですけど、cowoloの場合は違って、1曲全部覚えて歌うやり方なんですね。そのおかげで歌詞の読解が進んで、想いを込めて歌えるようになったので、このやり方の大切さを知りました。

-cowoloの歌詞ってメッセージ性はありつつも、表現はストレートではなく抽象的、文学的な言葉使いなので、咀嚼して理解するのはこれまでより大変だったのでは?

あい:そうですね。"これはどういう意味だろう?"って自分の中で解釈することが大事な曲が多いと思います。なので、自分なりに解釈してプロデューサーにディレクションしていただいて、レコーディングや練習を頑張っているので、きっと今までよりもいい歌が歌えているんじゃないかなと感じていますね。

もも:この曲は3曲の中で最後にレコーディングしたんですけど、特に青ちゃんの成長がすごくよく分かるんです。そこの部分も皆さんに楽しんでほしいなと思います。

青:嬉しい。これがメンバーの優しさです。レコーディングが終わった後にこういうことを言ってくれて、自分の成長を言葉にしてくれるのがモチベーションになりますね。同じメンバーなんですけど、みんな先輩みたいな。それぞれのいいところがあって。すごく恵まれた環境にいるなといつも思います。

つづく:それ程でもぉ~(笑)。

青:(笑)みんなからもっと吸収して頑張っていきたいなと思えるメンバーです。素敵なんです、本当に。

-いいグループですね。cowoloの音楽の今後についてはどうなっていきそうですか?

もも:今後は今の曲よりも激しい曲が増えていきそうだなと思っています。直近でレコーディングした曲とかもめちゃくちゃカッコいいんです。この3曲とは少し雰囲気が違ったカッコ良さになっているので、"cowoloってこんな面もあるんだ"みたいな、新たな一面が見られるかなと思います。