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INTERVIEW

Japanese

East Of Eden

2023年12月号掲載

East Of Eden

Member:Ayasa(Vn/Producer/Leader) 湊 あかね(Vo) Yuki(Gt) わかざえもん(Ba) MIZUKI(Dr)

Interviewer:藤坂 綾

ヴァイオリニスト Ayasaのもとに、自身が共演を熱望した4人のミュージシャンが集結、世界基準のロック・バンド East Of Edenが誕生した。10月8日にはZepp DiverCity(TOKYO)にて初ライヴ"East Of Eden -World Premiere Special Showcase 2023-"を行い、その圧倒的パフォーマンスで会場を魅了した彼女たちが、メジャー1stミニ・アルバム『Forbidden Fruit -1st piece-』をリリースする。それぞれに活躍する5人が集結した理由とは――出会いからミニ・アルバム・リリースに至るまで、メンバー全員にたっぷり話してもらった。

-10月8日のZepp DiverCityでの初ライヴ、振り返っていかがですか。

Ayasa:結成して初めてのライヴで、「Evolve [Extended Version]」(2023年8月リリースの1stデジタル・シングル)1曲しかお届けしていないなか、その「Evolve」をみなさんが聴き込んで来てくださったのが嬉しくて。間違いなく勇者だし、他の知らない曲にも食らいついてやろうという気概にも感動したので、とにかく私たちは楽しんでもらおうと必死でした。そんな状況でしたけど、ライヴでも何度も言ったように"片手間ではない"という姿を見せられてたら嬉しいです。

わかざえもん:あの日実際にライヴをすることによって、私たちの活動がほんとに始まったんだなと実感しました。あの日やった曲はこのメンバーが集まったからこそっていうテクニカルな曲が多いんですけど、レコーディングの段階で難しいものを録りまくっちゃってたからまずは自分との闘いでもあったし、そこを無事に終えられた今では、これから楽曲をブラッシュアップしながらこのメンバーで演奏していけるんだということが嬉しくて仕方がないです。さらにはお客さんがもっと来てくださればどんどん規模も大きくなっていくから、そういう夢を持ちながらひたすら挑戦を続けていけるということが嬉しいですね。

湊:初めてのライヴなのでやっぱり不安もあったんですよ。どんな人たちが来てくれるんだろうかとか、それぞれのファンの人たちが集まるなかケンカとか起きないかなとか思ったりして。でもみんな温かくて、一体感があって良かったなと。自分自身も歌う最初は緊張してたんですけど、後半は解き放たれて伸び伸び歌うことができたんで良かったです。

MIZUKI:尊敬する素晴らしいメンバーとの初ライヴで、リハーサルのときからひしひしと感じていたんですけど、みんなで合わせたときの感覚がすごいなと。難しい曲なのに最初からちゃんとまとまってたし、エモーショナルだし、楽しいし。ライヴでは誰かが盛り上がるとさらにそれが繊細に音で伝わってくるから、こっちもグッとなってみんなバッてなって、すごい擬音ばっかりだけど(笑)、いい感じでできたと思います。あれが初ライヴだから、今後もっと重ねていったらもっともっと楽しくなるんだろうなと思えるようなライヴでした。

Yuki:忙しい人たちの集まりだからリハーサルも5日間だけだったんですけど、みんなもともとのポテンシャルが高いので助けられたし、すごく緊張してたんですけど、初ライヴだけどアットホームで、だから落ち着いてはいたんです。それでいてしっかり楽しめもしたし。お客さんも1曲しか知らないのに盛り上がってくれて、それにも助けられたので、本番でしか出せないような力が思いっきり出せたような、そんなライヴができたと思います。

-ライヴのときにバンドの構想が2年とおっしゃってましたが、Ayasaさんはどういうバンドをどういう理由で結成しようと思って4人に声を掛けたんです?

Ayasa:私自身が昔インストのバンドをやっていたり、今現在もソロでインストの音楽をやっているんですけど、イベントやテレビでヴォーカルの方とコラボする機会があって、ヴォーカルのある場所でヴァイオリンを弾いてみたいと思ったんです。今私がやってる"BanG Dream!(バンドリ!)"(Morfonica)もヴォーカルがいるバンドなんですけど、"バンドリ!"はコンテンツとキャラクターありきのバンドなので、普通のバンドとは違って。なので自分のバンドがいいなと思ったんですけど、最初は長期的に活動できるかどうかもわからなかったからプロジェクトという形で始めてみて、それがうまくいけば続けていこうというのが始まりで。そこからまずは楽器メンバーから集めようということになり、声を掛けていきました。

-おひとりずつ出会いを教えていただけますか。

Ayasa:わかざえもんちゃんは前から知ってたんですよ。同じ曲のレコーディングに、別々だったので実際に会ってはいないんですけど参加してたり、イベントで何回か一緒になったりしてて。かわいいのはもちろんなんですけど、ベースに対して真摯に向き合っていることがSNSを見ていてもわかるし、ある意味職人っぽくベースに向き合っている感じがしてたんです。なのでベースはざえもん(わかざえもん)ちゃんにお願いしたいと思い、まずはプロジェクトでやるので参加していただけないかとお声を掛けさせていただいて、ちょうど海外に行かれてた時期だったので、帰国後に捕獲しました(笑)。

-それがいつ頃のことです?

Ayasa:めっちゃ最近じゃない?

わかざえもん:帰って来たのが4月とかだったかな。

Ayasa:だよね。構想自体は2年あったんですけど、私自身の活動の変化もあって、どうしても動かせない時期もあって。なので実際に声を掛け始めたのは去年の終わりにYukiさんにDMを送り始めたときくらいだから、ざえもんちゃんに声を掛けたのはそのあとの4月あたりで。Yukiさんに関しては、一緒にお仕事したことはないんですけど、もともと著名な方なのでもちろん知ってたし、私がSword of the Far EastをやってるときからYukiさんもD_Driveをやられてたんですよね。インスト・バンドは大体途中で歌い出すという事件が勃発するなかD_Driveは絶対に歌わないし、私も、歌ったほうがもっと知ってもらえるのにって言われるのを頑なに断り続けていたからこそ、D_Driveの存在はすごく支えになっていて。なのでその頃から知ってはいて、そのあと年は違うけどたまたま同じCMに出たりしてより近い存在になってきていたので、いつか一緒にやりたいという気持ちがどんどん強くなっていきました。Yukiさんはスキルはもちろんだけど音が太くてかっこいいんですよ。音の作り込み方も好きだったのでギターは絶対にYukiさんがよくて、TwitterでDMを送ってね(笑)。D_Driveをやってたのでどうかなと思いつつ、お会いして、お話をして、やってもいいよということだったので、今ここにご降臨いただいております。

-Yukiさんに一番最初に声を掛けて、次がわかざえもんさん。

Ayasa:そして次はMIZUKIさん。MIZUKIさんはご一緒する機会がなくて、でもお名前はもちろん知っているという状態から、Lonesome_BlueのMV撮影("Parallel World (Lonesome_Blue feat.Ayasa)")で共演させていただいて、そこで同い年ということを知り一気に親近感が湧いたんです。そこからLonesome_Blue のライヴでもご一緒させていただいて、ドラムって他の楽器と違って自分の場所を絶対に動けないじゃないですか。そうやって場所が決まっているからこそ存在感が大事だし、そのときの華やかなパフォーマンスがすごく魅力的で、しかもキャラクターがパフォーマンスにも出てるなと思ったんです。派手だし、華やかだし、ずば抜けた明るさがステージを照らしてるかのようで、太陽みたいな存在だなって。私、太陽系ドラマーが好きなんです。

-太陽系ドラマー、なるほど。

Ayasa:闇でステージを支配するドラマーも多い気がするんですけど、私はドラマーにはステージを照らしていてほしい。しかもロンサム(Lonesome_Blue)で初めてツーバス踏んだって言ってるのにすごく上手いし。そのときもずっとステージ上で笑ってて、それでいてちゃんと叩き切る姿がかっこいいなと思って。で、お声を掛けたら"やりたい"と言ってくださって、今ここにご降臨いただいてます。そこからヴォーカリストを探すんですけど、結構大変で。人口は一番多いから、だからこそどうしようかと。しかも楽器メンバーを好き勝手にすごい人を集めちゃったから、このメンバーの中でも埋もれないヴォーカリストじゃないといけないし。正直すごく困ってたんですけど、スタッフさんから湊さんのことを聞いたんです。prediaのことは知ってたんですけど、解散したことは知らなくて。それでYouTubeを観せてもらったんですけど、カバー曲のチョイスが被ってたり、私が氷川きよしさんとコラボした「限界突破×サバイバー」を歌ってたのを昔観たことがあるのを思い出して、声質も太いし、かっこいいっていうのが印象に残ってたので、これはもう湊さんがいいと。あと、バンドだと一緒にいる時間が長くなるから性格も大事だとなったとき、カメラ目線でかわいく見せたりを一切せず、歌ってる様子をただ撮ってるところが歌に真摯に取り組んでいて、ほんとに歌を届けたいと思ってる人のような気がして、そういう人のほうが人間的にも合うんじゃないかと思い、ぜひ湊さんにお願いしたいということで実際にお会いして。美人だから怖いかなと思ってたんですけどふわっとしてて、そういう素敵な人間性も兼ね備えていたので、ここにこうしてご降臨いただきました(笑)。

-プロジェクトのつもりで最初は始められたけど、バンドにされたのは?

Ayasa:いろいろと考えていくうちに、これはもうプロジェクトではなくてバンドだろうって、自分もスタッフさんもそう考えるようになりました。それは今後の活動とか、予定とかも含めて。だったらもうバンドでいこうと言ったら、みなさんも承諾してくださったので、"よし、バンドでいこう"と。

-Ayasaさんに声を掛けられたときのお気持ちを教えてもらえますか。

わかざえもん:ライヴの予定だけ来てて、プロジェクト始まりということでもあったから、深く考えずに"予定空いてます"ってくらいで受けてたんです。でも、そのあとツアーで2ヶ月ほどアメリカに行ってる間にプロジェクトの構想がいろいろ変わっていって、日本に戻る頃にはこれはただのプロジェクトじゃない、長期でやっていくバンドの話だっていう気配を感じて。だから帰国してすぐにAyasaさんとスタッフさんを交えてお話をして、こういう構想を2年間練ってきて、やっと声が掛けられる状態になったのでぜひ参加してくれませんか? と言われたときは、自分のタイミング的にも、帰る場所という意味でもバンドという存在が欲しかったし、私性格が結構キツめで、同性とバンドを組むということ自体不可能だろうと自分では思ってたんですけど、メンバーのお名前を聞いたら、みなさんそれぞれ活動されてきた人たちで、それぞれプライドを持って楽器に取り組んできていると思ったので、そういう人たちの中だったら、切磋琢磨して参加できるんじゃないかと思って、OKの返事をその場でさせていただきました。そこからあれよあれよという間にここにいる感じです。

Yuki:Ayasaさんから"何か一緒にやりたいですね"ってお話をいただいて、私も前から一緒にやらせていただきたいと思ってたんで、DMを貰ったときはびっくりだし、嬉しかったですね。こんなにも素晴らしいメンバーが集まってて、このチャンスを逃したら人生後悔すると思ったので、ぜひやらせてほしいって返事をしました。それぞれいろんな活動をしているなかでこうやって新たなバンドでスタートできるのも、このメンバーだからっていうのが大きいと思うんです。このメンバーのおかげで、他の活動もこのバンドもできるんだと思ってます。

MIZUKI:AyasaちゃんとはLonesome_Blueの初ワンマン・ライヴ("Zero Gravity ~1st ワンマン LIVE~")でご一緒させてもらって、それがめちゃくちゃ良かったんです。それは人間的にもで、そこからふたりでごはん行くくらい仲良くなったし、ヴァイオリンも素晴らしいし。そのときからバンドを始めるかもしれないとは聞いてたんですけど、実際に声を掛けてもらったときはすぐ"やりたいです"と返事しました。もともとLonesome_Blue と真空ホロウとふたつバンドやってたし、真空ホロウが清々しく活動終了したのでまたもうひとつできるなと思って、"やりまーす!"って(笑)。

湊:私は、お誘いをいただいてとても嬉しかったんですけど、心の中ではちょっと葛藤がありました。グループをまた組むのかという想いがあって、グループを組んですぐやめちゃうみたいなことがこれまでの経験であったので、またそうだったらなという気持ちがあったんですけど、こんな素敵な話をいただいて、これを逃してしまったら、もうこの世界から自分はいなくなってしまうかもしれないと思ってお受けしました。