East Of Eden

Japanese

East Of Eden

Skream! マガジン 2023年11月号掲載

East Of Eden

2023.10.08 ＠Zepp DiverCity(TOKYO)

Writer : 藤坂綾　Photographer：酒井ダイスケ

ヴァイオリニスト Ayasaのもとに湊あかね（Vo）、Yuki（Gt）、わかざえもん（Ba）、MIZUKI（Dr）が集結し結成されたロック・バンド、East Of Eden。8月8日にデジタル・シングル「Evolve [Extended Version]」をリリースし、話題を呼んだ彼女たちが10月8日にZepp DiverCity(TOKYO)にて初ライヴ"East Of Eden -World Premiere Special Showcase 2023-"を開催。チケットは即日ソールド・アウト、2階席には立見のファンが大勢詰めかけるなか圧倒的なパフォーマンスを見せ、その存在を知らしめることとなった。

Ayasaがヴァイオリンを奏で、デビュー曲「Evolve [Extended Version]」でライヴはスタート。わかざえもんとMIZUKIのストイックなリズムにYukiのギターとAyasaのヴァイオリンが絡み、湊あかねの存在感あるヴォーカルが楽曲に新たな命を注ぎ込む。ドラマチックな幕開けにしばし圧倒されるもののそれぞれのスタイルで楽しむオーディエンス。次第に5人の音に巻き込まれていく。この日のライヴは「Evolve [Extended Version]」以外はすべて未発表曲、つまりは初めて耳にする曲ばかり。そんな状況のなかこの盛り上がりを見せたのは、楽曲の力とひとときも飽きさせることのない演奏力で、つまりはバンドの力と言えるだろう。もちろん人としてもそうで、演奏中とは打って変わった力の抜けたMCや、それぞれを心からリスペクトしていることが伝わる姿勢も魅力であったのは確か。

壮大な展開のバラード「echo echo」、音の掛け合いを楽しんだインスト「YELLOW CARD」と様々な表情を見せた後半戦からは、安定した演奏の中にもスリリングなバトルのようなシーンがいくつもあり、その音の世界にますます惹き込まれる。曲を披露するごとに力を増す演奏と、加速する熱量が心地よい。そして、"まだまだいけますか？"と始まった「花美」ではオーディエンスと見事な掛け合いを見せ、「Chasing The Moon」で本編を終える。アンコールで"片手間でできるバンドじゃない！"と言うと、ひとりずつ今の想いを語る場面も。

"このメンバーでバンドを始められて良かったです。個人としての目標がいくつかあるんだけど、このバンドで叶えられそうだなと今日思いました。East Of Edenとしての目標も叶えつつ、最強のバンドになれたらいいなと思うのでこれからもついて来てください"（MIZUKI）

"帰る場所じゃないけど、そういうバンドをこのメンバーで組めたのが嬉しいし、声を掛けてくれてありがとうございますという気持ちです。私の思い描いていたバンドのストーリーをこのメンバーで歩めたらいいなと思うし、それぞれの人生にプラスになる活動にしていきたいです"（わかざえもん）

"このメンバーの居心地がすごく良くて、一緒にやるのが楽しいし、刺激を貰ってます。これからどんどん変化していくと思うので、その成長していく過程を見守っていただけたら嬉しいです"（Yuki）

"もうグループはやらないと思ってたんですけどこんなお誘いをいただいて、こんな素敵なメンバーが集まったので音楽をやらないわけにはいかないと思って。East Of Edenで大きいところでライヴができたらなと思っているので、ついて来てくれたら嬉しいです"（湊）

"最初にロックと出会ってから約10年、ステージでヴァイオリンを弾くことが人生のいちばん大事なことになってきました。そんななかでこのメンバーと出会い、バンドを組んで音を奏でることができたらそれは楽園じゃないかって、これまで闘う場所だったステージがこれからは楽園になるだろうなと思ったんです。2年以上もかかってもう無理かと思う時期もあったけど、今じゃなきゃこのメンバーは集まらなかったし、無駄な時間はなかったと思います。ここからみなさんとより楽しい道を歩んでいけるようがんばります"（Ayasa）

それぞれの想いを告げると、最後は再び「Evolve [Extended Version]」。惜しみない拍手のなかライヴは幕を閉じた。12月20日にはメジャー1stミニ・アルバムのリリースを発表したEast Of Eden。この日の圧巻のパフォーマンスは、まだ序章にしかすぎないのだ。