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INTERVIEW

Japanese

PIGGS

PIGGS

Member:プー・ルイ BAN-BAN SHELLME KINCHAN BIBI SU-RING

Interviewer:宮﨑 大樹

7月に新メンバーのBIBIとSU-RINGが加入し、新体制として活動をスタートしたPIGGSが、メジャー1stアルバム『RAWPIG』を完成させた。プー・ルイいわく、原点回帰の気持ちで制作した本作は、アイドルらしくない曲が集まったからこそ、アイドルらしいアルバムに仕上がったという。今回は新体制の活動の手応え、アルバムについてメンバー全員に話を訊いた。


全部自分のやりたいようにやる。初期衝動、原点回帰な気持ちで


-PIGGSは7月にBIBIさんとSU-RINGさんが加入し新体制としてスタートしました。ということで、新メンバーふたりの自己紹介からお願いします。

プー・ルイ:合コンだと思ってやってみて(笑)。

BIBI:合コン!? 行ったことない......。PIGGSの"風が気持ちいい"担当、BIBIです。担当カラーは赤色で、大学で哲学を学んでいます。出身は東京都で、趣味は絵を描くことと美術館に行くこと、読書も好きです。

-"風が気持ちいい"担当ってなんですか?

プー・ルイ:オーディションで報告メールというのをやっていて、最後に残った子たちは1週間くらい毎日、その日に感じたことなどを日記のように報告メールとして送ってもらっていたんですけど、みんなが形式的に送ってくるなかでBIBIだけくだけた感じで送ってくれていたんです。その中で"昔お父さんが「頑張った日の風は気持ちいい」って言っていて、今日のオーディションの帰り道は風が気持ちいいって感じられました"と書いてあって、それがスタッフの中で印象的だったんです。哲学を学んでいたり、アートが好きだったり音楽が好きだったりするので、詩的な担当が似合うかなというので"風が気持ちいい"担当にしてみました。意味はわからないんですけど(笑)。

-素敵な由来ですね。では続いてSU-RINGさん。

SU-RING:"ちょっとおバカな真面目な鉄人"担当のSU-RINGです。趣味はガチャガチャとか寝るのも好きです。出身は東京で、担当カラーは白です。

SHELLME:白だったっけ......?

SU-RING:ごめんなさい! サイリウムは白色なんですけど、担当カラーはクリーム色です。失礼しました!

プー・ルイ:おバカなので(笑)

-"ちょっとおバカな真面目な鉄人"の"ちょっとおバカな"部分は回収できている気がするんですけど(笑)、"真面目な鉄人"はどういう由来なんですか?

SU-RING:お披露目ライヴのゲネリハをやったときに、4曲目くらいで足を挫いてしまったんですけど、それを言えなくて最後までやったんです。ゲネリハが終わったあとにめっちゃ痛かったので病院に行ったら"骨折の1歩手前でしたね"って言われて、それで"鉄人だね"って言われて"鉄人"になりました。

プー・ルイ:元ももクロ(ももいろクローバーZ)の有安(杏果)さんを尊敬していて、有安さんのキャッチフレーズが"ちょっぴりおバカな小さな巨人"だったので、そこへのリスペクトを込めて同じ語感にしてみた感じです。

-ふたりが加入したことでPIGGSに変化はありましたか?

プー・ルイ:だいぶ変わった気もしつつ、そんなに変わっていない気もしつつ、早い段階で慣れていましたね。今までは良くも悪くも"PIGGSってこうだよね"というものができかけていたと思うんですけど、そこに新たな風が吹いた感じがします。今までは同期みたいな空気感だったんですよ。KINCHANはあとから入ってきていたんですけど、気が強すぎたので後輩みたいな感じはなかったから、どちらかというと同い年みたいな感じで――私が言うと申し訳なさはあるんですけど(笑)。でもスー(SU-RING)とBIBIは年下、ニューカマーという感じがします。

-既存メンバーとしては、後輩メンバーが入ることで何か意識が変わりましたか?

プー・ルイ:KINCHANが一番先輩ぶっています。

KINCHAN:(笑)後輩ができるのは初めてなので、どんな感じになるのかなと思ったんですけど、別にふたりともかわいがってはいないです(笑)。負けないからな! という気持ちで。

プー・ルイ:優しい先輩というよりは厳しい先輩という感じですね。

-SHELLMEさんは自分に変化はありましたか?

SHELLME:自分はあんまり変わっていないかもしれないですけど、最初は悩んでいたかもしれないですね――なんで悩んでいたんだっけ?

BAN-BAN:SHELLMEはふたりに対して伝えたいことがあるけど、何回も言わないと伝わらない、みたいなことがあって。それに対して悩んでいたけど、私たちももともとプーちゃんから同じように何回も同じことを言ってもらっていたことを考えたら"そういうものだよね"となっていました。

プー・ルイ:うん。何百回も言ってた(笑)。

SHELLME:KINCHANが入ってきたときとは感覚が違くて。責任を持って何かを言うことが嫌なんですよ、責任を負いたくないので。でも今はそれじゃダメなのもわかっているので、頑張って伝えたいなぁと。それで伝えてみたら伝えてみたで難しいなぁと思いました。

-BAN-BANさんはどうですか?

BAN-BAN:ふたりが入る前に"新メンバーの前で泣かない"と決めていたんですけど、オーディションのときから私だけ泣いちゃって、だから"泣かない"は諦めました(笑)。泣いちゃってもパワーを出していけるようにしています。あと、ふたりは話が合います。

プー・ルイ:私とSHELLMEとKINCHANは下世話な話が好きなんです(笑)。でもBAN-BANはそうじゃなくて、美味しい食べ物とか、ぬいぐるみみたいな子供っぽいものが好きなんですよ。新メンバーのふたりもそっち系というか、"シルバニアファミリーがかわいい"みたいなタイプなので、そういう意味では良かったよね?

BAN-BAN:嬉しいです。

-そんな新メンバーふたりが加入して早々に全国ツアー"SUCK OF FULL MONTY TOUR"が始まりましたけど、今のツアーはいかがですか?

SU-RING:PIGGSに入って3週間後にお披露目があって、そこから今のツアーまでめまぐるしく続いているみたいな感じで。そのなかで一日一日、自分の気持ちがPIGGSに馴染んでいる気がするんです。素の自分を出して過ごせるようになりましたし、ツアーを回っていくうちに人のありがたみを感じて、毎日幸せだなと思っています。

プー・ルイ:私は倒れていたのでこの間がツアー初参加だったんです。なのでツアーに関してはまだわからない部分があるんですけど、新体制のお披露目のときにふたりが頑張ってくれたのもあって、いい流れが来た感じがします。PIGGSは3年やっているから、その中ではやっぱりいい時期も悪い時期もあって、いい時期を逃すともう1回いい時期を作るのは難しいなと感じていたんです。それは今までのグループでも思っていたし、PIGGSでも思っていたんですけど、"この6人でいい流れを掴むぞ"と思っていたところで、いい結果が出たというか――まだ結果が出たわけじゃないですけど、1個掴むことはできた気はしていて。今はPIGGSが気になる人が増えている段階なので、ここからもっとさらにいいものを見せて、気になっている人たちをどんどん増やしていかないといけないなと思っていますね。公式のフォロワーの人数も、止まっていたのが徐々に増え始めているので、頑張り時が作れたことはやっていて感じます。あとはこの流れにどう乗るか。

-そういう意味では、このタイミングでアルバムがリリースされるのはすごくいいですね。

プー・ルイ:そうですね。自分たちがカッコいいと思うものを媚びずに作れて、"PIGGSってカッコいいね"という人を増やしていけるアルバムになったと思います。なのでタイミング的にはいいアルバムが出せるなって。

-うん、今作はまっっったく媚びていないですよね。

プー・ルイ:媚びなさすぎますね(笑)。今までの作品も媚びて作ったわけじゃないんですけど、PIGGSのことを見てくれる人が増えると、私たちも人間なので嬉しいじゃないですか? そうすると"さらに新しい知らない人に届け!"って、いいんだけど良くない欲も出てきて、そこに作品が振り回されちゃったなという反省があったんです。それをやるにはまだ早かったというか、そのときは顔が見えている人たちに向けてちゃんと作るべきタイミングだったなって。自分たちの大事なものを曲げるまではしていないけど、今が大事なのに先を見すぎたというのがあって。そういう時期よりも、最初のころの"これしかねぇ! お金はないけど、とにかく自分たちがいいと思うものを作ろう!"という時期のほうが自分たちも楽しかったし、ファンの人たちの反応も見返してみてもそっちのほうが良かったなと思うんです。そういう意味では原点に戻って作ることができました。

-アルバムを制作するにはあたってのテーマは"自分たちがカッコいいと思うものを作る"ことですか?

プー・ルイ:そうですね。BRIAN(SHINSEKAI/Ryan.B)はそういうふうに作っていて。BRIANはDavid Bowieが好きなんですけど、"David Bowieが目の前にいたとして、「このアルバムを聴いてくれ」と自信を持って言えるようなものを作りたい"、"それができた"と言っていました。私としてもいろんなものを気にしていくなかで、どうしても"楽しい"が減っていたんです。私は感覚派の人間なので、そういうほうが向いているなというのがあったので、楽しいとは何かを考えて活動できるように、PIGGSがいい状態で活動できるように、ということを考えるようにしています。

-"楽しい"ことが大事だと。

プー・ルイ:自由人な部分があって、"ダメ"って言われるのが嫌なんですよね。そのダメを減らしていったほうがいいなと。例えば、PIGGSでは言われていないですけど、"下ネタを言っちゃダメ"と言われるとすごくストレスだったりとかして(笑)。そういうのが活動の中で勝手に増えていた部分があったので、そういうのをなくそうと。全部自分のやりたいようにやる。人に気は使わないくせに、空気には敏感だったりするので、気にしないで生きていこうと最近は思っています。初期衝動、原点回帰な気持ちで。