Japanese
FUNKIST
2022年05月号掲載
Member:染谷 西郷(Vo) 宮田 泰治(Gt) ヨシロウ(Gt)
Interviewer:秦 理絵
-会社を立ち上げてから何か変化はありましたか?
染谷:どこまで言っていいかわからないですけど、会社を作って一番良かったなと思ったのは、コロナの補助金ですね。国の補助金の仕組みが、芸術を絶やさないために芸術家に還元している会社に補助を出すっていうことだったんです。となると、ライヴハウスに会場費を落とせたり、対バンにバック(出演料)を払えたりする。俺らのサポート・ミュージシャンにもお金を払えるんですよ。微力だけど、日本の芸術とかライヴ・シーンを絶やさないためのひとつの力になれたのは、すごく良かったです。
-こういうとき、ロック・バンドも社会の中で生きてるっていうのを感じますよね。
ヨシロウ:アウトローではいられないですよね(笑)。
-これは営業妨害かもしれないけど、実はFUNKISTってすごく真面目に将来を見据えてますよね。着うた®時代にライヴハウスを大事にしようって決めたこともだし、20周年で会社を立ち上げたのは、5年後、10年後もバンドを続けるんだっていう覚悟だと思うし。
染谷:そこを上手に誤魔化してきたんですよ(笑)。ビジネス脳がないっていうことにして、行き当たりばったりで生きてる風にしてたんですけど。会社を設立して、自分も社長になったし。今はそういうのをちょっと見せてもいいかなと思って。
ヨシロウ:本当はね、素で普通に生きてたらこうなってるっていうのが、長年セルフ・プロデュースで作り上げてきたバンド像なんですけどね(笑)。
-どういう気持ちの変化があったんですか?
染谷:後輩から聞かれることも増えたんですよ。こういうときどうするんですか? って。そのときにバンドのイメージを守って"何も考えてませんよ"ってしちゃうと、まっすぐ語ってあげられないことも多くなっちゃう。でも、実は知ってることもあるから、ある程度オープンにして、次の世代にギフトしていけたらいいなって。
宮田:僕ら、すごく準備をするんですよ(笑)。それが恥ずかしかったんです。行き当たりばったりで歌ったらこれだよって言えたほうがかっこいい気がして。
ヨシロウ:このピック拾ったやつだから、みたいな(笑)。
-若いころって天才肌みたいな存在に憧れもありますしね。
染谷:俺はもともと父親がフラメンコ・ギタリストで母親がダンサーだし、ヨシロウもジャズの三木敏悟っていうコンポーザーの弟子でずっとついてたり、宮田も父親がフラメンコ・ダンサーだったりするんですよ。そういうミュージシャンを子どもの頃から見て、その人たちがどれだけ光の当たらないところで何十時間も練習してるかを見てるから、そこへの憧れもあるんです。準備をすることは当然だし、ステージで"俺はこんなに頑張ったんだぜ"というのを見せないことのかっこ良さに憧れてたけど。今は後輩に何か聞かれたら、"徹底的に準備するんだよ"って言いますね(笑)。
-大事だと思います。コロナ禍は曲作りも積極的に進めていたわけですよね。
染谷:今回のツアーで『Bright』をCDとして出すんですけど。「Sleep talking」(2020年のシングル表題曲)と「日出づる」(2021年のシングル表題曲)という曲を3部作としてリリースしてきました。「Sleep talking」は別れをテーマに書いたんです。ライヴハウスで人と会う機会が失われたことがショックだったから、それを曲にしたくて。そこから1年ぐらいが過ぎたころに、自分たちの主戦場である日本に対しての応援歌を作りたいと思ったのが「日出づる」です。
-「日出づる」は和のサウンドが印象的です。
染谷:そうですね。V・ファーレン長崎っていうサッカー・チームの応援歌(アルバム『BORDERLESS』収録曲「V-ROAD」)もやらせていただいてて。みんなで声を合わせることができないなかで、あえてシンガロングの曲として作りました。自分の部屋で一緒に歌ってくれよって。その3部作の最後が「Bright」ですね。これはもうコロナ禍の自分たちの全部というか。
ヨシロウ:シンプルにメッセージが伝わる曲になりましたね。これを出してツアーをやるわけだから、アッパーなダンス・チューンで派手なのにしようよっていう方向性もあったんですよ。でも、FUNKISTはそうじゃないよね。今出すシングルがただのアッパーな明るい曲なのは違うんじゃないかとか、そういうのを3人で話し合ったんです。
染谷:そこは初めてでしたね。今のFUNKISTに何を歌ってほしいのか?、俺らが好きなこのFUNKISTというバンドは、次のツアーで何を掲げて歌ってくれるんだろうか? っていうミーティングを重ねたんですよ。それは、バンドを客観視してますよっていうクールな感じに聞こえちゃうかもしれないんだけど、全然そうじゃなくて。1stから自分たちの作品を聴きなおして、"このときこういう想いだったよな"とか、"このときは音楽で悩んでてアレンジが奇抜すぎて、今聴くと笑っちゃうな"とか......。
ヨシロウ:"歌にパワーが足りないね"とかね。
染谷:そういうことも言い合ったんですよね。
宮田:過去の作品を聴いてレコーディングってすごいなと思いましたよ。そのときが真空パックされてるなって。音だけじゃなくて景色も見えるんです。
ヨシロウ:染谷西郷の歌詞もドキュメンタリーというか。そのときのことをちゃんと反映してるから、胸が熱くなって泣きたくなったりしましたね。
-その瞬間の自分たちに嘘をつかずに歴史を積み重ねてきたバンドだからこそ、コロナ禍という時代にも真正面から向き合う曲を出したかったんですね。
染谷:そうですね。「Bright」に関しては、コロナ禍に思ったような日々を送れないなか、唯一の逃げ道がSNSだったりしたじゃないですか。その言葉が尖ってるなって感じてて。自分はずっと言葉を生業にして生きてきたから、言葉が危険なものだっていうのも実感としてわかるんです。ライヴハウスで放った言葉が誰かを殺すかもしれないし、誰かを救えるかもしれない。でも、SNSで自分の名前を明かさずに語る言葉ってその責任を負わずに使われてるんですよね。それが仲間に集中砲火されてしまうことがある。救えなかった命もあるから、そこへの憤りと悔しさみたいなものも歌詞にしたかったんです。
-"あの子をもし傷つけるなら/俺は死んでも許さん心持ち"と歌ってますよね。そういう負の感情も吐き出しつつ、「Bright」は未来に目を向けている曲だなと思いました。
染谷:いつも曲を作りながら、自分の心と対話をしていくんですけど、自分が書いたサビで辿り着いたのが"Won't Be Long"=この夜はもう長くは続かないよっていうところ、"You Are Not Alone"=ひとりじゃないよっていうところだったんですよね。で、"踊ろう 踊ろう 踊ろう"。結局、FUNKISTってそこなんだなって腑に落ちたんです。ネットで叩いてる人も被害者だと思うんですよ。叩かないことには生きられない何かを抱えているとしたら、そいつら全員俺のところにかかって来い。憎んでる相手でもライヴハウスに来たら、絶対にひとつになれるぜっていうところが、俺らの答えだったんです。
-そのメッセージをとてもシンプルなアレンジで聴かせているのも肝ですね。これまでのFUNKISTの楽曲と比べても、音数がぐっと削ぎ落とされてる。
染谷:今回、コード・アレンジをヨシロウが中心でやってくれて、そこらへんも汲んでくれましたね。ここは言葉を伝えたいからブレイクにしようとか、感情の揺れをギター・ソロで出したいとか。ストリングスとかシンセサイザーを足せば豪華になるけど、そうじゃなくて。パーカッションは入ってるんですけど、それ以外は重ねないで作ることが、FUNKISTの今のメッセージを色濃く表現できるんじゃないかなと思ったんです。
ヨシロウ:一個一個の音を強くすることで説得力が出るんですよね。
染谷:さっきも言った通り、子どもの頃に見てたミュージシャンがそういう人たちだったんですよね。父親が家で運指練習をしてて、ドレミファソラシドを弾いてるだけで引き込まれるんです。完璧な機材を揃えるんじゃなくて、ボロボロのジャズ・バーに落ちてるピックで適当なギターをジャンって弾いたら、宮田の音がするとか、ヨシロウの音がするとか、そういうギタリストはかっこいい。その意味では、「Bright」は引き算の音で勝負するっていう、音楽を始めたころの"こんな大人になりたいな"にちょっとは近づけた曲かもしれないです。
LIVE INFO
- 2025.10.09
-
キュウソネコカミ
Rei
OKAMOTO'S
終活クラブ
JON SPENCER
DOES
アイナ・ジ・エンド
感覚ピエロ
Hedigan's
Plastic Tree
羊文学
Kroi
- 2025.10.10
-
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
暴動クラブ × 大江慎也
Rei
SUPER BEAVER
ザ・シスターズハイ
KING BROTHERS
PEDRO
YOASOBI
moon drop
オレンジスパイニクラブ
OKAMOTO'S
the cabs
WHISPER OUT LOUD
FRONTIER BACKYARD
LEGO BIG MORL
JON SPENCER
NOMELON NOLEMON
a flood of circle
DOES
水曜日のカンパネラ
FOO FIGHTERS
キタニタツヤ
たかはしほのか(リーガルリリー)
ExWHYZ
MONOEYES
藤森元生(SAKANAMON)
大塚紗英
感覚ピエロ
ZAZEN BOYS×サニーデイ・サービス
East Of Eden
アーバンギャルド
JYOCHO
羊文学
小林私
THE SPELLBOUND
- 2025.10.11
-
終活クラブ
キュウソネコカミ
トンボコープ
Appare!
cinema staff
秋山黄色
YOASOBI
moon drop
コレサワ
OKAMOTO'S
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
KNOCK OUT MONKEY
INORAN
WtB
阿部真央
I Don't Like Mondays.
"京都音楽博覧会2025 in 梅小路公園"
KANA-BOON
ExWHYZ
FRONTIER BACKYARD
androp
カミナリグモ
brainchild's
フレデリック
envy × world's end girlfriend × bacho
"JUNE ROCK FESTIVAL 2025"
East Of Eden
Official髭男dism
藤沢アユミ
豆柴の大群
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.12
-
a flood of circle
キュウソネコカミ
SUPER BEAVER
WtB
キタニタツヤ
セックスマシーン!!
WESSION FESTIVAL 2025
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
INORAN
"京都音楽博覧会2025 in 梅小路公園"
Omoinotake
Bimi
ART-SCHOOL
Official髭男dism
eastern youth
なきごと
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.13
-
WtB
阿部真央
I Don't Like Mondays.
Awesome City Club
ExWHYZ
Appare!
The Biscats
brainchild's
Rei
OKAMOTO'S
秋山黄色
Age Factory
トンボコープ
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
"WESSION FESTIVAL 2025"
岡崎体育
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
シド
SCANDAL
cinema staff
Cody・Lee(李)
コレサワ
ネクライトーキー×ポップしなないで
リュックと添い寝ごはん
eastern youth
hockrockb
Omoinotake
Kroi
PIGGS
清 竜人25
Plastic Tree
ぜんぶ君のせいだ。
LiSA
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.14
-
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
ドミコ
THE ORAL CIGARETTES
Hump Back
Survive Said The Prophet × NEE
MONOEYES
ぜんぶ君のせいだ。
超☆社会的サンダル
go!go!vanillas
武瑠 × MAQIA
- 2025.10.15
-
ドミコ
LONGMAN
PEDRO
キュウソネコカミ
MONOEYES
打首獄門同好会
アカシック
HY × マカロニえんぴつ
ポルカドットスティングレイ
藤巻亮太
- 2025.10.16
-
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
YOASOBI
PEDRO
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
"Shimokitazawa SOUND CRUISING presents. サウクルラボ vol.1"
SCANDAL
SIX LOUNGE
brainchild's
- 2025.10.17
-
挫・人間
キュウソネコカミ
打首獄門同好会
アイナ・ジ・エンド
YOASOBI
a flood of circle
ズーカラデル
LONGMAN
chilldspot
otsumami feat.mikan
リュックと添い寝ごはん
コレサワ
神聖かまってちゃん
終活クラブ
NOMELON NOLEMON
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
フラワーカンパニーズ
SUPER BEAVER
東京スカパラダイスオーケストラ
BIGMAMA
Bimi
- 2025.10.18
-
TOKYOてふてふ
伊東歌詞太郎
挫・人間
シド
OKAMOTO'S
YONA YONA WEEKENDERS
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
アイナ・ジ・エンド
moon drop
RADWIMPS
キュウソネコカミ
ぜんぶ君のせいだ。
bokula.
the cabs
SWANKY DOGS
amazarashi
INORAN
WtB
osage
"LIVE AZUMA 2025"
カミナリグモ
Cody・Lee(李)
阿部真央
Newspeak
センチミリメンタル
東京スカパラダイスオーケストラ
Keishi Tanaka × 村松 拓
"ASAGIRI JAM'25"
ズーカラデル
I Don't Like Mondays.
Victoria(MÅNESKIN) ※振替公演
ロザリーナ
the paddles
神聖かまってちゃん
LACCO TOWER
星野源
- 2025.10.19
-
DYGL
リュックと添い寝ごはん
OKAMOTO'S
Age Factory
bokula.
ぜんぶ君のせいだ。
moon drop
コレサワ
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
SIX LOUNGE
リリカル / みじんこらっく / とにもかくにも / ティプシーズ / 台所きっちん
SUPER BEAVER
Laura day romance
WtB
Omoinotake
"LIVE AZUMA 2025"
Cody・Lee(李)
ビレッジマンズストア
SPRISE
伊東歌詞太郎
浪漫革命
LUCKY TAPES
ハンブレッダーズ / KANA-BOON / キュウソネコカミ / マカロニえんぴつ ほか
ネクライトーキー×ポップしなないで
Keishi Tanaka × 村松 拓
ナナヲアカリ
"ASAGIRI JAM'25"
高岩 遼
Sou
森 翼
SCANDAL
パピプペポは難しい
osage
星野源
PIGGS
- 2025.10.20
-
打首獄門同好会
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
TOKYOてふてふ
TenTwenty
- 2025.10.21
-
The fin.
神聖かまってちゃん
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
- 2025.10.22
-
ザ・シスターズハイ
打首獄門同好会
キュウソネコカミ
ハク。× YONLAPA
ザ・ダービーズ
MONOEYES
挫・人間
VOI SQUARE CAT
kiki vivi lily
RELEASE INFO
- 2025.10.09
- 2025.10.10
- 2025.10.11
- 2025.10.12
- 2025.10.13
- 2025.10.14
- 2025.10.15
- 2025.10.17
- 2025.10.19
- 2025.10.22
- 2025.10.24
- 2025.10.26
- 2025.10.29
- 2025.10.30
- 2025.10.31
- 2025.11.05
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
OASIS
Skream! 2025年09月号