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INTERVIEW

Japanese

CYNHN

2022年02月号掲載

CYNHN

メンバー:綾瀬 志希 月雲 ねる 百瀬 怜 青柳 透

インタビュアー:吉羽 さおり

ヴォーカル・ユニット、CYNHNの約2年7ヶ月ぶりのニュー・アルバム『Blue Cresc.(読み:ブルー・クレッシェンド)』が完成した。前アルバム『タブラチュア』からの間での既発シングル曲「水生」や「2時のパレード」、またEP『#0F4C81(読み:クラシック・ブルー)』収録曲などは、現4人で再録。ライヴで磨いてきた曲と、新たな扉を開いたよりポップでイマジネイティヴな曲や、また作曲や編曲をするクリエイター勢が実験性も交えながら4人の可能性を切り拓く曲で構成された『Blue Cresc.』は、CYNHNというグループの個性を高らかに告げる作品になっている。デビュー4年を迎え、コロナ禍での活動だけでなく、その道のりは平坦ではなかったけれど、一歩一歩丁寧に考え、色づけながら歩んでいる姿が見える。

-ついに2ndアルバム『Blue Cresc.』が完成しました。今回は、新曲はもちろん、既発曲などは現体制で新たにレコーディングした曲で構成されて、CYNHNの新たな可能性や地平が感じられる作品となりましたね。今、完成しての感触はいかがですか。

月雲:今までリリースしてきた曲を4人バージョンで再録音した曲が入っているので、今現在のCYNHNの集大成じゃないですけど、すべてを詰め込んだアルバムな気がします。

綾瀬:今までいろんな曲と一緒にステージに立ってきたんですけど、改めて自分たちが作ってきた作品をこの4人で歌って、またいろんな意味で新しい1本の道ができたなというのと、サウンド面で聞いてもオリジナルとはまた違ったいいところや、みんなライヴをしてきたなかで歌い方が変わってきたところもあったので、そんなところも含めて、新しい1枚だなって思いました。

青柳:CYNHNってどういうグループ? とか、これからCYNHNを詳しく知っていきたいなと興味を持ってくださった方も、このアルバムを手に入れたら、CYNHNってこういうグループなんだってわかりやすいかなと思います。

百瀬:CYNHNの4年間の総括という感じがします。シングルで出した曲とかは、当時いただいたときと、歌い直した今回のものでは深みが増した気がしますね。最初に録ったときと今では感じ方も違うし、聴いている人もきっと違っていると思うんです。そういう変化が面白いなって感じます。

-今回のレコーディングで表現的にトライしたことはありますか。

百瀬:私はまだそういうところが拙いのですが、当時よりも、もう少しみんなに届くように歌えればいいなと思って歌っていました。

月雲:当時レコーディングしたときは、新曲だから新しい状態、初めましての状態でレコーディングをしたけど、今回はライヴで何回も何回も歌ってきた曲を改めて録ることができたんです。ライヴでの感じを思い出しながら......振付と合わせて歌うことで変わってくるところもあるので、そこを意識しながらレコーディングでも同じように歌いました。4人になって新しく増えたパートもたくさんあって、私は「水生」ではBメロ部分が新しく増えたんです。そこはいつも、ライヴで踊りながら歌うと結構苦しい部分なんですけど(笑)。レコーディング・ブースでは踊らずに歌えるので、のびのびと歌えた気がします。

-綾瀬さんは今回のレコーディングで印象に残っている曲はありますか。

綾瀬:印象に残っていることは、たくさんありすぎるし悔しい思いも詰まっていますね。何度も何度もライヴで歌って、その都度考えてきたものばかりなので、どうしても今までの自分を超えたい意識が強すぎて。私、歌詞について細かく書き出すんです。自分が歌わないところも、歌詞のひとつひとつの意味をすべて1回書き出して、それで全体のバランスを見てこれはこうしたい、ここはエッジをかけたい、ここで息を送りたい、ここでブレスを取りたい、ここはリズムをしっかり取るとか、全部決めるんですよ。そういう作業全部がこのアルバムに詰まっているんです。特にできあがっていいなって思ったのが、「夜間飛行」で。最初にEP『#0F4C81』(2020年リリース)に収録されたときは、新しいニュアンスを出すというか......。

-EP『#0F4C81』は、メイン・ソングライター 渡辺 翔さんだけでなく、初めてのソングライターの方と組んだ作品でしたしね。「夜間飛行」は作詞が蒼山幸子さん、作曲と編曲がトオミヨウさんでした。

綾瀬:CYNHNがやらないようなニュアンスの曲だったので、初めてのときは拙い感じだったんです。でも、ライヴとかで歌っていくうちにどんどん、そういう部分が固まってきて。

青柳:自分のものになってきたよね。

綾瀬:そう。自分のものになった作品が今回できあがったなって。アルバムを聴いてすごくいいなと思いました。

-ライヴをするときも、思いついたことやもっとこうしたいなっていうことを書き留めていたりするんですか。

綾瀬:しますね。ステージに立つ前に必ず、自分で目標をひとつ決めて、今日はこうしてみよう、ああしてみようというのを遊びながらやっているので。成長が見えたらいいなと思ってやってます。

青柳:私はライヴ前に練習のときに、できてないところをメンバーに言ってもらうようにしていて。そこを意識するようにしています。

綾瀬:メモ取ったりしてるもんね。

青柳:何も考えずにやるよりも、その瞬間に次は注意するところって頭の中で思ってできたときは、クリアした感じがして。以前のライヴ映像とか、撮っていただいた映像を見返すと、やっぱり良くなっていってるし。4人それぞれ、自分たちのものになってる感じがするので。

-CYNHNの曲って難しいですよね。感情的にいってしまう曲もあれば、物語性のあるものやテクニカルな表現が必要な曲もあって、一曲一曲に繊細な作業が必要に思います。

青柳:そうですね。こうやりたいと思っても、自分は逆にうまくいかなくなってしまうこともあるので、考えすぎないようにしています。ライヴでスタッフさんとかが"今日、すごく良かったよ"って言ってくれた日は、意外と自分では、気負いすぎちゃってあまりうまくいかなかったなっていう日だったりもするんです。でも、他人から見て良かったという客観性も大事で。自分の感覚と、ほかの方が言ってくださった感覚をすり合わせて、このあたりがいいんだなっていうところに持っていけるようにはしています。

綾瀬:考え方がアスリート(笑)!

-(笑)百瀬さんはどうですか。

百瀬:透ちゃんと似ていて、私も気にしすぎるとおかしなことになってくるんですよ。プレッシャーにすっごく弱いんです。なので、あまり考えすぎないというのを念頭に置いてやっていますね。

-曲を貰ったとき、まずその曲をどのように捉えていく感じですか。

百瀬:自分は歌に対して拙い人間で、最初に曲をいただいたときにこれがどういう曲なのか? ってのが、なかなか自分と結びつけられないというか。乖離しているし、想像ができないことが多くて。それを、ライヴをしながら噛み砕いていく感じなんです。

-そこで3人からのアドバイスなどはあるんですか。

百瀬:3人が曲について喋っていることとか、"今回の曲ってこうだよね"っていうのに聞き耳を立てて──

月雲:そうだったの(笑)?

百瀬:なるほど、自分が考えていたところよりもう一歩先に3人は行っているんだなって、そこで理解を深めるとかしていて。

-さらにライヴを重ねるなかで曲を噛み砕いて、自分に染み込んでいく感覚ですかね。

百瀬:はい。本当は最初からそこに行きつきたいですけどね。

青柳:でも、そう考えると私はみんなと百瀬の中間くらいにいるかもしれない。

-そうやって試行錯誤しながらもライヴを重ねて磨いてきた曲を、今回改めて収録できるのがすごくいいですね。曲と向き合ってきた時間の深さがわかるし。

綾瀬:今みんなの話を聞いて、それぞれが違う感覚でその曲を噛み砕いているので、それがすごく心強いなって思いました。

青柳:私は、曲と自分が基本的には分離していて。小説の中の誰かのことを歌っているような気持ちだったんですけど、今回改めて「インディゴに沈む」を録ったとき、抜け出せなくなっちゃって。自分を重ねすぎちゃって苦しくなって、そういうのが初めてのことだったんです。これは最初のときにはなかったから、びっくりしましたね。

-それは歌い込んできたからこその体感ですね。

百瀬:「インディゴに沈む」はたしかに。私は今回、1回録ったものをもう1回録り直させてもらったんです。うまくいかなくて。そのあとほかの曲のレコーディングのときにちょっと早く終わったので、"この間録ったものをもう1回聴かせてください"って言いました。「インディゴに沈む」はちょっと大人っぽい感じの歌詞なのに、自分の歌は子供っぽいなと思っちゃって。もう1回録りたいですって、やらせてもらいました。

-自分から録り直したいと言ったことはこれまでもあったんですか。

百瀬:私はあまりなかったんですけど、ほかのメンバーが、納得いかなかったって別日に録り直しているのを見たことはあるんです。今回はどうしても納得いかなくて、初めてかもしれないですが、録り直させてもらいました。