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INTERVIEW

Japanese

ザ・コインロッカーズ

2020年06月号掲載

ザ・コインロッカーズ

Member:宇都宮 未来(Vo) 下島 輝星(Gt) Яuu(Ba) 松本 璃奈(Dr/Vo/Ba)

Interviewer:宮﨑 大樹

結成当初から目標としていたZepp Tokyoワンマン公演のソールド・アウトを惜しくも達成できず、38人→13人へと再編成して新たなスタートを切った、秋元 康プロデュースによるガールズ・バンド・プロジェクト、ザ・コインロッカーズ。彼女たちが、2ndシングル『僕はしあわせなのか?』を完成させた。Skream!では、宇都宮未来、下島輝星、Яuu、松本璃奈の4人へインタビューを実施。早くも新生ザ・コインロッカーズの代表曲となりそうな表題曲と、形態ごとに収録されたカラーの異なるカップリング、そして今回のリニューアルに対する想いについて訊いた。


気持ちさえ同じ方向に向かっていれば、ザ・コインロッカーズというブランドができる


-ザ・コインロッカーズが38人→13人の新体制となりました。プロジェクトをリニューアルするきっかけになったのはZepp Tokyo公演のソールド・アウト未達成にはなるのですが、実際のところお客さんはかなり入ってましたよね。

宇都宮:そうですね(笑)。甘えたことを言うと、結構人が入っていたなって。自分たちを観に来た方だけがぎゅうぎゅうに詰まっているライヴハウスを見ることができたことと、憧れのZeppに立てたというのは、人生の宝になるというか、すごくいい経験になりました。

下島:ザ・コインロッカーズの最初の目標としてはZepp Tokyoの満員だったんですけど、実際それは達成できなくて、失敗という形にはなりました。だけど、ライヴは絶対に失敗じゃなくて。ここまでみんながひとつになれたライヴっていう意味では、個人的には成功したライヴだったと思いたいですね。

宇都宮:その日まではすごく落ち込んでいたり、急な展開についていけなかったりしていたんですけど、当日はいなくなっちゃう25人のメンバーもそのライヴだけは前向きに、"一生に一度のものだから成功させよう"って言ってくれて。それで、残った13人も前を向くことができて、その日は全員がただただライヴを楽しむことができました。

松本:いなくなる25人のメンバーとはこれで最後って思えなくて、また会える気がしていましたね。

-今回のリニューアルについては、率直にどう受け止めていました?

Яuu:やるせないというか、Zeppも含めて一般的には結果を残せなかったっていうことになるし、"残念だな"っていうのが最初に思った私の正直な気持ちですね。

下島:リニューアルの話を聞いて、ここまで崖っぷちだったんだなって改めて感じました。今自分が残っている立場だからこういうことを言っているわけではないんですけど、そういう世界に望んで入ったのだから、受け入れないといけないんだなって思って。

松本:危機感を持って1年間やってきたつもりだけど、持っていなかった部分もあって。今回のことを機に、常に崖っぷちに立たされているっていう気持ちを忘れずに活動していくのが大事なんだなっていうのは感じました。

-今回の新体制は、2年という活動期間の中で日本武道館を目指していくんですよね。

松本:2年間で武道館っていうのは気持ちと言葉だけじゃ無理な部分もあるので、1日1日の自分の過ごし方を見つめ直して、毎日グレードアップすることで、2年後には武道館に立つのに相応しいグループになれればなと思っています。

Яuu:武道館に立つってさらっと出たんですけど、よく考えたら10年、20年やっていても武道館に立てないアーティストさんもいるわけじゃないですか? その人たちより倍の倍の倍の倍くらい努力しないと無理だと思うんですよ。人の心を掴むってすごく難しいことやと思うから、その点も含めてみんなの気持ちを一点に集中させて、全力で一生懸命頑張りたいなっていうのはあります。

-さらに"ガールズバンドアイドル"としてやっていくことも発表されましたよね。特にЯuuさんは"アイドル"と付くことに抵抗を感じていたようでした。

Яuu:そうですね(笑)。18年間生きてきて、触れることがなかった世界。私は一生やらへんのやろなって思っていたので、最初は"マジか!?"みたいな(笑)。でも、スタッフさんやメンバーの話を聞きつつ、私は私、他の子は他の子っていう考え方に今は着地したんです。私は無理にそっちに合わせすぎなくてもいいんじゃないかなっていうのはあります。やっぱり自分は自分でしかないし、カッコいいロックな感じとかも、13人の中で私しかいないかなって。そこが自分の強みだと思っているので、自分を尊重してあげたいっていうのが自分の気持ちです。

宇都宮:もともとかわいらしい性格の子や個性を持っている子もいるのに、 "バンド"="バンド"としてしまったのがこの1年間であったと思うんです。"アイドル"って入ることによって、"自分はバンドとしてやらなきゃ"っていう意識もいい感じにほどけたというか、個々が自分の個性を出しやすい環境になったのかなと。

下島:かわいらしいアイドルな人がいてもいいし、Яuuちゃんみたいにロックなカッコいい人がいてもいい(笑)。気持ちさえ同じ方向に向かっていれば、ザ・コインロッカーズというブランドができると思うんです。

-松本さんはキャプテンとして全体を見てきていると思うんですけど、"ガールズバンドアイドル"について、どう捉えてました?

松本:自分は中学のときにアイドルのオーディションを受けていて、高校生になって軽音をやりだして、ある意味両方の要素を持っているとは思っているんですよ。私自身は"ガールズバンドアイドル"でも全然大丈夫っていう感じではありました。周りからは人数が多いだけでアイドルって見られがちではあったけど、ライヴとかは完全にバンドで、今まではバンド要素が強かったんです。それが正式に"ガールズバンドアイドル"って肯定されたというか。アイドル的な要素で言うと、アイドルって元気を与える存在じゃないですか? それをバンドっていう形でも表現できたらいいなという感じです。

-"ガールズバンドアイドル"っていう新しいものを作ろうとしているわけですけど、目指していくグループ像みたいなものはあるんですか?

松本:最終的にはみんなの個性が出ていることが一番なのかな?

Яuu:憧れられる存在になりたいかなって思っていて。

宇都宮:そうだね。今までにないジャンルだから、模索しながらやっていけばザ・コインロッカーズらしいものが何かできるはずなので、その着地点を探っていって、ザ・コインロッカーズでしかできないことをやりたいですね。

-実際、新体制としてスタートしてみての苦労や手応えはどうですか? ドラムが3人(松本璃奈、成澤愛実、森 ふた葉)いるとか、難しい部分もあると思うんですけど。

宇都宮:楽器が多いぶん、音が合わないっていうのはやっぱりあって。想像していたよりはまとまっているけど、ドラムが合わないとか問題点はあります。でも、やっていくうちに形になってきているというか、そこに希望の光を感じてます。

-リズム隊は難しいでしょうね。

Яuu:大変です(笑)。ベースは私ひとりなので合わせにいけばいいだけなんですけど、ドラムが3人いて、横で聴いていると"あぁ~、ずれてる"って思うことが......。そこが大変そうだなって思って弾いています。

-合わせることとグルーヴ感の両立っていうのはポイントになりそうです。

Яuu:リズムの軸がぶれちゃうと上物がバラバラになっていくので、そこさえ合っていれば......なのでなんとか頑張ろうと思います!

宇都宮:音に関しては不安もあるんですけど、13人の一体感は出ています。「僕はしあわせなのか?」ではサビを13人で歌わせていただいていて、みんなで歌っている楽しい軽音部感っていうテーマにも合っていますし、13人でひとつになって楽しんでいる感は出ているのですごくいいなと思います。

-ちなみにTOKYO MXで放送されていた"ロッカーに何、入れる?"(ザ・コインロッカーズYouTubeチャンネルにて期間限定公開中)ではメンバー自身でライヴハウスに電話をして出演を交渉している場面もありましたね。

下島:1stシングル(2019年リリースの『憂鬱な空が好きなんだ』)のときは、普通のバンドマンとしてのステップを飛ばしてやっていたので、初心に戻ってという気持ちでやっていました。

宇都宮:やってみて、1年間甘えてきていたんだなっていうのが目に見えてわかったというか。大変なことがあるのを知らずに表に出て、自分たちは頑張っているつもりだったけど頑張りきれてなかったというか、そういう部分はすごく見えてきました。そこを反省して2年目に生かしたいなと思っています。

-また、ゲリラ・ライヴも開催していましたね。

松本:ゲリラ・ライヴはソラマチとららぽーとで2回やらせていただいたんです。1stシングルの表題曲をドラマ主題歌に選んでいただいていたっていうこともあって、その曲は知っているけど、ザ・コインロッカーズを知っている人は全然いない感じで。秋元 康さんがプロデュースしているグループだけど、全然知られてなかったんだなっていうのを痛感しました。

宇都宮:1stシングルの曲を聴いたりドラマの名前を聞いたりして、"あっ、知ってる"ってなる方もいるので、1年前のこととはいえ、自分たちがやらせていただいたことが武器になるんだなっていうのは思いましたね。