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INTERVIEW

Japanese

ザ・コインロッカーズ

2020年06月号掲載

ザ・コインロッカーズ

Member:宇都宮 未来(Vo) 下島 輝星(Gt) Яuu(Ba) 松本 璃奈(Dr/Vo/Ba)

Interviewer:宮﨑 大樹

-さて、そんな1stシングルに続いて、2ndシングル『僕はしあわせなのか?』が完成しました。これまでは曲ごとに選抜されたメンバーでのレコーディングだったのかと思うんですけど、今回のレコーディングはどうやって進めていったんですか?

Яuu:曲によってレコーディング・メンバーが違うんですけど、「僕はしあわせなのか?」は全員でやっています。ドラムも3つ、キーボードも3つとか。

-13人で録っていても散らかっている印象はないですよね。

宇都宮:そうなんですよ。弾いているところもまったく同じフレーズを弾いているわけではなく、キーボードだと3パターンに分かれていて、音の厚みがすごくありますよね。

-新生ザ・コインロッカーズの武器は13人による音の厚みになりそうです。

Яuu:ちょっとオーケストラチックというか、そういう感じに見えますね。見た目的にも音的にも。

-表題曲「僕はしあわせなのか?」は、軽快なバンド・サウンドと、切なく揺れる恋心を投影したようなメロディ・ラインが印象的な1曲です。飾らない言葉で綴られた歌詞は、広く長くリスナーのもとへ届いていきそうで、新生ザ・コインロッカーズを代表するような曲になりそうですね。

宇都宮:新体制のザ・コインロッカーズの1発目には相応しいというか。見た目も白と青にチェンジして、「僕はしあわせなのか?」の爽やかでエモい雰囲気とマッチしているし、リニューアル感が出て、いい感じに踏み出せているんじゃないかなって。

松本:この曲は去年の10月から演奏させていただいているんですけど、そのときやっていた「僕はしあわせなのか?」よりも音の厚みがあったりとか、メロディが増えていたりして、再スタートして生まれ変わった曲です。1stのときの"バンドしてます!"みたいな見た目からは一変して、軽音部のみんなが放課後に集まって、というニュアンスが入っています。

下島:今回の「僕はしあわせなのか?」は問い掛けているイメージで。歌詞は恋愛の歌詞なんですけど、恋愛だけじゃなくて、私たちのことを歌った曲のようにも受け取れるし、いろんな受け取り方ができる曲だなと思っています。

Яuu:ちょっとセンチメンタルで、"あれ? これ10代の女の子が歌うんかな?"っていう感じの歌詞なので、そこにも意味があるのかなって。"ちょっと暗めの歌詞を10代の若い女の子が歌うのってどういう意味なんかなぁ?"とか、そういうのをいっぱい考えられる曲ですね。

-先ほど話に出たように、全員が歌唱しているパートもありますね。

下島:はい。サビとラストのコーラス部分です。

宇都宮:Aメロ、Bメロはヴォーカルだけで歌っているんですけど、サビで莫大な風が吹く感じというか、曲に合った爽やかな感じがするのですごく好きですね。

-各パートは、どういうアプローチをしていったんですか?

Яuu:ベースは、いただいたアレンジを踏まえてもうちょっと遊べるなと思って、ちょっと自分のフレーズを......ちょっとかな? だいぶかな(笑)? もうちょっと私っぽさを出せるかなっていうのがあったので半分弱くらい変えて。ベースを8年やってきて、こだわりも結構あったので、"ヴォーカルがここを歌っているから、ベースはここを弾いたらめちゃくちゃきれいなんじゃないか?"とか、"ドラムが3つあるからあんまり低音で弾かんほうがいいな"とか、そういうのをすごく意識して「僕はしあわせなのか?」のベース・ラインを作りました。

下島:エレキ・ギターは3人(下島輝星、絹本夏海、HANNA)いるんですけど、ひとりはリードで、もうひとりはバッキングで、私の場合はこの曲に関してはどっちもやっていく感じでした。今回はソロのところをもうひとりのリードのHANNAちゃんと一緒に、ハモリソロで背中を合わせて弾いたりして。ソロのレコーディングも初めてだったので、すごく嬉しかったです。

宇都宮:ヴォーカルは、私にとっても、同じヴォーカルの船井(美玖)にとってもキーが高くて。でも、この楽曲には高く透き通った、響く声がすごく重要なんです。10月に演奏したときにはもしかしたら歌えてなかったかもしれないんですけど、この半年くらいで何十回も歌ってきて、自分なりの声の出し方だったりとか響かせ方だったりをすごく研究してきたので、サビになった瞬間にくる爽快感を感じてもらいたいですね。

松本:今回は3人もドラムがいるから、ひとりずつの音は小さくなっているんですけど、よくよく聴いたらそれぞれのシンバルを叩く位置とか、私は叩いてないところをふた葉が叩いてるとか違いがあるんです。小さいところですけど、みんなが違う叩き方をしているところも聴いてほしいポイントになっています。

-今回は形態によってカップリング曲が異なりますけど、どれも「僕はしあわせなのか?」とはカラーの異なる曲になっています。例えば「コインロッカーの中身」(通常盤収録曲)は、青春パンク調の1曲で。

宇都宮:「僕はしあわせなのか?」で恋を楽しんでいる自分とは裏腹に、10代が持つ尖った部分というか、強がった自分も見せられているので、そういう部分も楽しんでもらえるのかなと思います。

Яuu:「僕はしあわせなのか?」を聴いて、じゃあ次の曲を聴こうと思ったら"あ、こんなんもやるの?"って、いい意味で期待を裏切る感じに聴いてもらえたら嬉しいですね。女の子たちが"俺"とか言って、突っかかるようなギャップがすごいなって思います。

宇都宮:この感情は演じているわけではなくて、自分たちの中にあるものを前面に出しているので、そういう部分にも注目してもらいたいです。

Яuu:尖ってるもんね、うちら(笑)。

-(笑)「孤独でいることに慣れてしまった」(初回限定盤A収録曲)は、しっとりと歌い上げるミドル・チューンです。

松本:ザ・コインロッカーズの曲でも重めで、新しい一面を見せられていると思います。この曲ではベース・ヴォーカルをやらせていただいてるんですけど、ベース自体は初めてのレコーディングで、ベースのミニ・ソロみたいなのは緊張しながらやりました。ヴォーカルに関しては自分自身にすごく当てはまる歌詞ですね。私ってひとりで考え込むことが多いんですけど、最近の若い子でもネットとかで孤独に感じることが多いと思うんですよ。それこそ同世代の方にも聴いてほしいですね。

下島:初めてリード・ギターをレコーディングさせてもらって、ソロは何回も何回も録り直して収録させてもらっているのでぜひ注目してほしいです。

-そして「マジでピンと」(初回限定盤B収録曲)は王道アイドル・ソング風ですね。

宇都宮:歌詞の内容がすごくピュアでかわいい。4曲共通していいなと思うのが、どの感情もみんな持っているものっていうところで。この子たちはこういう感情しかないっていうのじゃなくて、いろんな感情があって、その引き出しをいろんな曲で出しているっていうのがいいなと思っています。ザ・コインロッカーズって、本当に多方面の曲でいけるなって。

下島:今回のシングルってロック、ポップ、バラード、エモさとか、5角形みたいなのを作ろうとしたらきれいなホームベースができあがるんですよ。いろんな音楽が楽しめるんじゃないかなって思います。

-先ほどはアイドル・ソング風とは言いましたけど、演奏の聴きどころも多くて。

Яuu:サウンド的には初めてのスカ・チューンっぽい、夏に聴きたい感じになっています。前からスカをやりたかったので、弾いているほうも楽しいし、お客さんもきっと楽しいと思いますね。早くライヴでやりたいっていう気持ちが一番ある曲かもしれないです。

-ライヴを行うのが難しい時期になっていますけど、新生ザ・コインロッカーズとしてこれからやっていきたいことはありますか?

Яuu:私はロック・フェスに出たいです。小さいころから音楽が周りにいっぱいあったし、バンドで育ってきたっていうのもあるので、憧れの人たちと同じステージに立つことに一番熱い想いを持っていますね。

宇都宮:いただいたチャンスでどんどん自分たちのことをアピールして、ザ・コインロッカーズの良さを広めていって、そこからフェスやテレビなどいろんなグループに目撃してもらえるグループにしていきたいです。

下島:チャンスをね、しっかりものにしていきたい。いかに爪痕を残すか。何かしよう!もうね、バズればいいの(笑)!

一同:(笑)

松本:自分たちの番組("ロッカーに何、入れる?")が今後、GYAO!とYouTubeで配信されるようになるので、演奏以外の面でもそれぞれのキャラクターをもうちょっと出せたらなと。私個人としての目標みたいな面では、演技とかそういうものにも興味を持ち始めているので、そうやって個人が他のお仕事をちょっとずつでも貰えるように踏み出せたらなと思います。