Japanese
Ryu Matsuyama
2020年06月号掲載
メンバー:Ryu(Pf/Vo)
インタビュアー:稲垣 遥
イタリア生まれ、イタリア育ちのRyu率いるピアノ3ピース・バンド、Ryu Matsuyama。彼らの2年ぶりのアルバム『Borderland』は、プロデューサーにmabanua(Ovall)を迎え、彼との共作曲や、塩塚モエカ(羊文学)がゲスト・ヴォーカルとして参加した曲も収録。さらに、グラミー賞受賞作にも多数携わってきたJoe LaPortaが、NYからマスタリング・エンジニアとして参加するなど、バンドとして様々なことに挑戦した意欲作になった。今回は、そんな新たな風が吹く1枚を完成させたばかりのRyuにオンラインでの単独インタビューを実施。話を訊いてみると、数々の挑戦の中で得たものはとても大きかったようだ。
-今作は、これまで以上にスケール感があって、しっかりとひとつひとつの景色をいろんなアングルから見ている感覚でした。2年ぶりのアルバムでしたが、制作段階で"こういう作品を作ろう"というイメージはあったんですか?
誰かプロデューサーを入れてやってみたいなって思っていて、mabanua(Ovall)さんに相談させてもらったのが始まりです。30~40曲ぐらいあったデモ・トラックの中から、一緒に選曲して。レコーディングしていくなかで、こういうストーリーラインでいこうかなと決めていったという感じでした。
-mabanuaさんとは対談企画がきっかけで知り合ったということですが、mabanuaさんがプロデュースされることになった経緯を教えてください。
そうですね。対談で、気が合ったって言うと先輩に失礼かもしれないですけど、話もすごく面白くて、近い風景を見ている感じがして。mabanuaさんは第一線のアーティストをプロデュースしつつ、プレイヤーとしても活躍されるっていうのがあって。僕らのアイディアが凝り固まってきてた部分もあったので、何か新鮮なことができたらと思ってmabanuaさんにお願いしました。
-マスタリング・エンジニアにはニューヨークのJoe LaPortaさんをお迎えしていますが、こちらはどういう経緯でお願いされたんですか?
自分たちの作品で、海外マスタリングするとどうなるんだろう? とずっと思っていて。エンジニアの西川陽介さんに何人かオススメ候補を貰ったんです。その中でJoe LaPortaさんがいて。彼は、日本人アーティストも手掛けていて、日本的な音楽を理解したうえで、海外のサウンドを取り入れてくれるのではないかなぁと思ってオファーしました。念願の海外マスタリングだったので、本人にお会いできなかったですがひとつ夢が叶いました。
-そうなんですね。収録曲「Blackout」では、mabanuaさんと共作も行われていますが、これはアルバムを作っていくなかでできたんですか?
そうですね、せっかくmabanuaさんとできるのであれば、1曲一緒に作れたらと思ってて、そのなかでできたのが「Blackout」でした。
-キーボードが響く、柔らかく浮遊感のあるスタートですが、徐々にベースがかなり効いたダンス・サウンドに表情を変えていくのが、盛り上がりがあってすごくカッコいいです。
良かったです。mabanuaさんが初めに曲のデモを送ってくれたとき、mabanuaさんらしいフレーズだな、ここにどうやって自分っぽさを入れられるかなぁって悩んで。でも、やってみたら案外自分っぽさも出るんだなぁとわかってきて。いい感じにブレンドされて、今までRyu Matsuyamaにはなかったジャンルの曲になりましたね。
-2年前の1stアルバム『Between Night and Day』のときは、Jackson(Dr/Cho)さんがハンドパンを使ったり、Tsuru(Ba/Cho)さんが変わったエフェクトを掛けたり、いろんな楽器を使うことにハマっているとおっしゃっていましたが、今回はいかがでしたか?
もちろん僕らも音一個一個にはこだわってますが、今回はどっちかっていうと、mabanuaさんが、僕らが見えている景色を厚くしてくれている感じですかね。アレンジで、いろんな音をどうやって足すかっていうのは、mabanuaさんのアイディアでした。
-でも、それだけmabanuaさんに絶対的な信頼というか、任せようということだったんですね。
そうですね、僕ら3人の中で"これがいい"と感じるものが、いつの間にか似てきちゃってて、"Ryu Matsuyamaってこうでしょ?"みたいなアイディアが凝り固まってきていたので。今回は"委ねてみよう"という感じが大きかったかもしれないです。どういうアイディアでくるのかわからないけども、1回信頼して1枚録ってみるのもいいんじゃないかなと思って。蓋を開けたら、すごくいいアレンジがきて"おぉー!"みたいな。"あぁ、こういうアプローチでやればいいんだなぁ"と非常に勉強になりました。
-そして、今回新しい試みがもうひとつあって。初めてゲスト・ヴォーカルを迎えた曲がありますね。この羊文学の塩塚モエカさんを迎えた「愛して、愛され feat. 塩塚モエカ」は、もともとゲスト・ヴォーカルを迎える曲として作られたんですか?
制作中に"女性ヴォーカルを入れたら面白いだろうな"ってアイディアが出てきて。今までやったことがなかったですが、自分の書いた曲を人が歌ったらどうなるんだろうっていう興味もあったので、いい経験になりました。
-どういうふうに塩塚さんが選ばれたんですか?
こういう人が合うだろうっていうリストを作ってみんなで聴いてみて、最初に選ばれたのが塩塚さんでしたね。
-もともと繋がりがあったんですか?
いえ、ただ音源聴かせてもらって"あ、この人いい声だな~"って。
-Ryuさんのハイトーンと塩塚さんのハスキーな歌声の対比が聴いていても面白かったです。実際レコーディングは一緒にされたんですか?
はい、一緒に。いつも男ばっかりのレコーディング・スタジオに、塩塚さん、女性が来てくれるだけでちょっと幸せな気持ちになって(笑)さらに歌を入れると、曲の新しい一面を引き出してくれたので。ディレクションも彼女なりに歌ってもらって、あとはタイミングをちょっと修正するぐらいで。あとは全部お任せてやってもらったのに、さすがだなぁと思います。
-この曲、日本語詞のバラードなのに驚きました。
そうですね。これ4~5年前に書いていた曲で、バンドで体現するのがちょっと難しかった曲なので、このタイミングで出せて良かったな~と思います。結構なラヴ・ソングになってるんですけど、30歳超えて恥ずかしい感覚がなくなってきたので、ようやく出せたな~と。
-今だから歌えたということですか?
前回の配信限定のEP(2019年リリースの『back & forth』)が全部ラヴ・ソングだったので、そういうタイミングもあったかもですね。前回のEPと繋げてくれるような橋渡しの曲になりました。
-これまでも日本語の曲はありましたが、タイトルまで日本語というのは初めてですよね。
初ですね。ここまでストレートなタイトルを付けるのは恥ずかしいですけど、いい曲です(笑)。
-歌詞でも、"一匹"と書いて"ひとり"と歌うとか――
あっそれは、僕は当時ラヴ・ソングとして書いたつもりはなくて。
-そうなんですか。
そうなんです。実は、蝉が夏にずっと鳴いているのをイメージして作った曲で。蝉って雄しか鳴かないんですけど、雄の蝉の気持ちになって"名前を呼んでくれ"みたいな、比喩的な曲なんですよ。歌詞を書いていた当時は、深く考えすぎちゃって、そういうのを普通の愛として捉えられなかったんじゃないかなって。だから、昔の歌詞を振り返るいいタイミングになったんじゃないかなって思ってるし、今出せて良かったなと感じます。
-「No. One」でも"because we're creatures,(なぜなら私たちはイキモノだから)"という歌詞があって、そういうどこか生き物としての定めのような描き方をされているのが、より切ないなと思っていました。
「No. One」も結構動物的な、衝動的なもので、ライオンの雄って動物学的に群れの一番になるしかないっていうか、自ずと戦って一番を決めるために生きるというのがあると思うんですけど、僕、そういうのが好きで。動物的なものって人間の中にもあるんだなと思いながら生きているので、それを歌詞の中に出せたらと思ってます。ただ、そこまで深読みしないように、できるだけシンプルに、僕らが"No. One"になりたいんじゃないかなと考えるようになりました。
-そうですね。メッセージ自体はすごくシンプルなんですけど、歌詞を読んでみると少し気になるなってところがあったりして。
そう。"No. One"のくせに結構皮肉ってる部分があるので。これは自己暗示だとか、No. Oneは今夜だけなのかよ、みたいな(笑)。そういう皮肉っぽさも伝われば面白いかなと。
-そして、リード曲が「Go Through, Grow Through」。こちらは大地を踏みしめるようなリズムと、希望の象徴のようなブラスが印象的でした。この曲はどういうイメージで作っていったんですか?
これも実は3年前ぐらいに書いた曲ですね。当時、ネガティヴなことばかり歌詞にしていた自分がいて、でも単純に応援するだけでもいいんじゃないかなと思って。ネガティヴなことも人生にはもちろんありますけど、頑張っていこうって思えるだけでも希望になるんじゃないかなぁと思ったときに書けました。今の時期だからこそ出せて良かったと思います。
-タイトルも、歌詞も、強い意志が伝わってくるような感じがありました。
なんか、僕"前に進めよ"みたいな、何かを貫く感じが好きなのかもしれないです。壁をぶち破っていく感覚みたいな。昔っから、"run"とかもそうですけど、"Go Through"っていう何かを突き破って殻から出ていけよっていう感じが好きですね。
-また、「Boy」はライヴではすでに披露されていて、今回初音源化なんですね。
そうですね。僕らは新曲とかを考えずにライヴでやっていっちゃうので。個人的にはこれが推し曲で、歌詞と楽曲は今までのRyu Matsuyamaを体現した曲ですね。
-そうですね。このRyu Matsuyamaらしい曲があって、次の曲から新しい風がどんどん吹いていくというのは聴いていて、どんどん引き込まれていく感じはありました。
嬉しいです。曲順については結構考えました。今の時代、配信などで単曲で聴かれることも多いのであんまり関係ないのかもしれませんが、CDとして1枚の作品にするのであれば曲順っていうのは大切なので。曲順は、最後の最後まで迷いつつ、"こうしましょう"と決めましたね。聴きやすさを意識して、こういう流れでいったらいいなというのができたかなと。
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