Japanese
Ryu Matsuyama / UQiYO / THE TURQUOISE / hello glasgow(O.A.)
Skream! マガジン 2017年07月号掲載
2017.06.11 @下北沢LIVEHOLIC
Writer 滝沢 真優
オープニング・アクトを務めたのは、東京を拠点に活動中のエレクトロ・ポップ・サウンドを奏でるhello glasgow。小柄で華奢な見た目とは反するHidekazu Suzukiのマイルドで深みのある声色で始まった「You」に続き、デジタル・サウンドを取り入れた「efs」でアイデンティティを放つ。続くMCでは、"LIVEHOLICは僕たちのホームだと思ってますっ!!"とAtsushi Koizumiが驚くような威勢のある声で発し、一同を笑わせてみせる。そんな茶目っ気のある彼らとは一変、メロウネスに富んだ「touched」、「three」とまるで風のように奏でていった。今夜は音楽を心の奥底から堪能したいと思わせるスタートだった。
続いて赤く灯されたステージに颯爽と現れたのは、THE TURQUOISE。1曲目から「Sing it To Me One Last Time」で豪快なギター・リフを炸裂させたかと思えば、「Change the World」ではドラマチックに歌ってみせてオーディエンスを一気に包み込む。"日曜の夜を存分に楽しんで帰ってね"と言い、「Flowers in the Shadow」でへヴィなギター・サウンドと切なく艶めいたヴォーカルを聴かせ、フロアの興奮を爆発させた。さらに加速させるかのように、ハンドクラップで始まった「Don't Stop the Musik!」で圧倒的な存在感を示し、次々と楽曲を披露。彼らは、我々を完全にノックアウトしていった。

そして、日常を心地よい非日常にいざなうUQiYOがステージへ。静寂なピアノ・サウンドで「intro」を奏で、ハリウッド映画のオープニングのように壮大なサウンドで夢のような空間を創り上げる。"6月なので、「June」という曲をやります"とエメラルドの光の中、神秘的で透明な歌声とともに物語は進んでいく。さらに、"音楽を通して実験的なことをやり楽しんでいる、それがUQiYOです"と言い放ち、緻密なリズムでその言葉を体現するような「Sl(n)ow Land」を披露。Yuqiの歌声はまるで音の一環かのように身体の奥底まで染み渡っていき、ただただファンタジックで恍惚のひとときだった。

ラストを飾ったのは、イタリア生まれ イタリア育ちのRyu(Pf/Vo)率いるピアノ3ピース・バンド Ryu Matsuyama。Ryuの幻惑的なウィスパー・ヴォイスで「Paper Planes」を披露し、一瞬にして観るものを虜に。さらにオーディエンスを惹きつけるかのように、"風景と感情とともにみなさんをいろんなところに連れていけたら嬉しいなと思います"と伝え、壮大なサウンドの「In this Woods」を奏で幻想的な音世界へと導いていった。アンコールは3人で始動後、最初に作られた楽曲「Child」。"子供っぽさを忘れたくない"、そう思い音楽を続けるRyu Matsuyamaのサウンドスケープが果てしないのは、メンバー3人がそれぞれ主張しすぎず見事にアンサンブルになっているからだと納得。オレンジ色の光に灯され、額に汗を垂らしながらエモーショナルにラストまで演奏する姿は、いつまでも胸に深い余韻を残していった。
東京・下北沢の地で繰り広げられた今夜のステージは、海外インディー・シーンの影響を取り入れたhello glasgow、US&UK的サウンドを奏でるTHE TURQUOISE、実験的なサウンドで非日常にいざなうUQiYO、ジャンル/国籍を超えたエモーションを放つRyu Matsuyamaという4組が紡ぐ多彩なサウンドにより、気づけばグローバルな空間へと変わっていた。
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