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INTERVIEW

Japanese

H△G

 

H△G

Member:Chiho(Vo) Yuta(Gt) Shoko(DJ) Yukihito(Ba) Masataka(Dr)

Interviewer:蜂須賀 ちなみ

『桜流星群』、『流星ダイアリー』、『もっともっと遠くへ』と今年3月から精力的にデジタル・リリースを行っているH△G。このたび8月28日にリリースとなる『宵待ち花火』は、花火大会を舞台にした男女の恋模様を描いた曲。夏の恋ならではの甘酸っぱさと儚さが詰まった作品で、聴く人を選ばず"あの夏"を思い起こさせるような純度の高さがある。今回Skream!では、実演メンバーの5人にメール・インタビューを敢行。『青色フィルム』リリース以降のH△Gの活動を振り返ってもらいつつ、『宵待ち花火』について、そして今後の活動について話を訊いた。

-『青色フィルム』(2018年のメジャー1stアルバム)リリース後には初のワンマン・ツアー"春色フィルム"を開催しましたが、実際にやってみていかがでしたか?

Chiho:今思い返してみても記憶の中で色濃く残っている場面が多いですね。(『青色フィルム』は)"卒業"をテーマにした曲たちを詰め込んだアルバムで、縁のある人たちからも同じテーマで楽曲提供してもらいましたし、その頃、H△G自体まさに"卒業"のような大きな変化を迎えていて、いろいろなことに挑戦していました。そのいろいろな挑戦の答え合わせをするような気持ちでライヴに向かってた気がします。不安もあったんですけど、いざライヴが始まって、いつもの温かい雰囲気で迎えてくれるファンのみんなの顔がステージから見えたとき、硬かった自分の顔が緩んでいくのがわかりました。

Yuta:どんな反応がくるのかという不安も大きかったのですが、"みんなが待ってくれている"ということを確かに感じることができたツアーでした。H△Gはライヴの本数が少ないですし、応援してくれるみなさんの反応を直に感じられる機会が少ないので、このツアーはとても贅沢な時間でしたね。

Shoko:H△Gらしさを凝縮したライヴになったと思います。いろいろな人とコラボしたり、テーマに合わせて楽曲提供をしたり、昔と比べたら楽曲の雰囲気も多種多様になってきてると思うんですが、"それでも昔から変わらず大切にしていたものはこれなんだよ"っていうのを、しっかり伝えられたんじゃないかなって感じますね。

Yukihito:これまでよりも演奏時間が長いことで、盛り上げや聴かせどころなど、丁寧に組み上げていくことができて、H△Gが表現したかったものをよりハッキリとお見せできたツアーだったと思います。

Masataka:こんなにもたくさんの人に支えられていることとか、観客のみなさんが笑顔になっていることとか、すべてに感動したのを覚えています。あと、それを実現できるH△Gのメンバーのみんなも本当にすごいんだなと思って、裏方のメンバーから演奏メンバーのみんなまで全員、改めて尊敬しました。

-2019年3月のワンマン("「銀河鉄道の夜を越えて」× 声劇「月とライカと吸血姫 (星町編)」")も新たな試みだったかと思います。

Chiho:いつものライヴとは段取りが違う部分も多くて、発見もたくさんありましたね。物語に沿って曲が進んでいくんですが、"月とライカと吸血姫"の牧野(圭祐)先生の書かれる脚本が素晴らしすぎて......。H△Gをずいぶん前から知ってくださっていて、愛を感じましたね。震えました。ふたりの主人公の声を演じてくださった伊達朱里紗さんと天海由梨奈さんもほんとに素晴らしくて、リハで初めておふたりの声を聞いたとき、鳥肌が止まりませんでしたね。本番は、歌いながら泣きそうになってしまう場面も。いつも以上にそれぞれの曲に気持ちが入りました。

Yuta:劇のひとつひとつの場面の終わりに、僕らが1曲ずつ演奏していくスタイルで展開されていったのですが、物語の進行に合わせて声優さんの演技も熱くなっていき、それにつられるように僕らの演奏もどんどん熱くなっていって......。この"一緒に劇を作っている"という感覚がとても新しかったです。当然自分たちだけではこの1日は作れなかったですし、同時にH△Gの楽曲表現の新たな可能性を感じることができた公演でした。

Shoko:"楽曲"を聴くことでストーリーに奥行きが出る、"声劇"を聴くことで楽曲に感情が出るっていうのをすごく感じました。実際にステージに立って演奏している最中に、自分の中で新たな扉が開いていく感じがして、とても不思議な気分でした。

Yukihito:もともとH△Gの楽曲にはストーリー性のあるものが多く、そこに対してまた別の物語が関連してくることで未知数な部分も多くありましたが、歌詞に含まれるキーワードが見事に新たなストーリーと繋がり、僕らも新鮮な気持ちで楽曲を演奏していました!

Masataka:本番から1ヶ月以上前に行ったリハーサルの時点でうるっときていました。"声"とか"歌"が持つパワーって、こんなにもすごいものだったのかと、普段意識したことがなかったのでめちゃくちゃ感動していましたね。観ていた方々にその感動が伝わっていたら嬉しいですし、10月に再演もあるので、まだ観ていない人にもぜひ鑑賞してほしいです。

-今年5~8月にはツーマン・ライヴを行っていましたが、それを行うことに決めた経緯を教えてください。

Yuta:単純に"ライヴ強化期間"を設けたかったからです。僕らは普段ライヴをあまりやりませんが、ライヴを行うと直にみなさんの反応を感じることができますし、その感覚を受けてまた制作にフィードバックできることもあります。回数が少ないなかでもライヴを行っていくことは大切にしていきたいと考えています。

-ツーマン・ライヴを短期間でここまで立て続けに行うことはこれまでなかったかと思いますが、実際にやってみていかがでしたか?

Chiho:H△Gがここまで活動的になるのは珍しいほうで、やりたいなーと思っていたことを形にすることができて良かったなと思っています。

Yuta:大変でした(笑)。いろいろなジャンルの方とご一緒させていただいたこともあり、公演ごとの切り替えがまた大変でしたね(笑)。

Shoko:演奏してて面白かったのが、お客さんの曲の聴き方やノリ方が日によって全然違うんですよ。今回のツーマン・ライヴは様々なジャンルの方たちと行ったので、それがよりわかりやすく出たのかなって思いました。聴き手側も一緒に空間を作ってくれている感じがして嬉しかったです。

Yukihito:ツアーとは違い、共にツーマンを盛り上げてくれるアーティストさんを意識したセットリストで、毎回違った楽曲ばかりで大変ではありましたが、そのぶん毎回観にきていただいた方にも楽しめてもらえたかなと思います。

Masataka:反省点こそありますが、毎回ステージからいい景色を見せてもらえました! 本番前日には個人練習とイメトレを必ずするのですが、これだけ短期間に行うと、イメトレ中にも直前のライヴで見た景色がまだ鮮明に思い出せるので、私はいつも本番前の練習の時点から楽しかったです。

-この1年強の間、外部アーティストへの楽曲提供も盛んでした。『青色フィルム』ではH△Gが楽曲提供を"される"側でしたが、"する"側を実際にやってみていかがでしたか?

Yuta:自分のやっていることを客観的に見るのって本当に難しいなと思うのですが、提供曲の場合は客観的に制作を行うことができますし、普段は出てこないイメージが湧いてくることが多かったです。今後もぜひそういった活動を行っていきたいですね。

-Chihoさんは、メンバーが他のアーティストにどんな曲を提供するのか、H△Gのヴォーカリストとして気になるものですか?

Chiho:他のアーティストさんに提供する曲も基本的に私が仮歌を歌っているので、わりと曲ができてすぐの段階で知ることになります。仮歌を歌うのはすごく楽しくて"これをご本人が歌ったらどうなるんだろう?"と想像を膨らませながら完成を楽しみに歌っています。曲によっては、"これH△Gとしてやってもめちゃいいかも......"ということもありますね(笑)。