Japanese
ヨルシカ
2019年04月号掲載
Member:n-buna(Gt/Composer) suis(Vo)
Interviewer:秦 理絵
ヨルシカ初のフル・アルバム『だから僕は音楽を辞めた』が素晴らしい。今作でコンポーザーのn-bunaがテーマに掲げたのは、"音楽を辞めた青年"の物語だ。今作は、音楽を辞めることを決意した青年がスウェーデン近郊の街で過ごした1年間の旅の中で綴った楽曲を、ひとりの女性=エルマに宛てて贈るというコンセプトで完成させた内容になっている。ピアノをフィーチャーした美しくも衝動的なバンド・サウンドに乗せて、青年の想いが私小説のような手法で綴られていく。音楽家は売れる曲を作るべきなのか、芸術であるべきなのか。なんのために音楽を作るのか。数年前までn-buna自身が悩んでいた事柄をモチーフにした題材は、真に迫るリアリティをもってリスナーを物語の世界へと引きずり込む。
-インタビューは『夏草が邪魔をする』(2017年リリースの1stミニ・アルバム/※インタビューはSkream!2017年7月号に掲載)以来なので、約2年ぶりです。
n-buna:そうなんですよね。よろしくお願いします。(※Skream!3月号を見ながら)サイサイ(SILENT SIREN)が表紙なんですね。サイサイは、作編曲とかもやってるプロデューサーが作ってる曲が、初期からすごく良くて。「チェリボム」、キャッチーですよね。......(※ページをめくって)あっ、ヒトリエだ! wowaka(Vo/Gt)さーん!
-好きそうですね、n-bunaさん。
n-buna:wowakaさんが唯一無二の存在だし、ひとりひとりが凄腕じゃないですか。
-新しいアルバム『HOWLS』は聴きましたか?
n-buna:もちろん買いました。最初のころよりストレートになりましたよね。wowakaさんが伝えたい言葉とか、サウンドがストレートで研ぎ澄まされているなと。これはもう、いろいろな人の心に残っていけばと思いますね。
suis:(笑)取材が始まらないね。
-じゃあ、始めましょうか(笑)。まずストレートに聞きますけど、なぜ今回のアルバムでは、"音楽を辞めた青年"をテーマにしようと思ったんですか?
n-buna:いつもどおり最初にコンセプトがしっかりしたアルバムを作ろうと思ったときに、まず始めに「だから僕は音楽を辞めた」っていう曲ができてたんですよ。結構昔からあった曲なんですけど。そこから広げていったアルバムなんですよね。
-そもそも、どうして"音楽を辞めた"というテーマで書いていたんでしょう?
n-buna:これを作ったときは、なぜ曲を作ってるのかがわからなくなってたんですよね。3~4年前だから、19~20歳ぐらいのときかな。『夏草が邪魔をする』とかを作る前後で。そのときに考えてたのが、歌詞に書いてる"僕だって信念があった/今じゃ塵みたいな想いだ"っていうところに尽きるんですよ。1曲目を書いたときから僕の軸は変わってないんです。僕なりの信念をもとに、今と変わらない曲を作ってたし、自分の作りたいものを作ってたんですけど、だんだん評価されるようになると、いつの間にかそっちの方に気持ちが変わってきたんじゃないかなっていうところですよね。
-その想いをこのタイミングでアルバムとして膨らませようと思ったのは?
n-buna:これからどういう音楽を作ろうかなって知り合いと話してて、誰かに刺さる作品を作るためには、歌詞にも音楽にも説得力がないとダメだなと思ったんですよ。自分が思ったこと、体験したことで書くことが大事だなって。で、過去の自分を書くならどこだろうな? って考えたときに、音楽についていろいろ考えていた時期がいいなと思ったんですよね。それで、"初めてバイトを逃げ出した"っていう歌詞もあったりして。
-「八月、某、月明かり」ですね。
n-buna:そうですね。"自転車で飛んで/東伏見の高架橋"とか。自分が一番尖ってた時期のことを曲にしてみようかなと思ったんです。だから記録みたいなものですよね。
-1枚目のミニ・アルバム『夏草が邪魔をする』は、どちらかと言うと、ストーリーテラー的な立ち位置の曲だったけど、前作『負け犬にアンコールはいらない』(2018年リリースの2ndミニ・アルバム)からはより自分自身を曝け出したじゃないですか。そういう流れもあって今作ができたところもありますか?
n-buna:そうですね。やってるうちにやりたいことがそっち(曝け出す方)に寄ってきたのかなと思いますね。昔から自分を出してるつもりではあったんですけど、物語的に自分の体験を落とし込む傾向は強くなってきたと思います。
-suisさんは、今回のアルバムで"音楽を辞めた青年"をテーマにすると聞いたとき、どんなふうに受け止めましたか?
suis:最初はコンセプトを聞くよりも前に、「だから僕は音楽を辞めた」のデモがLINEで送られてきたんですよ。そしたら、タイトルがこんなで(笑)。しかも、n-buna君が"一緒に音楽を辞めようね"って送ってきたんですよ。
-え? 冗談ですよね?
suis:でも、この曲と一緒に送ってきたから、"ちょっと本気かも?"とも思ったんですよ。で、なんて返そうと思って、その時点で、音楽を辞める覚悟を決めて、"いいよ"って返したんです。そしたら"冗談だよ"みたいに返ってきたんですけど。今話しながら、あの瞬間、一度音楽を辞める覚悟をしたなっていうのを思い出しました(笑)。
n-buna:まぁ、作ってる側からすると、そんなに本気で音楽を辞めるっていうことを今は考えてなくて。ただ、そういう物語の曲を書きたいっていう欲望だけでしたね。
-ただ聴かせてもらうと、いろいろなことを考えさせられる作品ですよね。音楽家にとって、売れることが正しいのか? とか、たとえ売れなくても、自分が本当に表現したいものを貫くべきなのか? とか。
n-buna:でも、そこらへんって僕は答えが出てるんですよ。売れるために音楽をやるのでも、作りたいものを作るでも、どっちでもいいと思うんです。ふたつとも正解だと思っていて。ただ、自分が憧れているのは後者の方ですよね。自分たちが作りたいものだけを作っていく。他者の評価とか、売れたいっていう気持ちも考えずに、自分にとって作りたいものを作り続けることこそが美しいんだろうなと思ってるんですよ。だから、手紙(※初回生産限定盤に付属)に僕の思想が入ってるんです。
-ええ、読みました。
n-buna:ヘンリー・ダーガーのことも書きましたけど、あれこそ僕が理想とする生き方なんですよ。ヘンリー・ダーガーは50年ぐらい誰にも見せないで小説を書き続けた人なんです。内容は"よくわからない"って言われがちなんですけど、創作家として一番の幸せのかたちだと思うんですよ。だけど、音楽で生きていくためには、パトロンでもつかない限り、売れるものを作らなきゃいけないんですよね。そのために、みんなに刺さるメロディを書いたりして、そこに理想との乖離が起こってくるんです。たぶん「だから僕は音楽を辞めた」を書いたときには、その乖離が僕の中で一番大きくなってたんです。今は本当に"曲を書ければいいでしょ"みたいな感じなんですけど。
-もう迷いはないんですか?
n-buna:自分が納得する音楽を作ることだけが正しいことなんだなってわかったので、そこに尽きるんだろうなと思います。もちろん自分のためじゃなくて、いわゆるエンターテイメントとして、人を感動させるような音楽を作ることは素晴らしいと思ってるんですけど、僕がやるのはそっちじゃないなと思うんですよね。
-手紙の中では"音楽は芸術"っていう言葉もありますね。オスカー・ワイルドの言葉を引用して。
n-buna:"人生が芸術を模倣する"ですね。あれは"嘘の衰退"っていうオスカー・ワイルドの戯曲の言葉で。それが、僕が芸術至上主義に走るきっかけになったというか、そこからの影響が大きいんですよ。どうせ人間は最終的には死ぬので、それならやりたいことをやって、好きにものを作って死んでいく方がいいなと思いますし。僕の"芸術至上主義"っていうのは、どちらかと言うと......話が違う方向に行くかもしれないんですけど、作品の価値みたいなところに行き着くんです。まがりなりにも、僕のやってる音楽というものが芸術だとして、その作品を大切にしたいんですよ。『だから僕は音楽を辞めた』の中でも、神様が宿るのは、それを作った人じゃなくて、作品だって書いてるんです。
-「パレード」ですね。
n-buna:そうですね。"こういう曲を作ったから、○○さんは神"みたいになるのは、創作家の傲慢だよねっていうのは思ったりします。
LIVE INFO
- 2025.06.24
-
にしな
星野源
ビッケブランカ
キノコホテル
きのホ。×POLYSICS
ExWHYZ
リュックと添い寝ごはん
Devil ANTHEM.
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series~Miracle PON☆〜"
- 2025.06.25
-
オレンジスパイニクラブ
ザ・シスターズハイ
SHE'S
星野源
TenTwenty
Czecho No Republic
PEDRO×詩羽
People In The Box
斉藤和義
岡崎体育
- 2025.06.26
-
Creepy Nuts
ザ・シスターズハイ
ヤングスキニー
怒髪天
ドミコ
TENDOUJI
the dadadadys
斉藤和義
WANIMA
岡崎体育
にしな
プルスタンス / Navy HERETIC / cherie / ライティライト
- 2025.06.27
-
四星球
Creepy Nuts
GOOD ON THE REEL
Subway Daydream
東京スカパラダイスオーケストラ
ビッケブランカ
the shes gone
The Slumbers
GLIM SPANKY
オレンジスパイニクラブ
女王蜂
ポルカドットスティングレイ
ドミコ
フリージアン
サイダーガール
TENDOUJI
Nothing's Carved In Stone
荒谷翔大
yama × 群馬交響楽団
chilldspot
WHISPER OUT LOUD / Good Grief / CrowsAlive / UNMASK aLIVE
Amber's × シズクノメ
空白ごっこ
WANIMA
岡崎体育
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series~ナニカシラ presents sunriseeee!!!!〜"
- 2025.06.28
-
眉村ちあき
女王蜂
鶴
LOCAL CONNECT
竹内アンナ
GRAPEVINE
怒髪天
[Alexandros]
Lucky Kilimanjaro
Organic Call
浅井健一
"CRAFTLAND"
チリヌルヲワカ
the shes gone
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
OKAMOTO'S / w.o.d. / MONO NO AWARE / Laura day romance ほか
いゔどっと
いきものがかり
ASP
コレサワ
ドレスコーズ
神はサイコロを振らない
Laughing Hick
荒谷翔大
福永浩平(雨のパレード)
FINLANDS
the dadadadys
私立恵比寿中学
スカート
ゴキゲン帝国
礼賛
ORCALAND
"World DJ Festival Japan 2025"
ネクライトーキー
FIVE NEW OLD
斉藤和義
sumika
"TAKASAKI CITY ROCK FES.2025"
忘れらんねえよ / BLUE ENCOUNT / ヒトリエ / 打首獄門同好会 ほか
Halo at 四畳半
TGMX(FRONTIER BACKYARD etc.)
岡崎体育
Novelbright
- 2025.06.29
-
眉村ちあき
アルコサイト
ヤングスキニー
ブランデー戦記
鶴
竹内アンナ
GRAPEVINE
[Alexandros]
HEP BURN
GLIM SPANKY
怒髪天
FINLANDS
Lucky Kilimanjaro
ネクライトーキー
東京スカパラダイスオーケストラ
浅井健一
Chimothy→
SVEN(fox capture plan)
いゔどっと
大原櫻子
荒谷翔大
reGretGirl
ドレスコーズ
VOI SQUARE CAT
終活クラブ
サイダーガール
ポルカドットスティングレイ
いきものがかり
ASP
コレサワ
清 竜人25
私立恵比寿中学
"World DJ Festival Japan 2025"
おいしくるメロンパン
斉藤和義
sumika
"TAKASAKI CITY ROCK FES.2025"
yutori
岡崎体育
Nothing's Carved In Stone
Novelbright
- 2025.06.30
-
Dear Chambers
清 竜人TOWN
浜崎容子(アーバンギャルド)
Hump Back
岡崎体育
- 2025.07.01
-
ビレッジマンズストア
Mirror,Mirror
岡崎体育
- 2025.07.02
-
ヤングスキニー
キュウソネコカミ
SHE'S
Saucy Dog
Hump Back
Laura day romance × Billyrrom
Jean-Ken Johnny(MAN WITH A MISSION)/ 寺中友将(KEYTALK)/ 谷口 鮪(KANA-BOON)/ アユニ・D(PEDRO)
ドミコ
岡崎体育
- 2025.07.03
-
ヤングスキニー
キュウソネコカミ
斉藤和義
go!go!vanillas
蒼山幸子
kobore × プッシュプルポット × Brown Basket
PK shampoo
TenTwenty
Saucy Dog
ビレッジマンズストア
クジラ夜の街
KALMA
the dadadadys
神聖かまってちゃん
サカナクション
フィロソフィーのダンス×清 竜人25
岡崎体育
- 2025.07.04
-
Nothing's Carved In Stone
MAN WITH A MISSION
斉藤和義
ExWHYZ
GRAPEVINE
SAKANAMON
LOCAL CONNECT
the shes gone
ビレッジマンズストア
蒼山幸子
kobore × プッシュプルポット × Brown Basket
女王蜂
ザ・シスターズハイ
DOLL PARTS
カナタタケヒロ(LEGO BIG MORL)
GANG PARADE
佐々木亮介(a flood of circle)
大原櫻子
緑黄色社会
ポルカドットスティングレイ
リーガルリリー
浅井健一
サカナクション
Mom
- 2025.07.05
-
Nothing's Carved In Stone
SAKANAMON
鶴
THE ORAL CIGARETTES / ヤングスキニー / 水曜日のカンパネラ ほか
reGretGirl
GLIM SPANKY
チリヌルヲワカ
キュウソネコカミ
ART-SCHOOL
コレサワ
[Alexandros]
フラワーカンパニーズ
shallm
go!go!vanillas
アーバンギャルド
ExWHYZ
FINLANDS
"見放題大阪2025"
GRAPEVINE
片平里菜
HY
SCOOBIE DO
the shes gone
怒髪天
荒谷翔大
the dadadadys
envy
サイダーガール
緑黄色社会
め組
Helsinki Lambda Club
androp
WtB
ASP
Conton Candy
The Slumbers
有村竜太朗
- 2025.07.06
-
PEDRO
Creepy Nuts
UVERworld
鶴
ビッケブランカ
sumika / Novelbright / Omoinotake ほか
荒谷翔大
reGretGirl
[Alexandros]
竹内アンナ
go!go!vanillas
ネクライトーキー
FIVE NEW OLD
DYGL × Newspeak × ANORAK!
片平里菜
PK shampoo
GLIM SPANKY
"見放題名古屋2025"
女王蜂
SCOOBIE DO
怒髪天
チリヌルヲワカ
ART-SCHOOL
Bimi
jizue
クレナズム
halca
HY
SIX LOUNGE
ドレスコーズ
LEGO BIG MORL
有村竜太朗
フラワーカンパニーズ
- 2025.07.07
-
ビレッジマンズストア
NakamuraEmi
浅井健一
- 2025.07.08
-
TENDOUJI
Hump Back
go!go!vanillas
ビレッジマンズストア
the dadadadys
kobore × プッシュプルポット × Brown Basket
銀杏BOYZ
- 2025.07.09
-
SHE'S
いきものがかり
Maki
山内総一郎(フジファブリック)
RELEASE INFO
- 2025.06.25
- 2025.06.27
- 2025.06.28
- 2025.07.02
- 2025.07.03
- 2025.07.04
- 2025.07.05
- 2025.07.06
- 2025.07.07
- 2025.07.08
- 2025.07.09
- 2025.07.11
- 2025.07.13
- 2025.07.15
- 2025.07.16
- 2025.07.20
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
音ノ乃のの
Skream! 2025年06月号