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INTERVIEW

Japanese

FAITH

2019年04月号掲載

FAITH

Member:アカリ ドリチュラー(Vo) ヤジマレイ(Gt/Vo) コバヤシレイ(Gt/Vo) 荒井 藤子(Ba) メランソンルカ(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

1st EP『UN』から8ヶ月。この春にドラマー、メランソンルカも高校を卒業し、さらにアクセル全開で活動を進めているFAITHが2nd EP『Yellow Road』をリリースする。"オズの魔法使い"を歌詞のモチーフに、あるべき場所、あるべき思いを辿っていくようなタイトル曲「Yellow Road」の他、切ないミドル・チューン、ポップでアングリーな曲、高校時代に書いた曲など、"前に進み続けること"をコンセプトにした5曲が揃った。USパワー・ポップ的なキャッチーな曲から、しなやかなグルーヴを持った曲もあり、バンドの挑戦する姿勢や自由なマインドが窺える。前回に続いてのインタビューも、5人でああだこうだと屈託なく言葉をぶつけていく感じがあって、なるほど曲もこんなふうにできているのかと思わせ、その空気感も気持ちがいい。

-昨年8月に1st EP『UN』をリリースしてから、今回の制作はいつごろスタートしていたんですか?

ドリチュラー:前作のリリースの次の週くらいにはスタジオで曲作りをスタートしていて、そのときに作っていた曲も2、3曲入っていたり、あとは以前やっていた曲をもう1回アレンジし直して録ったりもしていますね。

-そのときは、作品の方向性はどう考えていたんですか?

ヤジマ:制作を始めた夏の時点では、とにかく曲をたくさん作ろうということで、どんどん作っていましたね。

コバヤシ:なんとなく全体が見えてきたのは冬になってからだっけ。レコーディングが始まるとなったころで。

ドリチュラー:その直前くらいじゃない? 自分的には、追い込みの時期に曲をどんどん作っていきながら考え始めた感じでしたね。リード曲が「Yellow Road」で、この歌詞は私が上京したてのときに書いたんですけど、ひとりで生活をし始めて、実家に帰りたいなって思うこともあったんです。"オズの魔法使い"のストーリーと重ねているんですけど、黄色いレンガの道を辿って家に帰ろうみたいな意味があって、そういう原点回帰的な、初心に返ろうという気持ちはありました。

-初めてひとり暮らしをしてみて、大変だなということは多い?

ドリチュラー:最初のころは実家のありがたさがすごくわかるというか、両親ってすごいなって思いましたね。

荒井:もうね、実家帰りたいです。

ヤジマ:はははは(笑)。

荒井:ご飯何食べていいかわからないし、それでずっと外食になっちゃって。外食している最中は実家のことが恋しくなってめっちゃ考えますね。今食べてるこれもおいしいんだけど......っていう。

-たしかに荒井さんのSNSは外食のご飯写真多めですね(笑)。

ドリチュラー:ラーメンしか食べてないからね。

-(笑)「Yellow Road」はどんなふうにできあがっていったんですか?

コバヤシ:「Yellow Road」はイントロのフレーズがまずできて。

ヤジマ:それが4月くらいかな。

-せわしない日々や慣れない日常で忘れそうになってしまうこともあるけれど、大事なものはあなたの中にあるんだということをキャッチーに伝える曲で、またFAITHのいいところが詰まっていますよね。作っていくときに大事な曲になりそうだなという予感はあったんですか?

荒井:いい曲になるなと思ったよね。

ドリチュラー:歌詞とメロディを作ってサウンドと合わせたときに、"この曲めっちゃいいじゃん"ってなって楽しかったのは覚えてます。

ヤジマ:この曲はできてからライヴでも結構披露しているんですけど、もともとライヴでやっていたバージョンからは、またちょっとアレンジも変えたりもしながらレコーディングできたのも良かったです。

-また、1曲目を飾る「CHAMP」はロードレース世界選手権Moto3ライダーの佐々木歩夢選手とのコラボ曲ということなんですが、こちらはどんなふうに進んだんですか?

ヤジマ:これは最初に佐々木選手と対談をする機会があって。佐々木選手がFAITHの練習を覗きに来てくれたり、逆にFAITHがオフロードの練習を見に行かせてもらったりもして、それでインスピレーションを受けてみんなでスタジオに入って作ったんです。

荒井:こういう曲作りのやり方は初めてでしたね。

ドリチュラー:具体的なテーマがあってそこに向かっていくというか、"こういう曲を作ろう"、"こういう歌詞を作ろう"っていうやり方が初めてで難しかったんですけど、最終的にすごくいい形になったから良かったなと思います。

-佐々木選手とは同世代ですよね。対談ではどんな話をしていたんですか? それぞれ道は違うけれど、10代のころからやりたいことを追い求めているということでは、共感するところは多かった感じですか?

コバヤシ:そうですね。最初はバイクをやるときのモチベーションについて、俺らが歩夢君にいろいろとインタビューするみたいな感じで話していたんですけど、途中からは普通に友達と話してるときみたいに、自然に喋ってましたね。

荒井:本当にモチベーションがすごく高いんですよ。だんだんと真面目な話にもなっていったよね。

メランソン:マインドも熱いしね。

ドリチュラー:みんなで佐々木選手を"あゆたん"って呼んでいるんですけど(笑)、将来の話とか、最終目標とかをお互いに話したんです。

-そういう熱い話をして、曲として何を引き出していこうと思いましたか?

ヤジマ:話した感じも、実際に練習を見た感じでもスピード感とか、ガンガン前に進んでいく感じがしたので、そういう勢いのある部分は大事にしたいなと。

ドリチュラー:あとは、あゆたんは自分ひとりでレースに出ていて、うちらは5人でバンドをやっているという違いはある。だけど、あゆたんは心の中ではひとりじゃないんだよっていうことも描きたくて。いろんなことで、ひとりで戦っていると思っている人に、そうじゃないよって言える曲にもしたかったんです。歌詞についてはいろんなことを考えながら書いた気がしますね。練習風景を見てもすごいなと思ったし。本当にめっちゃかっこ良くて。

コバヤシ:実際にバイクにも乗せてもらったよね。

ヤジマ:うん。同じヘルメット被ってね。

-EPのオープニング曲としても勢いがある曲で、同世代の人ももちろん、何かに向かって頑張る人が背中を押される曲になっていますね。こういう応援歌はFAITHの中でも珍しいのでは?

ドリチュラー:そうかもしれないですね。普段は自分の感情で書いているものなので、自分で自分の背中を押しているんだけど、それが聴いた人に伝わってその人の背中も押せたらいいなっていうものが多かったと思うんです。最初から、"みんなの背中を押していくぜ"っていうよりは、そうなったらいいなという感じだったんですよね。でもこの曲に関しては応援ソングとしてできあがって。今回作ってみて、こういう形もいいなと思いました。