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INTERVIEW

Japanese

Maison book girl × サクライケンタ

2018年11月号掲載

Maison book girl × サクライケンタ

変拍子を多用した曲で"楽曲派"として確固たるポジションを築いている4人組ガールズ・ユニット、ブクガことMaison book girlが、ニュー・アルバム『yume』をリリースする。インスト曲とポエトリー・リーディングを含む全21曲入りの本作のコンセプトは、ブクガ自身のテーマのひとつでもあるという"夢"だ。今回、彼女たちの新作に迫るべく、メンバー全員と、彼女たちを全面的にプロデュースしている音楽家のサクライケンタとの座談会を決行。謎の多いインスト曲の制作エピソードや、メンバーそれぞれの思い入れのある曲について話を訊いた。

Maison book girl:矢川 葵 井上 唯 和田 輪 コショージメグミ
音楽家/Maison book girlプロデューサー:サクライケンタ
インタビュアー:宮﨑 大樹 Photo by 石崎祥子

-今年は"Maison book girl - UK May Tour"(2018年5月開催)、"Maison book girl tour 2018"(2018年5月~6月にかけて開催)、"SUMMER SONIC 2018"などがありました。少し気が早いですが、2018年を振り返ってみてどんな1年でした?

井上:今年は何から始まったかな? ツアーかな?

サクライ:去年の年末にワンマン・ライヴ"Solitude HOTEL 4F"(2017年12月28日開催)をZepp DiverCity TOKYOでやって、年明けて......そこからって感じだよね?

コショージ:1~4月は何をしてたか覚えてない。

サクライ:"Solitude HOTEL 4F"の重みがすごくて、僕も1月は半分くらい記憶が......。

一同:(笑)

-充電してたような感じですかね?

サクライ:そうなんですよ。なんか、Zepp DiverCity TOKYOでやりすぎちゃったよね。そのあと、次のリリースが――

コショージ:「レインコートと首の無い鳥」(2018年6月リリースのシングル『elude』収録)じゃない?

サクライ:え? もう(「レインコートと首の無い鳥」)?

和田:上半期の記憶がまったくない......。

-(笑)思い出せないくらい忙しかったってことですね。

コショージ:良く言えば......。

-では、2018年で特に記憶に残っていることはありますか?

コショージ:5月がめっちゃ濃くて。それで前の記憶が全部なくなったんですよ。"Solitude HOTEL 4.9F"(2018年5月4日に東京キネマ倶楽部で開催)と、そのあとすぐに"VIVA LA ROCK EXTRA ビバラポップ!"があったんです。

サクライ:そこから"Maison book girl - UK May Tour"に行って、帰ってきたら"Maison book girl tour 2018"と、そのファイナル(2018年6月23日に開催した"tour final Solitude HOTEL 5F")が日本青年館ホールであって......シングルのことも重なりバタバタしていた気がしますね。

-そこから夏を経て本作『yume』の制作に入っていたという感じですかね。ブクガ(Maison book girl)の世界観って、色で言えば"白に近い灰色"または"白に近い青"みたいなイメージなのですが、本作は音源だけでも"黒に近い赤"のような印象を感じました。実際にジャケット写真や新衣装も黒と赤がベースになっていますが、今までと別の一面を見せたい、などの狙いはありますか?

サクライ:新しい一面というか、今まで積み重ねてきたものをさらに濃くしたようなイメージですね。今回、昔からブクガのテーマのひとつである"夢"をタイトルにしてアルバムを作りました。

-このタイミングで何か変えてみようというよりは、ブクガの進化というか、進んでいった結果での本作なんですね。

サクライ:そうですね。シングルも3枚リリースしている状態でのアルバムだったので、濃度が高いアルバムになるだろうなっていうのは制作前から思っていました。シングル曲と新曲のバランスも考えて"夢"というテーマで仕上げたという感じです。

-普段は、サクライさんからメンバーのみなさんへ、曲の意味やコンセプトについて深く説明することはあまりないそうですが、本作のコンセプト"夢"についても過去作と同様に詳細の説明はなかったんですか?

和田:なかったですね。前のアルバムで"どういう意味ですか?"って聞いたことがあるんですけど、"それぞれの解釈でいいよ"って言われて、それ以来は聞いていません。

-コンセプトや意味についてはメンバー間でも捉え方が違うのかなと思っているのですが、そこについてお互いの理解を話したり認識を合わせたりすることもあるんですか?

矢川:しないですね。

井上:改まって話をすることはないですけど、ライヴをしていくなかで個々に感じていることはあるかもしれないです。

矢川:振付についてはニュアンスを揃えるんですけど、曲となるとデモ音源を貰ってその日にレコーディングすることもあるので、自分自身の解釈でやってます。

-振付で言うと、今までの振付はミキティー本物(二丁目の魁カミングアウト)さんが担当してきたのかと思いますが、今作の新曲もミキティー本物さんが担当したんですか?

井上:そうですね。

-ミキティー本物さんも、自身の感性で振付をしてるんですかね?

コショージ:ミキティー(ミキティー本物)が作ってくれた振付に"ここをこうした方がいいと思うんだけど"とか言うと、振付に取り入れてくれることはあります。

-本作は約半分がインスト曲というのも斬新でした。メンバーのみなさんはこういうアルバムになることをどう感じましたか?

コショージ:前回のアルバム(2017年4月リリースの『image』)は間に10分くらいのインスト(「int」)があったのであまり驚きはなかったですね。

井上:私もインストに対して驚きはなかったんですけど、これまでにない新しいやり方なので、これから新たなことができるなとは思いました。

コショージ:でも"21曲入りです"って言っていて半分はインストだと、ファンは残念がらないかなって。

一同:(笑)

コショージ:"新曲がいっぱい聴けるぞ"って思ったら30秒のインストだったら大丈夫かなって思います。

矢川:"もう終わっちゃった"みたいな。

サクライ:でも、アルバム自体は意外と長いからね。1時間以上あるから。