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DISC REVIEW

Japanese

2020年07月号掲載

Fiction

Maison book girl

『Fiction』

Release Date : 2020-06-24
Label : ポニーキャニオン

代表曲を再レコーディングし新たに生まれ変わった冒頭3曲で、現代音楽とポップスを融合した唯一無二の音楽性を再認識した。一方で、表題曲の「Fiction」は、いい意味で珍しくストレートなスロー・ナンバーに。初夏の雨上がりを想起させるような、しっとりとしながらも温かい情景の広がりが心地よく、前面に出たメンバー個々の歌唱も聴きどころだ。打ち込みの四つ打ちで展開するマッシュアップ曲「river」は、そうであることを感じさせない新曲としての立ち居振る舞いをしている――と、ここまであえて書かなかったが、本作はキャリア5年の集大成となるベスト・アルバム。新作と言われても疑われない充実作に仕上がったことがわかるだろう。プロデューサー サクライケンタの音楽家としての矜持も感じさせる1枚。(宮﨑 大樹)


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Fiction

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umbla

2019年第2弾シングル。「闇色の朝」は、彼女たちらしい前衛的な音楽が展開されるなかで、サビの独特な譜割りがいい意味で違和感を与えてくれる1曲だ。言葉が紡がれるたびに幽玄な情景が浮かんでは移り変わっていく歌詞にも注目したい。波を思わせる音から始まる「シルエット」では、曲全体の音数を減らすことで引き立つピアノの旋律によって、まるで水面にたゆたうかのような心地よさを味わうことができる。重々しい空気感のままドラマチックにストーリーが展開していくポエトリー・リーディング「告白」も、本作の世界観をより濃厚にしており、サクライケンタ(プロデューサー/音楽家)というフィルターを通すことで、"umbla(=影)"はこう表現されるのかと感嘆した。(宮﨑 大樹)


SOUP

ブクガが2019年初のフィジカル作品を完成させた。Track.1「鯨工場」は、MVでも表現されているとおりの、鉛色の空と海辺に建つ寂れた工場の情景がはっきり浮かび上がる1曲。続く「長い夜が明けて」が「鯨工場」の歌詞ともリンクしており、シングルを通してひとつのショート・フィルムを鑑賞しているような感覚を覚える。ポエトリー・リーディング「まんげつのよるに」の水中や水面を思わせる音世界も作品全体に深みを出しており、そのアート性の高さは今作でも期待を裏切らない。ブクガらしさはそのままに、メンバーの歌唱力アップや世界観のさらなる広がりを感じさせる1枚に仕上がった。初回限定盤Blu-rayに収録されるワンマン・ライヴ"Solitude HOTEL 6F yume"の映像も必見。 (宮﨑 大樹)


yume

変拍子を多用した曲で存在感を放つ4人組ガールズ・ユニット、ブクガことMaison book girlのニュー・アルバム。"夢"をコンセプトとした本作では、全21曲の約半数を占める、"夢"との関わりを想像させる意味深なインスト曲が本作の世界観を彩ると共に、曲と曲とを心地よく繋いでいる。歌モノにも、コンセプトに沿った新曲が揃うが、脳波の動きをクラップのベロシティにしたという「夢」は、ブクガの真骨頂とも言える複雑な変拍子をサビで堪能することができる。お馴染みのポエトリー・リーディング「不思議な風船」は、不安感と緊張感を煽るようなサウンドと、コショージメグミが手掛けた幻想的な詩の交わる様が美しく、一度聴いたら忘れられない強烈な印象を与える1曲だ。(宮﨑 大樹)



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