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INTERVIEW

Japanese

The 3 minutes

2017年07月号掲載

The 3 minutes

Member:やまのうえのりょうくん(Vo) けんた(Gt) ひろ坊(Key) わたべ(Ba) なおき(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

-いろいろと展開していくサウンドが面白い曲ですね。サウンドは変化しながらも、メロディは歌謡性が高いのもまた意外な組み合わせで。

りょうくん:昭和歌謡みたいな曲ですよね。メロディはいろんな感じがありますが、絶対にキャッチーさのあるものをつけてきてくれるんです。

ひろ坊:僕的には、この3拍子のイントロが印象的かなと思います。

りょうくん:昨年くらいからよくクラシックを聴いているよね。

ひろ坊:こういうタイプの展開やサウンドは、クラシックの影響からが大きいですね。先人の偉大な遺産を使わせていただくというか。それを自分なりにアレンジして、それでイントロができあがって。そのイントロから一気にスピード感を上げて、印象づけたいなと。

けんた:ギターの音色的には、コテコテな感じでドス黒いというか。今まで以上に攻撃的な音でやっています。

-この歌のテーマはどこからきたものですか。

りょうくん:さっきの曲順の話もそうですけど、僕はひとりで考え込んじゃうタイプなんですよ。対人関係とか女性に対してもそういうところがあって(笑)。この曲では、誰にでも当てはまることより、自分の中の本当のことをぶつけてみて、それでどうなるのか試したいのもあるんです。自分の100パーセントが出せるように書いたつもりですね。本当は自分の中にはこういう人間いるんじゃないかな、っていうのを掘り出しながら書いた感じで──だから、これがデフォルトではないですよ(笑)?

-「Shiny Days」やエモーショナルな「ハルノウタ」との飛距離があって面白いです。それぞれがいろんなルーツを持ち寄って、楽しんで作っているのは、今回のシングルでわかりました。

りょうくん:そうですね。無理に合わせようとはしていません。

-そういうなかで、キャッチーさを大事にするほかに、これだけは譲れないっていうものはありますか。

りょうくん:サウンドはいろいろあるんですけど。僕としては、曲のタイトルをなるべくカタカナにしているんです。

-たしかに、今回も多いですね。

りょうくん:日本のバンドは、英語表記のタイトルが多いイメージなんですよね。でもそれだと、SNSでエゴサーチしたときに出てこないんですよ。例えば、"again"という曲名があったとして、それで検索しても外国人のツイートばっかり出てきたりするし。エゴサしやすい名前がいいんじゃないかっていうことで、例えば1stシングルの「ナントカセンセーション」(2016年リリース)という曲があるんですけど。エゴサすると、うちのバンドのことしか出てこないんです。デモの時点でタイトルがついていることもあるんですけど、ないときはいかに覚えやすくて、エゴサしやすいものにするかを意識していますね。逆に今回の1曲目は"Shiny Days"というタイトルで、今回のシングルは自分たちとして挑戦するぞっていう思いも出したかったんです。僕からしたら真逆のこと、殻の外に出たいという意味合いも込めてつけていたんですよね。それもインタビューしていただいてようやく発信できることで(笑)。

-SNSを駆使する今のバンドならではの考え方ですね。

りょうくん:現代だから、やれることというのは意識していますね。SNSもそうですけど、ほかにも音楽性やバンドのスタンスも、メンバー5人の雰囲気はあまりバンドマンらしくないと思うんです。僕らメンバー全員、かなり根暗な人間なんですよ。地味で、決してクラスの中心にはいなかったというか。クラスでも、隅っこにいたタイプの人間が集まったバンドなんです。10代のころに持っていたバンドのイメージって、先輩バンドとか見てても"酒飲まないのはバンドマンじゃねぇぞ"っていうのがあったりもして。そういうのに辟易していたのもあったんです。いやいや、かっこいい音楽をやっていれば、自分たちのありのままでいてもいいんじゃないかって。逆にこういう地味で根暗な人間でも、かっこいいことをやれるっていうのを自分たちで発信していけたら、同じ感覚の人は絶対にいると思うし、絶対に共感してもらえると思うんです。この形で誰かの背中を押せるように、という思いはありますね。

-それが、今新たに芽生えてきたことですね。

りょうくん:そうですね。以前、この3人(りょうくん、ひろ坊、けんた)でバンドをやっていたときには、さっきも言っていたように"こういう音楽をやりたいんだ"っていう信念がないから、ライヴハウスの方に"君たち何がしたいの?"とか、歌詞も統一性がないから、"何を訴えたいのかよくわからない"と言われたこともあって。すごく悔しかったんですけど、無理矢理変なテーマをつけたくもなかったんです。でもやっているうちに、バンドが歩いてきた歴史に育てられているというか。オーディションで負けることも少なくないですし、審査員の方にもいろんなことを言われますけど、そこで芽生えてきたのが、先ほど言ったようなことで。こういう人間だからこそ、かっこいいことをやりたいんですっていうのを言えるバンドになってもいいのかなって。そして、「Shiny Days」の歌詞のところでも言いましたけど、お客さんと一緒に夢を見たいなって思いますね。いつか、日本武道館とか、地元名古屋にある日本ガイシホールのような大きな会場でできるように、お客さんと一緒に向かっていけたらと思っています。