Japanese
The 3 minutes
Skream! マガジン 2018年09月号掲載
2018.08.05 @渋谷TSUTAYA O-nest
Writer ライター:林 なな Photo by TAJITAJI / うつみさな / 稲垣ルリコ
ステージに吊られていたバックドロップの前に、勢いよくメンバーが走り込んできた。1曲目は「Make over the Heart」である。歌が上手い、なんて表現はなんだか嘘じみて聞こえてしまうかもしれないが、本当にりょう(Vo)は歌が上手い。オートチューンを使いこなし、響き渡る高音。りょうだけではなく、続く「6」でわたべ(Ba)とひろ坊(Key)が鳴らしたユニゾンは粒が細かく揃っているし、たかひろ(Gt)のかき鳴らすリフは疾走感の塊だし、なおき(Dr)が隙間なく敷き詰める音がバンドの底にある。たしかに、音源に比べると演奏には多少の隙があるかもしれない。でも、鳴っている音は今ここで奏でられる最大の音で、そこには偽りなんてひとつもなく、すべてが瑞々しさで溢れている。純情そのものだ。
5曲目を終えたところで"暑いな......"と呟くりょう。おそらく無意識に出た言葉。ステージで鳴らされるひとつひとつの音と言葉に沸き上がるオーディエンスは踵を宙に浮かせているのだから、そりゃあもう熱気はすごいことになっている。だが、その熱気とは程遠いような軽やかな音が注がれた「ハルノウタ」で、余韻のすべてを剥ぎ落とす。曲終盤、空間に舞ったたかひろのソロは煌く。芯ある強き音だ。
そこから、おチャラけたBGMを背に、ひろ坊がこの日のために駆けつけてくれたというウルトラマンを呼び込み、そこからフロアのお客さんをステージに上げマシュマロ・キャッチ・チャレンジをするという、遊びすぎと言ってもいいくらいのひと幕も。訪れるのは、鮮麗さを孕んだ音とひたすらポップな時間の織り成す急勾配だ。ライヴは、なおきの打音から再開した。わたべは長い髪の毛を大きく揺らしながら音を鳴らし、絡める。最後の大サビで転調し壮麗な流れを作った「BiTE the BULLET」、"踊れ!"と繰り返される「風林火山」を経て、「ナントカセンセーション」へと続く。膨らんでいく音の中で、りょうの口は"もっと"という言葉をなぞった。マイクは通していなかったから誰の耳にも届くわけがない。でも、彼は目の前のフロアだけを見て、確かに言っていた。曲を終え、りょうは今度こそマイクを通して、"楽しんでいただけてますか!?"と煽り問い掛けた。そして、"でも「楽しんでいただけてますか!?」の最後には、もうライヴは終わっちゃうんだよね"とも。名残惜しそうな表情を浮かべながらも披露された新曲へと音を繋ぎ、彼らはステージを去っていった。
"もう一度"と願う観客の手拍子に誘われ再登壇した5人は、のちにりょうが言っていたように"楽しくて楽しくてたまらなかった"と、その言葉どおりのとびっきりの笑顔を浮かべながらプレイしていく。「君が明日いた世界」で、オーディエンスも一緒に歌うことで完成した旋律。本気で生きる人には、必ず背中を支えてくれる人がついてきてくれる。その本気の想いに触れたとき、その想いは必ずまた違う誰かへと繋がり、やがて光の灯った温かさへと変わっていく。その温かさが顕在化した瞬間だったように思う。そして気づく。さっきりょうが"もっと"と希求した先に、この温かさがあったのだ、と。
この日、残りわずかのところでチケットがソールド・アウトしなかったことを、悔しそうな表情を浮かべながらりょうが口にしていた。本人も言っていたことだが、動員という結果がすべてではない。振り返ったときに確かな一歩があればいい。ちょっとでも誰かに誇れる自分たちがいればいい。道の先には、大切な時間と、大切な人たちが両手を広げて待っているはず。ダブル・アンコールに応え、バンドが最後に選んだのは「夜空になぞって」。彼らは祈りを込めて"君に届くように"と歌う。だから、この日のライヴは決意の証なのだ。
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