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INTERVIEW

Japanese

Ryu Matsuyama

2017年05月号掲載

Ryu Matsuyama

Member:Ryu(Pf/Vo) Tsuru(Ba/Cho) Jackson(Dr/Cho)

Interviewer:石角 友香

-今回のミニ・アルバムは3枚目なんですね。細かい決め事はないとしてもみなさんで共有しているヴィジョンはありましたか?

Ryu:1枚目(2014年リリースの『Thinking Better』)はストーリーを描こうとして結構難しくしすぎたかな? と思って。そして、映像が続いてワンカットで見てたのが2枚目(2015年リリースの『Grow from the ground』)だと思うんですよ。今回の3枚目はカット、カット、完全にぱっ、ぱっ、ぱって、フォト・アルバムみたいな映画にして、風景なんですけど、僕らはこんなにいろんなジャンルができるし、僕らはこんなに衝動を持っているし、風景はいろんなのがあるんだよっていうのを示したかったんです。意味は後づけになりますけど、アートでストーリーを描いてるというコンセプトで、そこからやってみました。まぁ、風景というので、前は3人でやった3人の音とかをすごく大事にしてたんですけど、今回、いろんなトライをして、いろんな音を入れてみたりして。前はコンガとかパーカッションも入れなかったんですけど、今回は意欲的に入れてみました。ストリングス隊を入れるとか、結構、3人の手足だけじゃできないものをプラス・アルファして、想像させて、どこまでみなさんがそれを呑み込んで解釈してくれるか? っていうのを完全にストレートに投げるつもりで全部入れました(笑)。

-ストリングスも入れ方によってはすごくテンプレになっちゃうじゃないですか。

Ryu:はい。でも、僕はテンプレでいいと思っていて。変にテンプレを超えちゃうとオルタナなバンドになっちゃうんで。

-なるほど。例えばスケール感を出したいから入れるとか?

Ryu:そう、スケール(笑)。ひとつ特徴的なのがあって、「To a Sunny Place」(Track.2)って曲で、大サビの前にベタなストリングスのフレーズが入ってるんですけど(笑)、"これだ!"と思ったんですよ。最初入ってなくてシンプルだったんですけど、当日現場で"いやもっとベタに、もっとベタに"って録りながら、落とし込んでいきました。

Tsuru:日本人に近づいてますね(笑)。

Ryu:そう(笑)。たぶん、僕も日本人化してるっていうのもあるんですけど、やっぱり根本がイタリア人っていうか、海外の風景の中で育ってきてる日本人みたいな(笑)、不思議な感覚があるんで。

-"ベタな"っていうのが自分にとってのカタルシスなんだったらいいわけですしね。

Ryu:そう。僕らにとってのカタルシスがそこにあったりとか、ベタなものが延長線上にあるっていうのが大事だったのかもしれません。

-Ryuさんの好きなアーティストや今の潮流から言うと、もっと薄いトラックだとか、音数も少ないものが主流だったりしますが。

Jackson:彼がひとりでやるときは打ち込みとかでやったりするんですけど、それをバンドにするときはアレンジして使い分けてるというか。

Ryu:もしも僕の中で解釈して作ったら、フェイバリット・アーティストに入ってるような音楽に似てしまうんです。でもそれをやりたいわけではなくて、僕が投げたものに対して、このふたりがどう応えてくれるか? っていうのが自分の中で楽しいんですね。それは僕の中で新鮮で、"これだ!"ってなるのを待ってます。

-音楽好きとしてもこんな素晴らしいトリオがいるんだよって、共有体験してほしいです。ところでアーティスト写真だけ見てるとクールですよね。

Jackson:でもライヴでは熱いんですよね。

-写真を見ると"どんなバンドなんだろう?"と思って、音源を聴くと"気持ちいいなぁ"、で、ライヴを観ると"熱い人たちだなぁ"っていう3段階(笑)。

Ryu:(笑)でも、僕らも自分たちが何かまだわかってないっていうのが答えです。

-ベタな質問なんですけど、出たいフェスとかありますか?

Tsuru:フジロック!(即答)ライジングサン。あと、朝霧JAM

Ryu:僕は最近、"頂 -ITADAKI-"に出たいですね。好きな人たちがたくさん出ているので。

Jackson:朝でも夜でも、大自然をバックに演奏したら映えるんじゃないかなぁ? と思いますね。