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INTERVIEW

Japanese

RiNGO TONE

2017年04月号掲載

RiNGO TONE

Member:樋口 真一郎(Dr/Cho) 西野 真史(Ba/Cho) 西野 剛史(Gt/Vo)

Interviewer:秦 理絵

-「バイパス」とか「ドレミ」(Track.3)、あとは「Ladybird」(Track.7)みたいな優しくてポップな感じが、前作から変わらないRiNGO TONEらしさですよね。

真史:自分たちでは「ドレミ」が、一番RiNGO TONEっぽい曲なのかなと思ってます。サラッと作れちゃう得意な曲なんです。「Ladybird」に関しては、実はもっとカントリー感を出したかった曲なんですよ。

剛史:THE BEATLESの「Blackbird」(1968年リリースの10thアルバム『The Beatles』収録曲)みたいな雰囲気を出したいなと思って。

真史:結局、THE BEATLES感しか出なかったよね。

剛史:カントリー感は皆無(笑)。

-話を聞いてると、これはあれっぽい作品にしたいっていう、具体的なイメージを持ちながら曲作りをしてる感じがありますね。

真史:僕たちは天才肌ではないと思うんです。奇想天外なことはできないぶん、いろんな音楽を聴いて、それを自分たちらしく出すことで、結局、聴いた人にはRiNGO TONEっぽくなるのかなとは思ってます。いろいろ聴いて、このアーティストのこれっぽい曲を作りたいっていうのが、最近はだんだんできるようになってきて楽しいんです。

樋口:うん、それは楽しいよね。

剛史:ルーツを落とし込めるようになってきましたね。

-ラストの「Great Epoch」(Track.8)はどうですか? andymoriっぽいなと思いましたけど。

剛史:曲自体はUKっぽいと思うんですけど、イメージとしては、GREEN DAYみたいなUSのポップ・パンクっぽい速い曲を作ってみようと思ったんです。でも、できあがったら、andymoriっぽい忙しい感じになってましたね。andymoriも大好きなんです。

真史:the pillowsの「Rodeo star mate」(2010年リリースの30thシングル表題曲)みたいな、馬っぽい感じを出したいみたいなことを言ってたよね。でも、気づいたら技術力が足りなくてパンクになってた。

剛史:僕らは"これを目指そう!"と思うんだけど、気づいたらこっちに行ってたっていうのが結構あるんですよね。

真史:そこに行き切れないっていう(笑)。でも、最終的にそれはそれで面白いなと思ってて。この曲はパンクだけじゃなくて、途中でテンポが遅くなったりするんですけど、それはくるりの影響なんです。僕は"間奏を遅くしたい"って言ってたんですけど、メンバーがアウトロも作ってて、結果的に2回遅くなるところがあるんですけど。

樋口:あと、「Great Epoch」は、(剛史が)弾き語りでひとりで歌ってるアコースティック・バージョンとして出してて(2016年リリースの1stシングル『新しい街』のカップリングに収録)、そのときから、次は速くして出そうっていう構想はあったよね。

剛史:アコースティックだと「Today」みたいな雰囲気というか、キャッチーすぎない聞こえ方なんですけど、バンド・バージョンだと、みんなで声をワーッてやるところもあって。

真史:最初は"あれ? 全然違うじゃん"ってなると思うんですけど。僕らはFoZZtoneが好きで、あの人たちって、そういう知ってる人がニヤリとできるネタみたいなのを結構入れてるじゃないですか。そういうことを僕らもできたらいいなと思うんですよね。

剛史:伝わるかわからないですけどね(笑)。

-そういうの面白いですよね。あと、アコースティックなアレンジのバラード曲「6月」(Track.6)は、RiNGO TONEのメロディの良さが引き立ってます。

剛史:わかりやすいバラードを作ってなかったなと思って書いた曲ですね。ミスチル(Mr.Children)とか星野源も好きなので。もともとワンマンのときに、1曲だけ弾き語りをやるってなって、作った新曲だったんです。バンド・アレンジにするのに、最初はだいぶ血迷ってて、いきなりファズを踏んだりしてて(笑)。

真史:銀杏BOYZみたいな感じで、エモくしたら面白いんじゃない? ってね。

剛史:でも、最終的にはシンプルにアコギのアルペジオと、静かなベース・ソロみたいな感じでいったらきれいにまとまって、いい曲になりました。あと、僕の歌詞って自分の中では意味があるんですけど、ちょっと支離滅裂というか――

真史:抽象的なんですよね。

剛史:そう。でも「6月」は、わかりやすく作ったかなと思ってます。

真史:いや、わかりにくいよ(笑)。

剛史:どっちかと言うと、この曲は歌詞というよりも詩みたいな感じで書いたので、ちゃんとストーリーが通った歌詞を作ろうかなとは思ってたんですよね。