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INTERVIEW

Japanese

RiNGO TONE

2017年04月号掲載

RiNGO TONE

Member:樋口 真一郎(Dr/Cho) 西野 真史(Ba/Cho) 西野 剛史(Gt/Vo)

Interviewer:秦 理絵

-さっき好きだって言ってたTHE CARDIGANSとかTHE WHOみたいなイギリスのバンドが持ってる独特の陰りみたいなものが、たしかに出てますね。

真史:それを感じてもらえたら嬉しいです。

-アルバムの中では「METOME」(Track.2)がいいなと思ってて。この曲を始め、RiNGO TONEはコーラスの重ね方が独特じゃないですか。これは意識してやってるんですか?

剛史:コーラスの3度下げは意識的にやってます。THE BEATLESの「This Boy」(1963年リリースの5thシングル『I Want To Hold Your Hand』カップリング曲)とかを聴いてると、"どうしてこの音程を使ってるの?"みたいなのがあって。普通にきれいなコーラスが入るのもいいけど、そこを工夫することで武器にできたらなと思ったんです。ちょっと変になりすぎると、ときどき(真史に)怒られますけど。

真史:剛史が作るコーラスはめちゃくちゃ大変なんですよ。別のバンドの曲をコピーするときは、なんとなくで歌えるんですけど。なんか......変なのを作ってくるというか。しかも、ちょっと違うと練習中に(剛史に)睨まれるので。結構ブラック企業です(笑)。

剛史:あははは(笑)! コーラスは大事なんです。

-バンドにとってコーラスが大事だって気づいたのはいつからだったんですか?

剛史:上京してきたころ、1曲目の「Today」を初めて真史に聴かせたら、この曲だけ褒めてくれたんです。作ってたときのイメージとしては、よくアルバムの1曲目にあるような壮大な感じを出したくて。3度下げのコーラスを自分なりに考えてやってみたら、いろんな人に"コーラスが特徴的だね"って言われ始めて。もしかしたら、これが僕らの強みなのかもしれないって。人に言われて気がついたんです。

真史:当時、剛史が作る曲は正直あんまりいいと思ってなかったんですよ。曲を作れない身としてはアレですけど......。そのなかで、「Today」は5曲あったうちの最後に入ってて、これだけはすごく良くて。コードとメロディを聴いたときに、いつか絶対にバンドで作ろうと思ってたんです。ライヴでやってても反応がいいし、我ながら先見の明があったなと(笑)。

樋口:「Today」は、僕がライヴを観に行ったときもやってましたね。

真史:RiNGO TONEの初ライヴの最後の曲だったんです。

-テンポはゆっくりだけど、歌詞からは"ここから始まるんだ"っていう昂揚感もあって、このタイプの曲を1曲目に持ってきたのもバンドのスタンスが表れてる気がします。

剛史:僕らとしては「Today」系の曲で、ちゃんと掴みたいっていう気持ちがあるんです。ブーム的にはだいぶ収まってきたかもしれないですけど、やっぱり速い曲とかノリやすい曲の時代だとは思ってて。でも、自分たちは四つ打ちとかできない。もし、「Today」で嫌われるなら、もう自分たちはダメだなっていう覚悟で1曲目にベシッと持ってきました。

-RiNGO TONEは歌モノと言われるバンドだと思いますけど、さっき言った「METOME」とかではバンド・サウンドが次々に展開していく感じもいいですよね。

真史:最近のこだわりとしては、2番では絶対にアレンジの構成を変えるようにしようとか、ストレートにいかないようにしようっていうのはやってますね。

剛史:3ピースだし、特にいまは3人の楽器しか入れてないので、どうしてもシンプルになっちゃうんです。それだと聴いてて飽きちゃうのかなと思って。ハッとさせるような仕掛けは考えてます。そこにはキャッチーなメロディがあるのが前提ですけど。

真史:仕掛けは多いけど、自分的にベースはそんなに動いてないんです。いま1st(2014年リリースのアルバム『No Requested Junction』)とか聴くと、無駄に動きまくってたし、『にじいろのまくら』のときも動きたくてしょうがなかったんですけど。それより曲を良くするのが一番かなって。「METOME」はベースの意識が変わった曲なんです。

樋口:僕も『にじいろのまくら』までは結構フィーリングで叩いてたから、手数が多くなってたんですけど、今回は細かく詰めてますね。あと、「METOME」は最初、俺たちはいいのができたと思ってたけど、周りの人には「バイパス」(Track.4)の方がいいねとか言われて、"(「METOME」は)あんまり良くないのかな?"と思ってたから、やっといいって言われて嬉しいです(笑)。

-「バイパス」は、どのあたりをいいって言われることが多いですか?

剛史:音を最小限にしつつ、でも、ちゃんと成り立ってるっていう、いまの僕らが目指してるものを一番うまく形にできたかなっていうのはあるんです。

真史:"ずっとこういう曲を作りたかった"って言ってたよね。

剛史:"いぇーい!"っていう元気な感じじゃないというか。ちょっと疲れてる感じで。

真史:the band apartみたいな感じを出せたらなと思ったんですよ。前半はUKというか、THE CARDIGANSみたいな静かにやる部分があって、後半にかけてぶわーってなるのが、曲として気持ちいいかなって。それが自分たちの好きな感じの音楽だったりするので。