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INTERVIEW

Japanese

Plastic Tree

2017年02月号掲載

Plastic Tree

Member:有村 竜太朗(Vo) 長谷川 正(Ba)

Interviewer:荒澤 純子

1997年、シングル『割れた窓』でメジャー・デビューを果たしてから実に20年――Plastic Treeは、デビュー20周年を"樹念"したシングル『念力』を1月25日にリリースした。"今"のバンドの在り方を通して、バンドの初期衝動を封じ込めたと言える今作。自らを"ヘンテコなバンド"だと称しながらも、タイトル曲は"いろいろな曲があって、いろいろなことを歌っているけど、こういうバンドなんだという説明書に近い"と言う。メジャー・デビュー20周年にして見せた、"Plastic Tree"の真髄とは? 有村竜太朗と長谷川 正に訊く。

-2016年を改めて振り返ってみると、有村さんのソロ活動もあり、Plastic Treeとしては新たな展開となった年だったなとも思うのですが、みなさんとしてはいかがでした?

有村:シングルのタイアップが初めから決まってて(※2016年8月リリースの38thシングル表題曲「サイレントノイズ」はPlayStation®Vita用ゲーム"Collar×Malice"のオープニング主題歌)、それを2016年の1月ぐらいから作ってたんですね。そういうところから幕開けして、その間に春ツアー(※2016年3~5月開催の"春ツアー2016「剥製」")をやって。バンドとしては新しいところに使ってもらえるということで、どんなふうになるのかな? っていう感じでしたね。あとは、国際フォーラム(※2016年10月10日開催の秋ツアー2016"Black Silent/White Noise"ファイナル公演)をやったのがバンド的には意味合いが大きかったなという感じ。

長谷川:去年の軸となったのは、やっぱりフォーラムだったかな。ずっとやってみたかった場所というのもあるし。2016年は音源の発表のペースとしてはゆるやかだったかもしれないですけど、ライヴ活動自体は密度が濃かったかなと。

-国際フォーラムでのライヴを終えて、有村さんのソロ作品『デも/demo』(2016年11月リリースの個人作品集1996-2013)もリリースされました。これはバンドとしてフックとなったところもあったのでしょうか。

有村:僕としては別個で考えていますけど。曲があったから、自分的にも全部書けそうだから書いた、っていう感じ。プラ(Plastic Tree)よりももうちょっと"個人"が強いと思うんですよ。"ひとつ違うことをちゃんとした"という感じはありますし、"物を作る"ってヒマ潰しとはやっぱり違うので、そういった意味でも自分にいろいろ刺激のある、インプットの多い1年ではありましたね。

-そんな2016年を経て、メジャー・デビュー20周年"樹念"シングル『念力』が1月25日にリリースされました。これは何かテーマなどを持った作品作りだったのでしょうか。

長谷川:まず曲に関しては、今年がメジャー・デビュー20周年で、その年の最初にシングルを出そうっていう話になった時点で、"どんな曲がいいのかな?"っていろいろ考えてはいたんですけど、それこそPlastic Treeって今はわりと音楽の表現の幅も広くて、おそらくやろうと思えばどんなタイプの曲でもできると思うんです。そのなでもどんなタイプの曲をこのタイミングで提示したらいいのかなって個人的に考えたのが、バンドのデビューしたころとか、バンドを始めたころとか、バンドの原点的な、初期衝動的なものをもう一度ここで表現したいなというのがあって。

-年末公演のときに長谷川さんがMCで"「サイコガーデン」(2001年リリースのベスト・アルバム『Cut~Early Songs Best Selection~』収録曲)のようなノリやすい曲を作りたかった"とも言っていましたね。

長谷川:そうですね。だから今回はわりとパッと聴いて"あ、カッコいいじゃん"とか、"ライヴで盛り上がりそうだね"とか、第一印象がそういう感じの曲にしたいなっていうのがあって。

-長谷川さんが作った原曲の段階から、こういったデジタル要素の強い楽曲だったのでしょうか。

長谷川:そこは、バンドでプリプロ作業をしていくなかで、"こういうアプローチもいいんじゃない?"って出てきたんです。だからあえて言葉にすると、Plastic Treeのもともとやろうとしていた、わりとロックの伝統的なところと、自分たちなりのメロディの乗せ方......というところができたらいいなというのがあったんで。そういう意味では、最初に考えてたのはオールド・スクールなロックだったかもしれないです。みんなで作業していく段階で、どんどん成長していった感じがありますね。

-完成形に近いアプローチは、誰が持ち込んだアイディアが大きかったのでしょうか。

長谷川:やっぱりアレンジの面ではアキラ(ナカヤマアキラ/Gt)が大きいんじゃないですかね。もちろんケンケン(佐藤ケンケン)のドラムとかも、"こういうプレイを試してみてくれない?"とか、そういうやりとりをしたところはあるんですけど、最終的な仕上がりに関しては、メンバー各々から出た抽象的なものをアキラが具体的にまとめたところは大きいですね。