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INTERVIEW

Japanese

浅井健一&THE INTERCHANGE KILLS

2016年10月号掲載

浅井健一&THE INTERCHANGE KILLS

Member:浅井 健一(Vo/Gt) 中尾 憲太郎(Ba)

Interviewer:山口 智男

SHERBETSとして2枚の素晴らしいアルバムを昨年より立て続けにリリースした浅井健一が早くも新たなプロジェクト、浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSをスタートさせた。今回のパートナーは元NUMBER GIRLの中尾憲太郎と無名のドラマー 小林瞳。10月5日にリリースするシングル『Messenger Boy』を聴くかぎり、この3人が奏でるのは初期衝動を感じさせるロックンロールだが、そこはベンジーのことだ。すでに完成しているというアルバムではさらなる広がりが期待できそうだが、まずは新バンド結成の経緯から訊いてみよう。

-8月28日に新代田FEVERで行われた新バンドのお披露目ライヴを拝見させていただきました。ほとんど新曲だったにもかかわらず、お客さんはすごく盛り上がっていましたし、浅井さんも楽しんでいるように見えました。

浅井:勢いがあったでしょ。

中尾:もう初ライヴって感じのライヴになりましたね。

-中尾さんとドラムの小林さんは初ライヴってことで緊張していたんじゃないですか?

中尾:いや、しっかりとリハーサルをやったので、初ライヴらしいものになりましたね。実はもう2、3回ライヴをやったような気持ちでステージに立ってたんですけどね。

-この間もライヴを見ながら思ったんですけど、浅井さんのファンってライヴ中、結構話し掛けますよね? お客さんって演奏する側のタイミングを考えずに話し掛けるから、やりづらいってこともあるんじゃないですか?

浅井:やりづらくないよ。楽しいよ。

-メンバーを紹介したとき、"ギター・ヴォーカルは? ギター・ヴォーカルは?"って声がしきりに飛んでいましたね?

浅井:それ聞こえなかったんだよね。悪いことしたなと思って。

-照れてるのかなと思っていました。

浅井:いや、照れてないよ。2回目のときは聞こえたからね。自然な感じで最近は喋れるようになったから。でも、あんま喋らん方がええな。喋ると人柄がバレるんで(笑)、謎めいとった方がええかなと思って。無理か? 無理だわ。最近、無理だと思って、そんで喋るようにしたんだよね(笑)。バレバレだなと思って。

中尾:そうなんですね。

浅井:ありきたりのこと言いたくないんだわ。よくみんな"イエー"とか言って煽るでしょ。"俺について来い"みたいなさ。俺、そういうことができんのだわ。もっと自由に、ついて来たい奴はついて来てくれればいいし、ノリたい人はノッてくれればいいし、静かに見るのもいいし。

-でも、毎回、気の利いたことを言っていますよ。

浅井:普通に喋ってるつもりだけどね。普通のことを言っとるだけで、たぶん俺、面白いんだろうなと思って。天然で面白いんだろうから、きっと。

中尾:はははは(笑)。

浅井:最近そういう自分がよくわかってきたんだ。

-ところで、アルバムもすでに完成しているということですが、それだけの曲がある中から今作に収録した4曲はどんなふうに選んだんですか?

浅井:その4曲がいいかなと思って。最初にみんなが耳にする4曲なんで、激しいばかりだけじゃなくて、深みも......「Rat Party」(Track.4)なんかは深みがあると思うんだよね。だから、そこもちゃんとバランスを考えたら今回の4曲になったの。

-じゃあ、そこは出し惜しみせずに。

浅井:出し惜しみはしてないね。

中尾:そういう感じですね。

浅井:アルバムにはまだまだいい曲があるから、今回の4曲を聴いて、期待を膨らませてアルバムを聴いてほしいな。

中尾:シングルの4曲とアルバムは、またちょっと印象が違いますね。

-以前、"SHERBETSの『CRASHED SEDAN DRIVE』(2016年1月リリースの10thアルバム)の前に本当はソロを作ろうと思っていたけど"と、おっしゃっていましたけど、そのときに作ろうと思っていたソロが今回の浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSになったんですか?

浅井:なったね。憲太郎と(小林)瞳ちゃん(Dr)と会ったのが今年の春ぐらいで。そんでそのふたりのグルーヴが大好きだから何でもできるなと思って。今回のアルバムの曲は、昔作ってそのままずっと眠ってた曲なんだよね。それが今回、この3人でやることでようやく形にできたんで嬉しいよ。SHERBETSでもやってみたことはあるんだけど、うまくいかなかったんだよね。SHERBETSにはSHERBETSの独特の世界があるから。

-中尾さんと小林さんとはどんな経緯で一緒にやることになったんですか?

浅井:憲太郎はずっと前からマネージャーの堀君と知り合いなんだよね。

中尾:そうですね。堀さんと僕は福岡出身で、僕が19、20歳のころから面識があったんですけど、ライヴハウスでバイトしていたとき、堀さんがよくいらしてて。今回、急にお話しをいただきました(笑)。

浅井:ソロをやるもんだからベースとドラムを探そうと思って、まず瞳ちゃんが先に決まったんだよね。瞳ちゃんはSHERBETSの仲田(憲市)先輩がどこかで知り合って、"すごいドラムがいる"って言うから紹介してもらって、音を合せてみたらすごくよかったんだよね。で、ベース誰かいないかなって探してたら、憲太郎っていう元NUMBER GIRLのベースがいるって話で、音を合わせたらすごくバッチリで燃えたね。それから毎週スタジオに入って、1ヶ月ぐらいで曲をバーッと作ったのかな。なんかね、スイッチが入った。SHERBETSのときもスイッチが入ってるんだけど、今回はなんかすごくスイッチが入った。

中尾:僕らは必死でしたけどね。

浅井:これは今、絶対やらなきゃあかんと思った。